「なぜ手紙営業をする必要があるのか知りたい」
「手紙営業のやり方や具体的な例文がわからない」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
手紙営業とは、手紙を使って新規顧客開拓や既存顧客へのフォローを行う営業手法です。
手紙を用いて営業を行うことで顧客の目に留まりやすく、決裁者に直接届く可能性が高いため、結果的に業績向上につながります。
本記事では、営業スタッフが手紙営業をすべき理由をはじめ、シーン別の例文や成果を出すためのポイントを解説します。
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目次
手紙営業とはその名のとおり、手紙を使って法人・個人に営業をかける手法です。
営業のやり方には直接対面をはじめ電話やメールなどあらゆる手法がありますが、手紙営業は他のやり方に比べて開封されやすいです。
また、紙として出すため手元に残りやすく、インパクトを与えやすいのも特徴です。
テレアポやメール営業では、電話を受けた時やメールを開いた時しか記憶に残らない一方で、手紙営業は物理的に手元に残りやすく、決裁者の目にも届きやすいでしょう。どのような文面を作成するかによってアポイント獲得が大きく左右されるため、シチュエーション別のテンプレートを把握しておくのも効果的です。
他の営業手法とあわせて手紙営業も用いれば、重要なアポイントが獲得できたり、成約につながる可能性が上がるでしょう。
営業スタッフによって営業のかけ方はさまざまですが、手紙営業をすべき3つの理由があります。
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
封筒に入った手紙は、メールやフォームに比べて開封される可能性が高いです。
手紙に関しては1通1通「宛名」が書かれているため、自分だけに届けられた特別感を感じてもらえるでしょう。そのため、開封してみようかなという気持ちになりやすく、他の営業手法よりも印象に残りやすいのが特徴です。
開封率を上げるためには、上質なレターセットや切手を用意したり、シチュエーションに合った文面で作成すると効果的です。
また、印刷よりも手書きの方がより強いインパクトを与えやすく、アポイントや商談に持ち込める可能性が高いでしょう。
訪問営業や電話の場合、その場だけのアクションとなるためすぐに記憶からなくなってしまいます。
その点、手紙は紙を用いて営業を行うため物理的に手元に存在し、記憶にも残りやすいでしょう。
メールに関しても他の大量のメールに埋もれてなくなってしまうことが多く、印象に残らないことがほとんどです。実際、営業メールを出しても届いたことにすら気付かなかった例は多くあるでしょう。
物理的に手元に残りやすい手紙であれば、外見や書いている内容から企業へのイメージに結びつきやすく、時間が経ってもアポイントにつながる可能性があります。
他の営業手法の場合、開封した社員が「不要」と感じればすぐに破棄されてしまいます。
その点、手紙営業であれば「〇〇様」と名指しで宛名を記載するため、決裁者に直接届く可能性が高いです。
誰でも自分宛てに届いた郵便物であれば「重要な内容かもしれない」と思い中身を確認するのではないでしょうか。すぐに効果を得るのは難しいですが、何度も根気強く適切な内容でアプローチを続けているうちに決裁者と直接商談ができる機会が訪れるかもしれません。
手紙営業を行うべきシーンやシチュエーションはいくつか存在します。以下の5つの場面に分けて、手紙営業で使える例文をまとめてみました。
それぞれ用いるべき文言や表現が異なるため、ぜひ参考にしてみてください。
新規顧客宛てに手紙を出す際には、「相手が何も知らない状態である」という点を意識して文面を作成しましょう。
「なぜ手紙を出したのか」「何が目的なのか」を最初に説明することで、相手の警戒心が解けます。
「(挨拶文)
(自己紹介)
貴社のホームページを拝見し、弊社がお力添えできるのではないかと思いご連絡させていただきました。
(自社の商品・サービスの紹介)
ご多忙のところ恐れ入りますが、◯月◯日◯◯時頃、弊社の△△よりお電話させていただきます。
その際に、貴社のお悩みやご意見を詳しくお伺いできますと幸いです。
(結びの挨拶)」
新規顧客への手紙のポイントは、長々と商品やサービスの説明をしないことです。
まずは相手方との関係性の構築を第一に考えましょう。
以前取引があった会社や商品・サービスを購入してもらった相手に対しては、関係性に合わせた手紙を出すのが効果的です。
現在も取引がある企業としばらく取引がない企業では、挨拶文や本文を変える必要があります。
「(挨拶文)
本日は貴社とご面談のお願いをしたく、ご連絡させていただきました。
(自社の商品・サービスの紹介)
ぜひ、〇〇様と一度お話しさせていただく機会をいただければ幸いです。
〇月〇日〇〇時にご連絡致しますので、その際にご面談が可能な日程をお伺いできますでしょうか。
(結びの挨拶)」
訪問や商談後にお礼の手紙を出すと効果的です。「この企業は契約後のフォローもしっかりしてくれる」という印象を与えられ、今後の関係性をさらによいものにできるでしょう。
「(挨拶文)
先日はお忙しい中、貴重なお時間を割いていただき誠にありがとうございました。
(自社の商品・サービス導入へのアプローチ)
また、先日のご説明の中でご不明点、ご質問がございましたらいつでもお問合せくださいませ。
(結びの挨拶)」
最近はオンラインでの商談を行うケースも多くありますが、そのような場面でも一部を変更して流用可能です。
自社の商品やサービスを購入してもらった企業に対してお礼の手紙を出すと、相手に丁寧な企業である印象を与えられます。
成約して終わりではなく、手紙によるアフターフォローで顧客とより強い関係を築けるでしょう。
また、顧客から自社にとって有益な企業を紹介してもらえる可能性もあります。
「(挨拶文)
この度は、多くの企業の中から弊社とご契約をしていただき、誠にありがとうございました。
(自社の商品・サービスに対する意気込み)
今回、〇〇様にご商談の機会をいただき、心温まるお気遣いに大変感謝しております。
(結びの挨拶)」
自分が異動や退職することになった際にも、手紙による挨拶で自社と相手の企業が良好な関係を続けられます。異動や退職時の挨拶では、「いつから誰に引き継がれるのか」を明確にしましょう。
取引先や顧客によってはフランクな関係になっていることもあると思いますが、そのような場合でも丁寧な文面で手紙を出すと好印象です。
「(挨拶文)
私事で恐縮ですが、一身上の都合により、◯月◯日をもちまして退職させていただく運びとなりました。
(自社の商品・サービス導入のお礼)
今後は同じ課の△△が、貴社の担当を努めさせていただきます。
近日中に△△からもご挨拶させていただきます。
(結びの挨拶)」
さまざまなシーンで手紙営業が効果的であるとご紹介しましたが、成果を出すためにはいくつかポイントがあります。特に大切なポイントを以下の6つにまとめてみました。
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
手紙営業を成功させるためには、手紙の基本構造を理解することが大切です。手紙には、宛名や挨拶文、本文、結び、署名といった要素が含まれていますが、これらはビジネス手紙においても重要な役割を果たします。
まず、宛名では相手の名前をしっかり記載し、誠意を伝えることが重要です。次に挨拶文では季節の挨拶や、相手の状況に配慮した言葉を用いることで、手紙を受け取った相手に安心感を与えます。
本文では、相手に伝えたい内容を簡潔かつ明確に伝えることが求められ、最後に結びの挨拶や署名で感謝の気持ちを表現することが好印象を与えるポイントです。手紙の基本構造を理解し、適切に書くことが、営業活動を成功に導く鍵となります。
なお、手紙は以下の流れで書くのが基本です。
日本には四季があるため、季節に合わせた挨拶が手紙やメールのマナーとなっています。
季節に合わせた挨拶文を冒頭に持ってくることで「きちんと感」を出せるでしょう。特に格式高い手紙を書きたい場合には「○○の候」がよく使われます。
どのような相手・シーンでも季節に合った挨拶文を知っておいて損はありません。
ただし、季節の挨拶を入れるとどうしても定型文のような雰囲気になってしまうため、自己紹介のパートや本文はその都度変更するのが望ましいでしょう。
なお、時候の挨拶は以下の通りです。
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
1月 | 新春の候 | 寒中の候 | 大寒の候 |
2月 | 暮冬の候 | 立春の候 | 雨水の候 |
3月 | 早春の候 | 啓蟄の候 | 春分の候 |
4月 | 麗日の候 | 清明の候 | 穀雨の候 |
5月 | 晩春の候 | 立夏の候 | 小満の候 |
6月 | 麦秋の候 | 入梅の候 | 夏至の候 |
7月 | 七夕の候 | 小暑の候 | 大暑の候 |
8月 | 晩夏の候 | 立秋の候 | 処暑の候 |
9月 | 処暑の候 | 秋涼の候 | 秋冷の候 |
10月 | 秋涼の候 | 夜長の候 | 紅葉の候 |
11月 | 夜寒の候 | 立冬の候 | 初冬の候 |
12月 | 向寒の候 | 大雪の候 | 冬至の候 |
誰でも「なぜ手紙を出してきたのか」を知りたいはずです。
目的が明確ではない以上関係性の構築をするのは難しく、新規顧客開拓に関しては自社の商品やサービス導入にはいたらないでしょう。そこで、冒頭で手紙の目的を明確に記載することが大切です。
あまりダラダラと長い文章を書くと読む気が失せてしまうので、目的は時候の挨拶の後に3行ほどでまとめましょう。
相手がすぐに理解でき、最後まで読むメリットがあると感じてもらうような文面がポイントです。
ビジネスシーンに限らずどのようなシーンでも同じですが、読み手に合わせた内容にすれば相手の心に響く手紙になります。
時候の挨拶や自己紹介はどうしても同じような文面になってしまうかもしれません。
しかし、相手に対する興味・関心や取引企業と自社の関係性に基づいた商品・サービスの紹介など、臨機応変に内容を変更すると、他社からの手紙と差別化できます。
既存顧客に対する手紙の場合は、出身地や好きなことなど共通点を見つけて一筆添えると親近感を感じてもらえるかもしれません。
自社の商品・サービスに関して、すべて文章で説明すると長くなるうえ相手にイメージしてもらいにくいでしょう。
そこで、具体的な数値を入れてイメージしやすくするのがポイントです。
この時に自社のホームページやカタログに載っている内容を書いても「そんなこと知っている」と思われてしまう可能性があります。知っている情報が載っている時点で、手紙を読む価値がないと感じられてしまってはもったいないです。
しかし、一般には公開されていない情報を入れれば、説得力が増し、特別感を感じてもらえるでしょう。
導入実績や販売数は常に最新のデータを記載しましょう。
手紙の強みは心がこもった文章を作って相手にアプローチできる点です。
ただ手紙を読んでもらって終わりにするのではなく、せっかく出すのなら対面で話したいと思うのが当然でしょう。
「貴社の〇〇に感銘を受けました」「〇〇に強く共感いたしました」など、相手のファンになったことを強くアピールしてみてください。
人から好かれて嫌な気持ちになる人はいませんし、「それなら会ってみようかな」という気持ちも起こりやすいでしょう。
相手の商品やサービスに触れる場合には、具体的によかった点やもっと相手の話を聞きたい旨を盛り込みましょう。
手紙営業は素直な言葉で相手に気持ちを伝えられる有効な手段ですが、いくつか注意点が存在します。
手紙営業のよい点だけではなく、以下の5つの注意点を知っておくと安心です。
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
手紙を書く際には「どのような文面にするか」を考える必要があるため、時間がかかります。
特に新規顧客に対する手紙営業の場合は、慎重かつわかりやすい言葉選びをする必要があるでしょう。
また、手書きで手紙を書く場合には1文字でも間違うと1から書き直しとなるため、すぐに書き直せるメールやフォームに比べて手間がかかります。
10通、100通と膨大な量の手紙を書くとなれば強い忍耐力が必要となるため、そのような人材が社内にいるかも注意すべきポイントです。もし社内に該当する人材がいない場合は、手紙営業の代行サービスを利用しましょう。
対面や電話営業の場合はリアルタイム、メールに関しても送付すれば相手に一瞬で届きます。しかし、手紙の場合は郵送となるため発送してから届くまでに数日必要です。
例えば北海道から沖縄など遠く離れた場所に手紙を出す際には最低でも3日以上かかるため、伝えたい内容がすぐに伝えられないのがデメリットでしょう。
特に決裁者は多忙な日々を過ごしているため、届いてからさらに数日経って開封される可能性も考えられます。
そのため、手紙を送付して1週間後くらいに一度電話などで連絡してみるのがおすすめです。
「文章を使う」という意味ではハガキと手紙は同じように感じられるかもしれません。しかし、ビジネスシーンではハガキの方がカジュアルな印象を受けるため、シチュエーションや相手に合わせてハガキと手紙を使い分ける必要があります。
例えば、日々取引のある企業に対して年賀状や季節の挨拶に関してはハガキでもよいですが、新規顧客に手紙営業をする際は封書が好ましいです。
また、お礼状に関してはひとまずハガキを送ったのちに再度電話でお礼を述べると好印象です。
手紙営業をする際に、つい同じようなシチュエーションの場合、同じ文面になってしまいがちです。
しかし、いかにも「定型文」と感じられる文面の場合、相手からダイレクトメールのように感じられ、その後手紙を出しても読んでもらえなくなる可能性があります。
手間はかかりますが、ひとりひとりの相手に合わせた文面を作成すれば、説得力が増し、相手からの好意的なアクションが期待できるでしょう。
また、定型文を使いまわしていると宛名のミスなども起こりやすく、相手を不快にさせてしまう可能性があります。
特に新規顧客に対する手紙を出す際には、自社の商品やサービスのことを知ってもらいたい・導入してもらいたい思いが強くなりがちです。しかし、営業感を出しすぎると逆効果になることもあるため、適度にとどめておきましょう。
どのような営業に関しても、本来はお客様の悩みや不安を聞いたうえで自社の商品・サービスが役立つことを紹介すべきです。すぐに成果を出したい気持ちはわかりますが、まずはじっくりと顧客との関係の構築に重きを置きましょう。
最後に、手紙営業で成果を出すポイントを3つ紹介します。
それぞれのポイントを詳しく解説します。
手紙営業で成果を出すためには、ペルソナ分析を徹底することが重要です。ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的に描いたもので、年齢や性別、職業、趣味、ライフスタイルなどの情報を含みます。ペルソナを明確にすることで、手紙の内容やトーンを相手に合わせることができます。
たとえば、若い世代をターゲットにする場合は、カジュアルな言葉遣いやデジタルツールに触れる内容が効果的です。一方で、ビジネスパーソンを対象とする際は、専門的な知識や信頼性のある情報を提供することが求められます。
さらに、ペルソナ分析を通じて相手のニーズや悩みを理解し、それに対する解決策を提案することで、手紙の説得力が高まります。手紙営業を成功させるために、ペルソナ分析は欠かせない要素と言えるでしょう。
手紙営業で成果を出すためには、手紙を発送した後にアフターコールを行うことが大切です。手紙を送付した後、数日経ったタイミングで相手に電話をかけることで手紙の内容を確認し、興味を持ってもらえる可能性が高まります。アフターコールを行う際には、手紙の内容に触れながら、相手の反応を丁寧に聞く姿勢が求められます。
具体的には、手紙を読んだ感想や興味を持った点、質問があればそれに応じることが重要です。このプロセスによって、手紙の印象をより強めることができ、相手との関係を深めるきっかけになります。
また、アフターコールは信頼関係を築く手段にもなり、相手に対して自社の誠意を伝える機会ともなります。手紙営業を成功させるためには、手紙とアフターコールの連携が不可欠です。
手紙営業で成果を出すためには、長い目で見て結果がついてくることを理解することが重要です。手紙営業は一回限りのアプローチではなく、継続的なコミュニケーションを通じて信頼を築くプロセスです。最初の手紙を送付した後、すぐに反応が得られない場合もありますが、数回のやり取りを経て相手の関心が高まることがよくあります。
手紙営業は時間がかかることもあるため、焦らずにじっくりと取り組む姿勢が求められます。成果を上げるためには、定期的に手紙を送信し続けることがカギとなります。相手に自社の存在を印象づけ、価値を伝え続けることで、やがて興味を持ってもらえるタイミングが訪れます。
手紙営業の効果は短期的には見えにくいものですが、長期的な視点を持って取り組むことが、結果につながる重要な要素です。
営業スタッフはあらゆる場面で手紙を出すことをおすすめします。手紙は、電子メールや電話といった他のコミュニケーション手段では伝えきれない温かさや丁寧さを持っています。顧客に対して感謝の気持ちを伝える際や、新商品の案内をする際に手紙を活用すると、より強い印象を与えることができます。
また、手紙は受け取った相手の心に残りやすく、特別感を演出するツールとしても効果的です。手紙を通じて、企業のブランディングや信頼関係の構築にも寄与します。
例えば、契約成立後のフォローアップとして手紙を送ることで顧客に対する配慮を示し、リピートや紹介につながる可能性が高まります。営業活動に手紙を取り入れることで、ビジネスの幅を広げ、顧客との関係性を深める効果が期待できます。
手紙営業はメールやフォームに比べて開封率が高く、決裁者に直接届きやすいのが魅力です。
成果を出すためには、相手に合わせた文面を作成し、わかりやすく伝わりやすい言葉選びをする必要があります。
ただし、自社の商品やサービスをアピールしすぎると逆効果になったり、今後の関係性が変わってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
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