「新規の来院数がなかなか増えない」
「効果的な集客方法がわからず悩んでいる」
近年は多くの動物病院経営者や獣医師の方々がこのような悩みを抱えています。
国内の動物病院の数は年々増加している一方、犬の登録頭数は減少傾向にあり猫の飼育頭数は横ばいです。
このような状況下で動物病院の経営を成功させるには、効果的な集客戦略が欠かせません。
そこで本記事では、動物病院が直面する課題や効果的なマーケティング戦略、そして具体的な集客方法について詳しく解説します。
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無料相談を申し込む動物病院の集客にあたり、経営者は以下の3つの課題に直面しているといえます。
ここで詳しく見ていきましょう。
動物病院業界は急速な成長を遂げており、競争が激化しています。
農林水産省が発表した「令和5年 飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」によると、日本国内の動物病院総数は16,825件です。
そのうちペットの診察を主に行う「小動物、その他」の病院は12,706件と約75%を占めています。
動物病院の数は年々増加傾向にあり、競争環境はますます厳しくなっていくでしょう。
このような状況下では、差別化を図り効果的な集客戦略を立てることが生き残るための鍵となります。
参考:「飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」農林水産省
ペット市場が近年縮小傾向にあることも、動物病院の経営や集客で直面する課題の一つです。
「令和5年(2023年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の登録頭数は2009年をピークに減少傾向にあり、猫の飼育頭数は横ばいです。
ペット・ペット用品の販売額も頭打ち傾向にあります。
このような市場の縮小傾向は、動物病院の経営に深刻な影響を与える可能性があります。
そのため、今後の経営・集客戦略の見直しは急務といえるでしょう。
参考:「令和5年(2023年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ペットの診療を行う獣医師の数は増加しているにもかかわらず、実は、多くの動物病院が慢性的な人手不足に悩まされています。
病院の多くは獣医師が1人しかおらず、十分なスタッフ数を確保できていません。
一方で動物病院の数は今後も増加傾向にあり、人材の獲得競争も激化しています。
他院がより好条件の求人を出した場合、スタッフが流出するというリスクも潜んでいるのです。
このような状況下で、もし本格的な集客戦略を実施せず安定した経営基盤を築けなければ、優秀な人材を確保できないうえ、経営が傾きかねません。
動物病院の成功には高品質なサービスの提供だけでなく、効果的な広告宣伝が不可欠です。
どんなに優れた診療技術や設備を持っていても、それを適切に伝えなければ患者を集めることはできません。
そこでここからは、動物病院の集客に効果的なマーケティング戦略の基本を紹介します。
動物病院のマーケティングにおいては院長自身がブランドの中心であることを認識することが重要です。
院長は動物病院の代表であり、行動やサービスの品質が口コミなどの評判に直結します。
特に個人経営の動物病院では「院長=病院の“顔”」と言っても過言ではありません。
効果的なマーケティング戦略を立てる上で、院長が病院の評判を作り、維持する中心的存在であることを理解し、それを基盤に戦略を組み立てることが本質的に重要です。
具体的なマーケティングや集客の戦略を立てる前に、自院の現状を正確に把握することが重要です。
動物病院の売上は「客数×客単価」で構成されます。
そこで診療内容の内訳、客数、客単価、新患数、売上の詳細、売上構成比などを把握し、分析しましょう。
これにより客数と客単価のどちらにアプローチすべきかが明確になり、具体的な戦略を立てられます。
動物病院のマーケティングや集客の戦略においてもっとも重要なことは、費用対効果を常に考慮することです。
各施策の費用対効果を数値化して把握することで、より効果的な戦略の選択が可能になり、結果として業績の改善とアップが見込めます。
例えば販促物を使用する際は、それがどの程度の反響を生んだのかを必ず確認しましょう。
動物病院の集客には広告手段として様々なメディアを利用できますが、それぞれの効果を見極めて最適なものだけを選択することが重要です。
例えばホームページの開設やポスティング、フリーペーパーへの掲載などは一定の効果を見込めるため、内容を検討して活用すると良いでしょう。
一方で、電話帳への掲載や看板、電車やバスの広告などは必須ではありません。
具体的にどのような方法で動物病院の集客を成功させられるのでしょうか。
ここからは、動物病院の集客に特に効果的な6つの方法をご紹介します。
出典:Google
動物病院の集患において、口コミはもっとも効果的な広告宣伝方法です。
良い評判を広げることが来院数に直結し成功の鍵となります。
ただし重要なのは「動物病院は客商売である」ということを常に念頭に置いておくことです。
自院で高品質の施術やサービスを提供でき、飼い主が安心や信頼を感じられる状態であるからこそ、高評価の口コミが生まれます。
小手先のテクニックだけではなく、普段の診療活動や快適な環境づくりも大切にしましょう。
その上で、病院の情報を地域住民に知らせたり、ペット関連イベントの参加やSNSを通してアピールしたりすると効果的です。
現代の集客においてSNSの活用は非常に効果的です。
特に動物病院にとって有効なSNSにはLINE、X(旧Twitter)、Instagram、Facebookがあります。
SNSの種類 | 国内ユーザー数 | 特徴 | 動物病院が運用するメリット |
---|---|---|---|
LINE | 約9,500万人 | 日常的なコミュニケーションツールとして定着 | 病院からのお知らせや予約情報の発信に最適メニュー機能を活用し、重要情報をまとめて提供可能 |
X(旧Twitter) | 約6,600万人 | リアルタイムな情報発信に適している | 病院の日常や獣医師の専門知識を気軽に共有できる定期的な投稿で親近感を醸成 |
約3,300万人 | 写真や動画などの視覚的なコンテンツが中心 | ペットの写真や動画を通じて、病院の雰囲気を効果的に伝達ハッシュタグを活用し、地域や症状別の検索にヒットしやすくなる | |
約2,600万人 | ビジネス利用者が多く、詳細な情報発信に適している | 飼い主の悩みに焦点を当てた記事の投稿が効果的地域コミュニティとの連携や、イベント告知にも活用できる |
Googleマイビジネスとは、Googleマップやローカル検索に動物病院の情報を掲載できる、無料のGoogle公式ツールです。
Googleマップやローカル検索で上位表示を目指す施策のことをMEO(Map Engine Optimization)といいます。
近年はGoogleマップに書かれる口コミも増加しており、MEO対策は動物病院の集客方法の主流です。
効果的なMEO対策には以下のような方法があります。
SEOとは「Search Engine Optimization:検索エンジン最適化」の略称で、Googleなどの検索エンジンで上位表示されるようにウェブサイトを最適化する施策です。
ホームページを検索結果で上位表示させるにはSEO最適化が欠かせません。
効果的なSEO対策には、キーワード研究や質の高いコンテンツ作成があります。
ホームページには病院名や住所、電話番号、診療時間、専門分野などの基本的な情報を正確に記載するようにしましょう。
さらに検索ユーザーのニーズに応える情報を発信することが重視されています。
ブログを併設すると再訪問率が上がり、SEO効果も高まるでしょう。
動物病院ポータルサイトとは、地域や症状などの条件別に動物病院を検索できるウェブサイトのことです。
このようなサイトに自院を掲載すると、自院の存在を知らない潜在的な顧客に情報を発信できます。
ポータルサイトには来院予定や目的がある人が集まるため、即時的な集客につながりやすいのが大きなメリットです。
一方で、月間利用料や成功報酬の支払いが発生するため、利益が出にくいという側面もあります。
掲載を検討する際は、売上と利用料金のバランスを慎重に考慮しましょう。
チラシ配布(ポスティング)は、動物病院の集客における基本的かつ効果的な方法です。
特に急患の多い動物医療では、事前にチラシを見ていた飼い主が来院する可能性が高くなります。
効果的なチラシ配布を行うには、病院周辺の限られた範囲に集中して実施しましょう。
チラシには病院の場所や対象動物などの基本情報を明記し、できるだけペットを飼っている家庭を中心にポスティングすると良いでしょう。
さらに、ペットショップやドッグランなどの関連施設にチラシを設置することで、より多くの潜在的な顧客にアプローチできます。
このような手法を組み合わせると、効果のある集客が見込めます。
動物病院の売上を向上させるには以下の方法があります。
詳しく見ていきましょう。
前述の通り、動物病院の売上は「客数×客単価」で決まります。
つまり新規の来院数を増やすことは売上増加に直結する対策です。
新規の来院数を獲得するには、良い口コミを増やすことが効果的です。
そのためには、飼い主に対する適切なサービスを常に考え、提供し続けることが重要です。
何が適切なサービスかを追求する姿勢は飼い主に伝わり、自院の評価を高めていきます。
新規患者獲得のための集客活動も欠かせません。
地域イベントへの参加やSNSを活用した情報発信なども効果的です。
常に新規の来院数を増やす努力をすることは、経営上の大きな課題であり、継続的に取り組む必要があります。
客数を増やすことで売上は増えますから、新規来院数の獲得だけでなく、既存患者をリピーターとして定着させることも重要です。
ただし一度通院してくれたからといって、次も来院してくれると考えるのは甘いでしょう。
リピーターを増やすには、スタッフの対応や対応時間、クリニックの快適さなど、総合的な満足度を高める必要があります。
丁寧な説明や親切な対応などのスタッフの対応品質向上を心がけたり、待ち時間の短縮の工夫や清潔で快適な待合室の整備などに取り組んだりしましょう。
さらにリピーターを増やす有効な手段として、LINEを活用したCRM(顧客関係管理)の導入も検討しましょう。
例えば、診療予約のリマインダーや定期検診のお知らせをLINEで配信することで、顧客とのコミュニケーションを密にして再来院を促進できます。
また、定期健診の案内やフォローアップのDM送付など、継続的なコミュニケーションも重要です。
これらの取り組みにより、患者との信頼関係を築き、リピート率を高めることができます。
売上を増やすもう一つの方法は客単価を上げることです。
ただし動物病院に多いクレームには「診療費が高い」という項目があります。
単純な値上げは安易にしないようにしましょう。
代わりに、他院にはない自院だけの強みを持つことが重要です。
例えば、夜間や休日の診療、急患のためのホットライン設置などが考えられます。
また、ペットフードの販売やペットホテルのサービス提供など、収益源を多様化することも手段の一つです。
利便性の高さと飼い主のニーズにマッチしたサービスを提供できれば、他院より多少割高であっても「選ばれる動物病院」になれます。
重要なのは、単価を上げつつも飼い主の満足度を高めることです。
そうすることで、持続可能な形で売上を伸ばすことができるでしょう。
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無料相談を申し込む動物病院の広告は集客に直結する重要な手段ですが、法規制に違反しないことが大切です。
2019年6月「動物の愛護及び管理に関する法律」が改訂され、動物病院における広告活動に対する規制が強化されました。
この改訂の背景には、動物の命の尊厳を守るために、低価格競争による医療の質の低下を防ぐ目的があります。
法律により規制の範囲内に入る広告とは、以下に該当するものを指します。
広告を出稿する際には、獣医療に関わる規定にしっかりと目を向け、法に触れるような表現で情報を発信しないように注意しましょう。
動物病院の広告において、飼い主に誤解を与える誇大広告は厳しく禁止されています。
誇大広告とは、実際のサービス内容や効果を大幅に誇張し、飼い主が不適切な期待を抱くような内容の広告のことです。
消費者が正確な情報をもとに適切な判断ができるよう、正当で透明性のある広告を心がけましょう。
「獣医療法」という法律による広告の制限は、飼い主が広告の虚偽情報に惑わされることを防ぎ、動物の健康被害を未然に防ぐことが目的です。
特に獣医療法第17条第1項に基づき、獣医師の技能や療法、経歴に関する広告の出稿は規制されています。
例えば「最先端治療法を提供」といった曖昧な表現は、具体的な根拠がない限り避けるべきです。
価格や他院との違いを強調した広告は、動物病院同士の価格競争を引き起こしたり、低価格で不適切な治療を招いたりする懸念があります。
そのため獣医療法では、比較広告や費用に関する広告が厳しく制限されています。
特に、避妊去勢手術や予防注射、フィラリア症予防、健康診断などに関しては、価格を表記した広告は許されていません。
また「当院は〇〇病院よりも20%安く手術を提供」といった比較広告は、飼い主に価格のみで判断させ、不適切な治療を選ばせるリスクがあるため、禁止されています。
動物病院の集客の成功には、質の高い医療サービスの提供と効果的な集客戦略の両立が不可欠です。
特に、口コミの醸成、SNSの活用、GoogleマイビジネスでのMEO対策など、デジタル時代に適した手法も重要となっています。
競争の激化や市場縮小の中で成功するには、これらの戦略的なアプローチを適切に組み合わせることが鍵となるでしょう。
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