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ランディングページ(LP)の離脱率・直帰率を改善してCVRを向上させる方法

ランディングページ(LP)の離脱率が高く、十分にコンバージョン(CV)につながっていないとお困りではないでしょうか。広告やSEOで獲得した貴重な訪問者がLPからすぐに離脱してしまうと、せっかくのマーケティング投資が無駄になり、売上機会を逃してしまいます。

本記事では、このような高い離脱率の課題に対する具体的な解決策を紹介します。離脱率を改善することは、ひいてはサイトのコンバージョン率(CVR)向上に直結する重要な施策です。実際、一般的なLPの直帰率(後述)平均が70~90%でCVR平均は2~3%程度と言われており​、少しでも離脱を減らせばコンバージョン数を大きく伸ばせる可能性があります。

本記事を読み、離脱率改善によるCVR向上のポイントを押さえて効率的に成果を最大化していきましょう。

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深井嵐丸

この記事の著者

深井嵐丸

深井嵐丸

LP職人

PROJECT GROUP株式会社に入社後、Web広告事業で従事。当時、アイプチを Web広告で日本一販売した実績を持つ。

その後、独立しStockSunに参画。美容商材のCVR改善、EC施策に強みを持つ。Web広告運用者のバックグラウンドを活かし、多くのLP制作やLPOプロジェクトで成果を挙げる。

LP離脱率とは何か

まず「LP離脱率」とは何かを正しく理解しましょう。離脱率とは、特定のページがユーザーのセッションにおいて「最後に閲覧されたページ」になった割合を指します​。つまりそのページでサイトから退出(Exit)したユーザーの割合です。一方で直帰率(Bounce Rate)は、サイト訪問の最初のページから他のページに移動せず離脱した割合を指します​。直帰率は「最初に訪れたページだけを見て離脱した割合」であり、離脱率は「そのページが最後の閲覧ページになった割合」という違いがあります​。少し紛らわしいですが、直帰は離脱の一種です(直帰したユーザーはそのページが入口であり退出ページでもあるため)。

LPは広告や検索などからユーザーが最初に着地するページなので、LP離脱率は多くの場合LP直帰率と近い意味で使われます。ユーザーがLPを見てすぐ離れてしまえば直帰率・離脱率ともに上がり、コンバージョンには至りません。LP離脱率が高いということは、LP上でユーザーのニーズを満たせず離脱されている機会が多いことを示します。この改善が重要なのは、離脱率の高さはそのまま広告費や集客コストの目減りを意味し、反対に離脱率を下げることで得られた追加のユーザーエンゲージメントがCV最大化に直結するためです。言い換えれば、LP離脱率の改善こそがコンバージョン数を増やすカギなのです。

LP離脱率の平均・目安

「自社LPの離脱率は高いのか?低いのか?」を判断する目安として、一般的な数値や平均を知っておきましょう。実は離脱率そのものにはサイト内容や目的によって大きく差があるため、一概に“全サイト共通の平均”を論じるのは難しいと言われます​。しかしランディングページに限って言えば、指標として近い直帰率で見ると平均値は約60~90%程度と非常に高い傾向があります​。多くのLP訪問者は1ページだけ閲覧して離脱してしまうためです。業界や商材によって多少前後しますが、LP直帰率が70~90%程度で推移するケースが一般的であり​、CVRは平均2~3%程度とされています​。

このようにLPは他の種類のサイトページと比べても離脱(直帰)率が高めですが、だからといって高い離脱率を放置すべきではありません。 例えばLP直帰率の目安上限である90%を超えている場合、改善の余地が大いにあると考えられます​。直帰率80%と90%では、残ってくれるユーザー数が倍近く違います。仮に1,000人がLPに訪れた場合、直帰率80%なら200人が次の行動に移る可能性がありますが、90%ではわずか100人です。この差はそのままコンバージョンチャンスの差になります。高い離脱率を改善することで得られる効果がいかに大きいか、お分かりいただけるでしょう。逆に言えば、離脱率改善なくしてLPのCVR向上は望めません。以下で、なぜユーザーはLPから離脱してしまうのか主な原因を洗い出し、その対策となる改善策を詳しく見ていきます。

LPからユーザーが離脱する主な原因

LP離脱率

ユーザーがLPから離脱してしまう原因は様々ですが、主に以下のような要因が考えられます。それぞれについて確認しましょう。

  • ページの表示速度が遅い(UI/UX上の問題)
  • モバイル非対応によるユーザビリティの低下
  • コンテンツ内容とユーザー期待の不一致
  • ファーストビューの訴求力不足
  • CTAが不明確、またはフォームが複雑すぎる

ページの表示速度が遅い(UI/UX上の問題)

現代のユーザーはページの読み込みに数秒以上待たされるとすぐに離脱してしまいます。ページ表示が遅いとコンテンツを見る前に離れてしまうため、内容以前の問題として深刻です。ある調査では「ページの表示に3秒以上かかると約40%のユーザーがサイトから離脱する」というデータもあります​。特にスマートフォン利用者は表示速度に敏感で、ページが3秒を超えて表示されないと53%が離脱するとしたGoogleの調査結果も報告されています​。表示が1秒遅れるごとにコンバージョン率が7%低下したというデータもあり、ページ速度はUXとCV双方に大きな影響を与えます​。したがって、LPからの離脱率が高い原因としてまずページ読み込みの遅さは真っ先に疑うべきポイントです。

モバイル非対応によるユーザビリティの低下

スマホ全盛の現在、LPがモバイルフレンドリーでないことも離脱を招く重大な要因です。PC向けに作られたページをスマートフォンで閲覧すると、文字が小さい・レイアウトが崩れる・操作しづらい、といった問題が起こりがちです。その結果、ユーザーはストレスを感じてページから離脱してしまいます。「自社のサイトはスマホでも見やすいはず」と思っていても、実際には専用最適化しないと多くのユーザーを逃してしまうケースが多々あります​。実際に、ある企業の事例ではサイトをスマホ対応させただけで直帰率が11%も改善したと報告されています​。このようにモバイル対応不足はユーザビリティ低下による離脱を招き、ひいては機会損失やSEO評価の低下(モバイルフレンドリーでないサイトは検索順位でも不利)にもつながります。

コンテンツ内容とユーザー期待の不一致

ユーザーがLPに来訪する際には、何らかの期待やニーズを持ってアクセスしてきています。例えば広告や検索結果で「○○が安く買える!」という誘導を見てLPに来たのに、肝心のLPでその情報やオファーが見当たらなければ「自分の求める情報はここには無い」と判断されてしまいます​。このように流入経路(広告文や検索キーワード)とLP内容のミスマッチは、大きな離脱要因です。訴求メッセージに一貫性がないとユーザーは混乱し、不信感すら抱いてしまいます。また、LP内のコンテンツ自体がユーザーの期待に応えられない場合も離脱につながります。たとえば商品の魅力やベネフィットより自社自慢ばかりの内容だったり、専門的すぎて分かりにくかったりすると、ユーザーは読むのを止めて去ってしまいます。ユーザー視点に立ったコンテンツ設計ができていないLPでは、高い離脱率に陥りがちです。

ファーストビューの訴求力不足

LPに着地してユーザーがまず目にする「ファーストビュー(Above the fold)」の印象も離脱率に直結します。ファーストビューとは、ページを開いたときにスクロールせず表示される最初の画面領域のことです​。ここでユーザーの関心を掴めなければ、「このページには自分の探している情報がない」と数秒で判断され、すぐに離脱されてしまいます​。魅力的なビジュアルや明確なキャッチコピーが不足していると、せっかくの訴求ポイントが伝わりません。逆に言えば、ファーストビューで「お、これは自分に関係がありそうだ」「続きを見てみよう」と感じさせられれば直帰を防げる可能性が高まります。したがって、ファーストビューのデザイン・メッセージが弱いLPは離脱率が高くなりやすいのです。

CTAが不明確、またはフォームが複雑すぎる

LPの目的はコンバージョンを獲得することです。そのためのCTA(Call To Action)が適切に配置されていなかったり、目立っていなかったりすると、ユーザーは次に何をすれば良いか分からず離脱してしまいます。例えばCTAボタンが小さく埋もれていたり、言葉が曖昧で魅力に欠ける場合、ユーザーのアクション率は下がります。また、CTAクリック後のフォーム入力が煩雑すぎることも大きな離脱要因です。必要以上に多くの項目を入力させたり、入力しづらいUIだとユーザーのストレスが増し、途中でフォームから離脱してしまいます。一般に入力フォームの離脱率は高く、「フォーム最適化(EFO)」が重要視されるのはこのためです​。せっかくCTAまで誘導できても、その先で離脱されてはCVにはつながりません。CTAの不備やフォームの使いにくさは、LP離脱率を押し上げる代表的な原因と言えます。

以上が主な原因です。では、こうした課題に対して具体的にどのような改善策を講じればよいのでしょうか。次章で効果的な施策を一つずつ解説します。

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LP離脱率を下げる10個の改善策

離脱率改善のために取るべき施策を網羅的に紹介します。自社LPの状況と上記の原因分析に照らし合わせて、実行できそうなものから優先的に取り組んでみてください。

  • ページ読み込み速度の高速化
  • モバイルフレンドリー対応の強化
  • ファーストビューの改善
  • CTAボタンの最適化
  • コンテンツの見直し(ユーザーの関心に合致した情報提供)
  • フォームの最適化(EFOの実践)
  • ページデザインの改善(レイアウト・フォント・カラー最適化)
  • 信頼性の付与(社会的証明の活用)
  • 双方向コミュニケーションの活用(チャットボット導入など)
  • 改善施策の効果測定と継続的なLPO

①ページ読み込み速度の高速化

ページ表示速度の改善は離脱率低下の基本中の基本です。ユーザーを待たせないために、以下のような対策で可能な限り高速化を図りましょう。

  • 画像の最適化
    大きな画像は圧縮してファイルサイズを削減します。必要以上に高解像度な画像を使わず、適切なフォーマット(JPEG/PNG/WebPなど)で軽量化しましょう。
  • 不要なスクリプトの削減
    使用していないJavaScriptやCSSは読み込みから除外します。ライブラリも必要最低限に留め、コードはミニファイ(圧縮)して転送量を減らします。
  • ブラウザキャッシュの活用
    ユーザーが再訪問した際に素早く表示できるよう、画像やCSSをキャッシュさせます。これによりリピート訪問時の体感速度が向上します。
  • コンテンツの遅延読み込み
    ファーストビューに不要な要素(下部の画像や動画など)は遅延読み込み(Lazy Load)を導入し、初期表示を軽くします。
  • 高速なサーバー・CDNの利用
    応答が遅いサーバーでは根本的に表示が遅くなります。必要に応じてサーバースペックの向上やCDN配信の利用も検討しましょう。

ページ速度改善によってユーザー離脱が大幅に減少した事例は数多くあります。表示速度が1秒改善するだけで直帰率が大幅に下がりCVRが向上したケースもあるほどです​。まずは自社LPの表示速度を計測し(GoogleのPageSpeed Insightsなどを活用)、ボトルネックになっている要素を特定して優先的に対処しましょう。理想的にはモバイルで3秒以内、可能なら1~2秒でファーストビューが表示される状態を目指してください​。

②モバイルフレンドリー対応の強化

モバイル対応(レスポンシブデザイン)の最適化も離脱率改善には欠かせません。スマホユーザーが快適に閲覧・操作できるLPを作るため、次のポイントに留意しましょう。

  • レスポンシブWebデザインの採用
    画面サイズに応じてレイアウトや画像サイズが自動調整されるようCSSを設計します。一つのHTMLでPCでもスマホでも見やすい構成にしましょう。
  • フォントサイズ・ボタンサイズの調整
    モバイルでは文字は16px以上、ボタンやリンクは指でタップしやすい十分な大きさと間隔を確保します。
  • 不要要素の非表示
    モバイル時に冗長な装飾や大きすぎる画像などは非表示にすることも検討します。ユーザーが情報に集中できるシンプルな見た目を心がけます。
  • テスト端末での検証
    実際のスマホ端末で表示崩れや操作性を確認します。特にiPhone/Androidの主要機種でレイアウトや動作をチェックしましょう。

モバイルフレンドリーを徹底することで、直帰率・離脱率が改善される傾向は明らかです。前述のようにスマホ対応だけで直帰率が11%改善した例もあります​。逆に未対応では、競合他社にユーザーを奪われる可能性も高まります。Googleもモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイルでのユーザビリティはSEO上も重要です。したがって、LPの離脱率対策としてモバイル最適化は最優先事項と言えます。

③ファーストビューの改善

LPのファーストビューを魅力的に改善することは、直帰率を下げユーザーの興味を引き止めるのに極めて有効です​。以下の点を見直してみましょう。

  • 強力なキャッチコピーの配置
    ユーザーのニーズや悩みに直結し、「おっ?」と興味を惹く見出し文をファーストビューに大きく表示します。価値提案がひと目で伝わるコピーが理想です。
  • 魅力的なキービジュアル
    商品・サービスの魅力やベネフィットを視覚的に表現した画像や動画を配置し、雰囲気づくりと直感的な理解を促します。プロが撮影・制作した高品質なビジュアルだと信頼感も高まります。
  • USP(独自の強み)の明示
    数ある競合と比べて自社が提供できる独自のメリット(例:「業界最安値」「累計○○万人が利用」など)をファーストビューに盛り込み、ユーザーに選ぶ理由を提示します。
  • CTAの初期配置
    可能であればファーストビュー内にCTAボタンや申し込みフォームのリンクを入れ、すぐ行動したいユーザーに応えます(ただし煩雑になりすぎないよう注意)。

ファーストビューの改善により、「このLPには自分の求める情報がありそうだ」「続きを読めばメリットが得られそうだ」とユーザーに感じさせることができれば直帰を防げます​。実際にファーストビューのデザインやコピーを変更することで離脱率を劇的に減少させた例も多数報告されています。LP制作のプロはファーストビューに最も時間を割くとも言われるほど重要な部分なので、離脱率改善にはまずファーストビューから見直してみてください。

関連記事:【事例あり】ランディングページのファーストビュー完全攻略!最初の3秒でCVRを大幅アップする方法

④CTAボタンの最適化

CTA(Call To Action)ボタンの最適化は、ユーザーの行動を誘導し離脱を防ぐ上で重要な役割を果たします。CTAボタンを最適化する際のポイントは次のとおりです。

  • デザインと目立たせ方
    CTAボタンはページ内でひときわ目を引くカラー・サイズに設定しましょう。ブランドカラーとコントラストの強い色を使う、余白を十分にとってボタンを強調するなどの工夫が効果的です。
  • 配置と数
    ユーザーがCTAに至りやすいよう、ページ内に適切に配置します。スクロールが長いLPでは、冒頭・中間・末尾など複数箇所にCTAボタンを配置すると取りこぼしを防げます。
  • 文言(コピー)
    ボタン上のテキストは具体的で魅力的なアクションを促す言葉にします。ただ「送信」ではなく「無料で相談する」「○○を今すぐダウンロード」など、ユーザーにとってのメリットが伝わる表現にしましょう。
  • 矢印やアイコンの活用
    ボタン内や周囲に矢印アイコンや誘導テキスト(例:「→こちらから」)を添えると、視覚的な誘導効果でクリック率が上がる場合があります。

CTAボタンがユーザーに発見されにくかったり、魅力を感じないものであれば、折角LP内容に興味を持ったユーザーも行動せず離脱してしまいます。逆にCTAを最適化することでCVRが大幅に向上した例も珍しくありません(ボタンの色変更だけでCVRが改善するケースもあります)。離脱率改善の観点からも、CTAボタンは 「ユーザーを迷わせず行動させる最後の砦」 として徹底的に最適化しましょう。

⑤コンテンツの見直し(ユーザーの関心に合致した情報提供)

LPのコンテンツ内容そのものをユーザーニーズに合致するよう見直すことも有効です。具体的には以下の点をチェックします。

  • メッセージの一貫性
    流入元(広告コピーや検索キーワード)とLP内の見出し・内容がずれていないか確認します。ユーザーが期待している情報をLPでしっかり提供しましょう。例えば広告で「無料お試し」と訴求していたなら、LPにもその詳細を目立つ場所に書く必要があります。実際、「リンク文言と遷移先内容を一致させたところフォーム通過率が1.3倍に向上した」というデータもあります​。
  • ユーザーの悩み・課題にフォーカス
    LPで自社商品の説明ばかりしていないでしょうか?まずはユーザーが抱える課題や欲求を明確にし、それに対してどう解決できるかを中心に据えたコンテンツ構成に改めます。ユーザー目線のコンテンツは共感を生み、離脱を減らします。
  • 読みやすさと理解しやすさ
    専門用語だらけの文章や、長大なテキスト塊はユーザーを疲れさせます。短い段落や箇条書きで要点を整理し、図解やイラストも用いて直感的に理解できる工夫をしましょう。また、中学生でも理解できるくらい平易な言葉遣いを心掛けると離脱率は下がる傾向があります。
  • コンテンツの網羅性
    ユーザーが知りたいであろう情報を漏れなく提供します。商品LPであれば価格・特徴・使い方・導入事例・FAQなど、一通り網羅することでユーザーが他サイトで追加情報を探す必要がなくなり、離脱防止につながります。

このようなコンテンツ改善により、LPから離脱せず読み進めてもらえるユーザーが増え、結果としてCV獲得数も向上します。「ユーザーに本当に響いている内容か?」という視点で定期的にコンテンツを見直すことが大切です。

⑥フォームの最適化(EFOの実践)

「EFO(Entry Form Optimization)」と呼ばれるフォーム最適化は、LP離脱率改善においてしばしば決定打となる重要施策です​。問い合わせや資料請求などのフォームで離脱させないため、次のような最適化を検討しましょう。

  • 入力項目の削減
    本当に必要な情報だけを入力してもらうようにし、項目数を絞り込みます。特に電話番号や住所などハードルの高い情報は必須にしない/聞かない判断も時には重要です。
  • フォームの分割・ステップ化
    一ページに長大なフォームを置くのではなく、いくつかのステップに分けるとユーザーの心理的負担が軽減されます。「あと少し」の気持ちを喚起するため進捗バーを表示する手もあります。
  • 入力支援とバリデーション
    郵便番号入力で住所自動補完、電話番号入力でハイフン自動挿入など、ユーザーが楽に入力できる工夫を凝らします。エラー時もどこが問題か分かりやすいメッセージを即座に表示し、ユーザーが躓かないUIにします。
  • 任意入力の扱い
    任意項目は思い切って削減するか、「アコーディオン(折りたたみ)」で非表示にしておくとフォーム全体が短く見え、心理的ハードルを下げられます​。実際、任意項目を折りたたんでフォームを短く見せたことでCV率が7.3ポイント向上した例もあります​。

これらEFO施策によりフォーム完了率が大幅に改善し、結果として離脱率低下・CVR上昇に成功した事例が数多く報告されています​。例えばフォームUI/UXの抜本的改善で新規契約率が107.6%も増加したケースや​、スマホ最適化でCVRが6.9ポイント上がった例​もあるほどです。LPからの最後の関門であるフォーム部分を最適化することは、離脱率改善には欠かせません。自社LPのフォームを自分で実際に入力してみて、不便さや煩わしさを感じる点はすぐ改善しましょう。

関連記事:EFO(入力フォーム最適化)とは?意味や効果的な施策、成功事例、ツールを徹底解説

⑦ページデザインの改善(レイアウト・フォント・カラー最適化)

LP全体のデザイン見直しも、ユーザーの読みやすさや信頼感の醸成に効果があります。デザイン面で離脱率改善につながるポイントを挙げます。

  • 視認性の高いフォントと配色
    小さすぎる文字や読みにくい書体は避け、十分なコントラストでテキストを配置します。背景色と文字色の組み合わせ次第では可読性が大きく変わるため、黒文字×白背景など基本に忠実な配色が無難です。
  • 余白とレイアウト
    情報を詰め込みすぎず適度に余白(ホワイトスペース)を設け、セクションごとに明確な区切りをつけます。段落間隔や画像周りの余白を統一すると、視線の流れがスムーズになり離脱を防ぎます。
  • 強調とメリハリ
    ユーザーに伝えたいキーワードや数値実績は太字や色付けで強調し、視線を引き付けます。一方でそれ以外のテキストはシンプルに整列させ、全体としてメリハリのあるデザインにします。
  • レスポンシブデザイン
    先述のモバイル対応とも重なりますが、デザイン面でも各デバイスで崩れないことが重要です。PCで美しくてもスマホでレイアウト崩壊していては離脱必至なので、各画面サイズで最適なデザインを提供します。

ページデザインはユーザーの直感的な「好き・嫌い」や「信頼できそう/できなさそう」といった印象を左右します。プロフェッショナルで見やすいデザインのLPはそれだけで信頼感を高め、離脱率を下げる効果があります。逆に素人っぽい雑然としたデザインだとどんなに内容が良くても読まれません。必要に応じてデザイナーに相談し、洗練されたLPデザインにブラッシュアップすることも検討しましょう。

⑧信頼性の付与(社会的証明の活用)

ユーザーに「この会社/商品は信頼できる」と思ってもらえれば、安心してLPを読み進めてもらえます。そこで信頼性を高める要素をLPに盛り込むことも離脱率改善に有効です。

  • 実績や利用者数の提示
    「累計〇〇人が利用」「導入社数〇〇社」など具体的な数字を示して実績を訴求します。多くの人に選ばれていると分かれば安心感につながります。
  • 顧客の声( testimonial )
    実際の利用者のレビューや感想を掲載します。「このサービスのおかげで売上が伸びた」「使いやすかった」等、生の声は強力な信頼材料です。顔写真や氏名(イニシャルでも可)を添えるとなお効果的です。
  • 権威・第三者評価の表示
    受賞歴(「○○アワード受賞」)、公的機関のお墨付き(「○○省認定」)、専門家からの推薦コメントなど、第三者による裏付け情報を載せます。いわゆる社会的証明の原理で、ユーザーの不安を和らげます。
  • セキュリティ/保証の明示
    フォーム送信や購入に際しては、「プライバシーマーク取得」「SSL暗号化通信」「〇〇保証付き」といった安全性・保証のアピールも有効です。個人情報やお金に関わる不安を取り除き、離脱を防ぎます。

信頼性の高いLPはユーザーの心理的ハードルを下げ、「このまま読み進めれば有益な情報や良い提案が得られるかもしれない」と思わせることができます。結果としてじっくり読んでもらえる時間が増え、離脱率が下がる効果が期待できます。自社LPに信頼要素が足りていないと感じたら、上記のような証拠・証明を追加してコンテンツの信用度を高めましょう。

⑨双方向コミュニケーションの活用(チャットボット導入など)

ユーザーがLP上で疑問を感じたり迷ったりしたとき、すぐに解決策を提示できれば離脱を防げます。その手段の一つがチャットボットの導入です。ページ端にチャット問い合わせ窓を設置し、ユーザーからの質問に自動応答したり、必要に応じてオペレーターにつなぐことで安心感を提供します。チャットボットには次のような利点があります​。

  • 即時回答による不安解消
    商品詳細や料金プランなどLP内のどこかに書いてあっても、ユーザーが見つけられない場合があります。チャットで尋ねれば即座に回答が得られるため、疑問を解消して先に進んでもらいやすくなります。
  • 離脱防止のトリガー
    ユーザーがページ上で一定時間操作しなかった場合や離れようとしたタイミングで、自動的にチャットボットから話しかける設定も可能です。「何かお困りですか?」といったメッセージが表示されれば、迷っていたユーザーを引き止めるきっかけになります。
  • ユーザーエンゲージメント向上
    双方向のやり取りが発生することで、ユーザーはサイトに対する親近感や関与度を高めます。結果としてページ滞在時間が延び、離脱率低下につながります​。

チャットボット以外にも、問い合わせフォームの設置やお電話相談窓口の案内など、ユーザーが 「気軽に質問・相談できる場」 を用意しておくことは離脱防止に効果的です。特に高額商材や専門サービスのLPでは、最後のひと押しとして人間とのコミュニケーション機会を用意することでCV獲得率が上がるケースが多いです。「ユーザーを一人にしない」工夫を取り入れ、悩みや疑問で離脱させないようにしましょう。

⑩改善施策の効果測定と継続的なLPO

離脱率を下げるための施策は、一度実施して終わりではありません。「効果測定と継続的なLP最適化(LPO: Landing Page Optimization)」のサイクルを回し続けることが重要です。

  • アクセス解析によるデータ計測
    Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用し、離脱率・直帰率、各セクションの閲覧状況、CTAクリック率、フォーム離脱率などを定量的に把握します。どの改善策が効果を発揮したのかデータで検証しましょう。
  • A/Bテストの実施
    改善アイデアに迷ったらA/Bテストでユーザーの反応を比較します。例として、キャッチコピーA案とB案で直帰率に差が出るかテストしたり、ボタン色の違いでCVRが変化するか検証します。データに基づく意思決定で最適なLPを追求します。
  • ヒートマップ・録画分析
    ヒートマップでユーザーのスクロール到達率やクリック分布を視覚化すると、どの箇所で関心が途切れて離脱しているか直感的に掴めます。必要に応じてページの構成を変えたり、重要情報をより上部に配置するなどの改善につなげます。
  • 継続的な改善(PDCAサイクル)
    LP改善は一度で完璧になることは稀です。常にデータを見ながら仮説→施策実行→検証のPDCAを回し、少しずつブラッシュアップしていきましょう。季節やトレンドの変化によってユーザー反応も変わるため、定期的な見直しは欠かせません。

継続的なLPOにより、離脱率は徐々に低減しコンバージョン率が底上げされていきます。改善前は気付かなかったボトルネックが新たに見えてくることもあります。社内で定期レビュー会を開く、KPIとして離脱率・CVRをモニタリングするなど、改善を習慣化する仕組みを作ると良いでしょう。

関連記事:LP改善方法のチェックポイント10選!LPOで成功するための手順や役立つツールもご紹介!

まとめ

LP離脱率の改善は、一朝一夕で劇的な成果が出る魔法のような施策ではありません。しかし、本記事で述べてきたようにページ速度の高速化からコンテンツ内容の最適化、フォーム改善に至るまでユーザー視点で丁寧に施策を積み重ねていけば、確実に離脱率は低下しコンバージョン率が向上していきます。その効果は実証されており、例えばスマホ対応やデザイン改善だけでも直帰率が二桁改善し​、フォームUIの工夫でコンバージョン数が倍増したケースもあります​。離脱率を下げCVRが上がれば、同じ集客数でも得られるリードや売上が大きく増え、マーケティングROIの向上にも直結します。

重要なのは、ユーザーの行動データに真摯に向き合い、地道にLPを改善し続ける姿勢です。紹介したチェックポイントを参考にご自身のLPを見直し、ぜひできるところから改善に取り組んでみてください。もし「自社だけではどこから手を付けて良いかわからない」「専門的な視点でLPをブラッシュアップしたい」という場合は、プロの手を借りるのも一つの方法です。

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