害虫駆除の集客方法を調べると、「MEO」「チラシ」「Web広告」など、施策の一覧は数多く見つかります。しかし、現場で本当に悩ましいのは、施策の数ではなく「夏は依頼が殺到するのに、冬は電話が鳴らない」という季節変動ではないでしょうか。マッチングサイトでは価格を比較されやすく、集客できても受注につながらないケースもあります。
この記事では、エリアビジネスのマーケティング支援を専門とする立場から、害虫駆除の集客方法を9つ紹介。さらに、季節や害虫の種類に左右されず、売上を安定させる集客の仕組みまで解説します。
この記事の結論(害虫駆除 集客 早わかり)
目次
集客方法の話に入る前に、害虫駆除という業態がなぜ集客しづらいのかを整理しておきましょう。理由がわかると、打つべき手の優先順位が自然に決まります。
害虫駆除の需要は、年間を通じてなだらかに発生するわけではありません。害虫の種類ごとに、依頼が集中する時期がはっきり決まっています。
たとえばシロアリの場合、羽アリが飛び立つ「群飛」の時期に問い合わせが跳ね上がります。公益社団法人日本しろあり対策協会によると、ヤマトシロアリの羽アリは4〜5月の昼間に群飛し、イエシロアリは6〜7月の夜に群飛して電灯に飛来します(出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「羽アリが飛ぶ時期はいつごろですか?」)。
同じ「シロアリ」でも、ヤマトシロアリとイエシロアリでは需要期が2か月ほどずれます。さらに沖縄では2月ごろ、東北・北海道では6月ごろと、地域によっても時期が動きます。
つまり「害虫駆除の繁忙期は夏」という大づかみな理解のままでは、広告予算を寄せるタイミングを外します。自社の商圏にどの種類が多いのかまで踏み込んで把握しておく必要があります。
季節だけでなく、単価の差も見過ごせません。ゴキブリ1件の駆除と、床下全面のシロアリ処理では、金額の桁が変わります。
単価が違えば、依頼するユーザーの動き方も変わります。数千円から1万円台の作業なら、ユーザーは相見積もりを取らずにその場で決めることが多くなります。一方で数十万円の工事になると、複数社に見積もりを依頼して比較する流れが一般的です。
この違いは、広告の打ち方をまるごと変えます。同じ害虫駆除でも、種類が変われば単価も客層も別のビジネスだと考えましょう。
3つ目は、業界全体の信頼にかかわる問題です。緊急対応を求めるユーザーの不安につけ込み、当初の広告表示とかけ離れた高額請求をする事業者の存在が、公的機関から注意喚起されています。
国民生活センターは2021年10月、水回り修理・解錠・害虫駆除などの緊急対応サービスをめぐるトラブルについて注意喚起を公表しました。同センターに寄せられた相談件数は次のように推移しています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2016年度 | 2,437件 |
| 2017年度 | 2,805件 |
| 2018年度 | 3,386件 |
| 2019年度 | 3,771件 |
| 2020年度 | 5,882件 |
| 2021年度(8月末まで) | 2,307件 |
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2016年度から2020年度にかけて、相談件数は約2.4倍に増えています(出典:国民生活センター「水回り修理『950円〜』のはずが…数十万円の高額請求に!」/2021年10月7日公表・PIO-NET登録分)。
ここで損をしているのは、まっとうに営業している事業者です。ユーザーは「害虫駆除の業者は怖い」という前提で検索を始めるため、価格や対応スピードを訴求する前に、まず疑いを解く必要があります。
施策を選ぶ前に決めておくべきことが2つあります。この2つが曖昧なまま広告を出すと、問い合わせは増えても利益が残らない状態になりがちです。
商圏を考えるとき、「拠点から半径15km」のように距離で線を引く方が多くいます。ただ、害虫駆除のような出張型のサービスでは、この決め方は実態と合いません。
同じ15kmでも、幹線道路沿いなら20分で着き、市街地を抜けるなら50分かかることがあります。そして移動時間はそのまま原価になります。片道30分の現場なら、往復1時間ぶんの人件費と車両費が1件あたりに乗ってきます。
だからこそ、商圏は「車で何分の範囲か」で考えましょう。そのうえで、単価の高いサービスほど商圏を広げ、単価の低いサービスほど狭めるのが基本の考え方です。
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商圏を移動時間で区切る意味は、原価を計算してみるとはっきりします。ここでは考え方を示すために、想定のケースとして試算してみます。
作業スタッフ1名の人件費と車両費を合わせて1時間あたり3,000円と仮定し、片道30分の現場に向かうとします。往復1時間で移動だけに3,000円かかる計算です。ここに広告費が乗ります。
| 項目 | ゴキブリ駆除(想定) | シロアリ工事(想定) |
|---|---|---|
| 売上 | 15,000円 | 300,000円 |
| 移動コスト(往復1時間) | 3,000円 | 3,000円 |
| 薬剤・資材費 | 2,000円 | 60,000円 |
| 作業の人件費 | 3,000円 | 60,000円 |
| 広告費(CPA) | 5,000円 | 20,000円 |
| 残る利益 | 2,000円 | 157,000円 |
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※上記は考え方を示すための想定ケースであり、実際の数値は事業者ごとに異なります。
この試算でわかるのは、低単価のサービスでは、移動時間が少し伸びるだけで利益が消えてしまうということ。片道が45分に伸びれば、ゴキブリ駆除の利益は残りません。
一方で高単価のサービスは、移動時間が1時間を超えても十分に利益が残ります。だからこそ、サービスごとに配信エリアの広さを変える必要が出てきます。
自社の数字でこの表を一度作ってみてください。どのサービスをどこまでの範囲で受けるべきかが、感覚ではなく数字で決まります。
もうひとつの土台が、キャンペーンの分け方です。害虫駆除の広告アカウントでは、ゴキブリ・シロアリ・ハチ・ネズミなどを、ひとつのキャンペーンにまとめて配信しているケースがよくあります。
しかし、単価が数千円のサービスと数十万円のサービスを同じキャンペーンに入れると、費用対効果を正しく判断できません。アカウント全体のCPAは目標内でも、内訳を見ると高単価の案件だけで採算を支えているという状態になりかねません。
分けるべき軸は、以下の3つです。
キャンペーンを分けておけば、「どの害虫・エリア・時期が利益を生んでいるのか」をデータで判断できます。集客数だけでなく、最終的な利益まで見ながら広告予算を配分できるようになります。
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【無料】害虫駆除の集客設計を相談するここからは具体的な集客方法を9つ紹介します。すべてに同時に手をつける必要はありません。自社の状況に合うものから順に着手するのが現実的です。
役割「地域名+害虫駆除」で検索したユーザーに、地図上で見つけてもらう
特徴集客の最初の土台。無料で始められる
未実施だと緊急性が高く、すぐ近くの業者を探しているユーザーを取りこぼす
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogleマップ上に自社の情報を表示できる無料サービスです。検索結果の上部に表示されるローカルパックにも掲載されるため、「今すぐ害虫駆除を依頼したい」という緊急性の高いユーザーを獲得するうえで重要な集客施策。
登録したら、対応しているサービスをできるだけ詳しく掲載しましょう。ゴキブリ駆除・シロアリ駆除・ハチの巣駆除・ネズミ駆除・害獣駆除など、対応可能なサービスを網羅しておくことが大切です。ユーザーは「ゴキブリ駆除」「シロアリ駆除」など、害虫の名前を含むキーワードで検索するため、サービス情報が不足していると検索時の候補になりにくくなります。
ただし、ひとつ注意したいのがビジネス名への地域名・キーワードの追加です。これはGoogleのガイドラインに反する可能性があります。
Googleは、ビジネス名について、店舗看板やウェブサイトなどで実際に使用している名称を登録するよう求めています。地域情報やマーケティング用語、営業時間、電話番号などをビジネス名に追加することは認められていません。
ガイドラインに違反すると、ビジネスプロフィールが停止される可能性があります(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス情報のガイドライン」)。
「エリア名を入れると上位表示されやすい」という話を見聞きすることもありますが、停止リスクを負ってまで行う施策ではありません。ビジネス名は正式名称のまま、サービス情報の充実や口コミの獲得など、ガイドラインに沿った方法で集客力を高めましょう。
役割「怪しい業者ではない」という証明をユーザー自身の言葉で用意する
特徴MEOと同時に着手する。地図表示の順位にも効く
未実施だと価格以外に選ばれる理由がなくなり、値下げ競争に巻き込まれる
前章で触れたとおり、害虫駆除のユーザーは疑いを持った状態で検索を始めます。その疑いをいちばん効率よく解くのが、第三者である実際に依頼したユーザーの声です。
ただ、現場のスタッフに「口コミをお願いして」と伝えるだけではなかなか集まりません。作業のあとにお願いする流れを、仕組みとして用意しましょう。
おすすめは、A4サイズのアンケート用紙の雛形を作り、作業完了時にその場で書いてもらう方法です。手書きのアンケートは、Googleの口コミとは別に、自社サイトの「お客様の声」としても使えるため、一石二鳥です。
役割今すぐ駆除したいユーザーを、検索結果の最上部で捕まえる
特徴短期で問い合わせを増やしたいときの主力
未実施だと繁忙期の需要を、広告を出している競合にすべて持っていかれる
リスティング広告とは、検索キーワードに連動して検索結果の上部に表示される広告のこと。害虫駆除は緊急性が高く、ユーザーが検索してから依頼するまでの時間が短いため、相性のよい手法といえます。
設計のポイントは、前章で触れたキャンペーンの分割です。「ゴキブリ駆除→15分圏」「シロアリ駆除→30分圏」のように、害虫ごとに配信エリアと予算を分けます。
あわせて、除外キーワードの設計も忘れずに行いましょう。「駆除 方法」「自分で」といった、自力で解決しようとしているユーザーのキーワードを除外するだけで、無駄なクリックがかなり減ります。
エリアビジネスの広告運用について、より実践的に知りたい方は、こちらの動画もご覧ください。配信エリアの決め方やCPAの見方など、実際の広告運用で押さえておきたいポイントを詳しく解説しています。
役割一度サイトに来たが問い合わせなかったユーザーを、もう一度連れ戻す
特徴リスティング広告が回り始めたあとの上乗せ施策
未実施だと比較検討している高単価の案件を、競合に決められてしまう
リマーケティング広告とは、一度自社サイトを訪れたユーザーに対して、別のサイトを見ているときに再度広告を表示する手法のこと。相見積もりが発生しやすい高単価のサービスほど効果があります。
ここで大事なのが、リストを追いかける期間をサービスごとに変えること。ゴキブリ駆除のように即決される依頼を180日間追いかけても意味がありません。逆にシロアリ工事のように検討が長引く依頼は、期間を長めに設定します。
なお、この出し分けをするには前提条件があります。サービスごとにページのURLが分かれていないと、「どのサービスを見た人か」というデータが取れません。ランディングページを作る段階から、URLを分けておきましょう。
役割自社集客が立ち上がるまでの、つなぎの受注経路にする
特徴立ち上げ期。ただし依存しない前提で使う
未実施だと創業直後に売上がまったく立たない期間ができる
マッチングサイトは、登録するだけで問い合わせが届くため、立ち上げ期の集客には有効です。一方で、同じ依頼が複数の事業者に送られる仕組みのため、価格で比較されやすく、値下げ競争になりやすいという側面があります。
もちろん、使うこと自体が悪いわけではありません。
ただ、マッチングサイトだけに頼っていると、手数料と値下げによって利益が削られ続けます。マッチングサイトで案件を確保しながら、並行してGoogle検索や口コミなど、自社で集客できる土台を作っていくのが理想です。
役割ネットで探さない層と、まだ困っていない層に先回りして接触する
特徴需要期の直前。戸建てが多いエリアに絞って配る
未実施だと高齢者世帯など、検索以外の経路でしか届かない層を逃す
害虫駆除は、シロアリ予防のように「まだ困っていないが、いずれ必要になる」という需要があります。この層は検索をしないため、Web施策だけでは接触できません。
ポスティングを行うなら、配布エリアの選定が成果を左右します。シロアリなら戸建てが多い地域、ゴキブリなら飲食店が集まる地域というように、害虫の種類ごとに配る場所を変えるのが基本です。
役割商圏内での認知を積み上げ、指名検索を増やす
特徴日々の移動そのものを広告に変える。追加費用がかかりにくい
未実施だと知名度が上がらず、いつまでも広告費に依存し続ける
作業車にサービス内容や電話番号を大きく表示しておけば、商圏内を移動するたびに地域の見込み客に接触できる広告媒体として機能します。効果が数字に表れるまで時間はかかるものの、繰り返し目にしてもらうことで社名を覚えてもらい、指名検索につながる可能性があります。
また、指名検索が増えれば、広告だけに頼らず問い合わせを獲得できるようになり、長期的には広告への依存度を下げられます。
すぐに成果を求める施策ではありませんが、地域での認知を積み上げ、安定した集客基盤をつくる方法として取り入れる価値があります。
役割広告費をかけずに「地域名+害虫名」で継続的に流入を得る
特徴中長期の資産づくり。成果までは半年程度みておく
未実施だと広告を止めた瞬間に問い合わせがゼロになる状態が続く
ローカルSEOとは、「地域名+サービス名」の検索で自社サイトを上位表示させるための取り組みのこと。害虫駆除では、エリアページの整備にまだ大きな差がつく余地があります。
StockSunでは2026年8月、害虫駆除・水道修理・出張買取・引越しの4業種を対象に、事業者79社のWebサイト構造を調査しました。各社のsitemapなどからURLを取得し、URL構造をもとに機械的に分類した結果、分析できたのは60社です。
そのうち、害虫駆除で分析できた20社のうち、エリアページを整備していたのは7社(35%)でした。これは、今回調査した4業種のなかで最も低い割合です。
つまり害虫駆除は、エリアページを整備するだけでも競合との差をつくれる可能性があります。ただし、重要なのはページを作ることではなく、検索意図に合わせて「サービス×エリア」でページを分けること。
よくあるのが、「対応エリア」というページを1枚だけ作り、そこに市区町村名を並べる方法です。しかし、「シロアリ駆除 ○○市」と「ゴキブリ駆除 ○○市」では検索意図が異なるため、1ページですべてのキーワードをカバーするのは難しくなります。
基本は、サービスページの下に、そのサービス専用のエリアページを設ける構造にしましょう。さらに、作り込んでいる事業者では、「市区町村×害虫・害獣×種類」まで細かくページを分けているケースもあります。
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ページを増やすときに問題になるのが、内容の重複です。市区町村名だけを差し替えたページを量産しても評価されません。そのエリアでしか書けない情報が必要です。自治体ごとの相談窓口、その地域で多い害虫の傾向、実際にその市区町村で対応した施工事例などが素材になります。
役割季節に左右されにくい、継続的な売上の柱を作る
特徴閑散期の売上を埋める土台として、早い段階から仕込む
未実施だと個人からの依頼だけになり、閑散期の落ち込みを吸収できない
個人宅からの依頼が季節に左右されるのに対して、法人との取引は年間を通じて発生します。飲食店の定期防除、賃貸物件の退去後の消毒、マンション管理会社からの定期契約などが代表例です。
1件あたりの単価は個人向けより低くなることもありますが、継続的に売上が発生することが大きなメリット。閑散期の売上をどう確保するかを考えたとき、法人契約は季節変動を抑える有力な選択肢になります。
なお、建築物衛生法の対象となる特定建築物では、ねずみ・昆虫等の防除が定められた基準に沿って行われます。同法に基づく「ねずみ・昆虫等防除業」の登録を受けていることは、法人営業の場面で信頼の裏づけになります。登録は行政庁に対して行うもので、有効期間は6年です(出典:厚生労働省「建築物における衛生的環境の確保に関する事業の登録について」)。
StockSun認定パートナー 堀 碩信
9つ並べましたが、最初から全部やる必要はありません。予算が限られている段階でこれを全部に散らすと、どれも中途半端になります。まずはGoogleビジネスプロフィールと口コミ、そして自社の主力になる害虫1種類でのリスティング広告。この3つに絞りましょう。ここで数字が読めるようになってから、次の施策を足していくのが遠回りに見えていちばん早い進め方です。
\予算に合わせた優先順位をご提案/
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害虫駆除の集客で最も差がつきやすいのが、季節に合わせた広告設計です。年間予算を12か月で均等に割り、毎月同じ金額を使うのは、この業種では効率的とはいえません。害虫ごとに需要が高まる時期を見極め、繁忙期に予算を寄せることが重要です。
まず、自社が扱う害虫の需要期を1枚のカレンダーにまとめましょう。前述の日本しろあり対策協会の情報を踏まえると、シロアリだけでも次のように分かれます。
| 種類 | 群飛の時期 | 時間帯 | 主な分布 |
|---|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | 4〜5月 (沖縄は2月ごろ、東北・北海道は6月ごろ) | 昼間 | 北海道北部を除く日本全土 |
| イエシロアリ | 6〜7月 | 夜 | 神奈川県以西の海岸線沿いの温暖な地域、千葉県の一部、南西諸島、小笠原諸島 |
| アメリカカンザイシロアリ | 6〜9月 | 昼間 | — |
| ダイコクシロアリ | 5〜8月 | 夜 | — |
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出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会。分布については同協会「ヤマトシロアリとイエシロアリの特徴」を参照しています。
自社の商圏がどちらの分布に当たるのかで、予算を寄せる月が変わります。関東の内陸部が商圏ならヤマトシロアリ中心の4〜5月、西日本の沿岸部ならイエシロアリの6〜7月も厚くする、という判断になります。
ここにハチやゴキブリの需要期を重ねると、年間の予算配分の骨格ができあがります。
需要が集中する時期には、大手事業者も広告を強めます。同じ土俵で真正面から競っても、予算の大きい側が有利になるのは避けられません。
ここで有効なのが、価格帯のポジションをずらす考え方。需要期には大手が価格を上げる傾向があるため、その少し下の価格帯を狙うと、比較検討の土俵に乗りやすくなります。
ただし、これは最安値を目指すという意味ではありません。激安をうたう事業者と同じ見え方になると、次章で触れる「安さで選ばれない設計」が崩れます。
大手より少し安く、激安業者よりは高い。この位置取りがもっとも利益を残しやすくなります。
閑散期に広告費を注ぎ込んでも、そもそも検索するユーザーがいないため成果は伸びません。この時期は、翌年の繁忙期に効く仕込みに時間を使いましょう。
具体的には次の3つです。
\繁忙期と閑散期のメリハリを設計します/
【無料】年間の広告予算の配分を相談する問い合わせが増えても、受注に至らなければ売上にはなりません。ここでは、集客と受注のあいだをつなぐ2つの考え方を紹介します。
StockSun認定パートナー 堀 碩信
私自身、以前はCPAを下げることに意識が向きすぎていた時期がありました。数字上は問い合わせが増えているのに、売上がついてこない。安く獲れた問い合わせほど、単価が低くて受注にもつながらないという当たり前のことに、あとから気づきました。いま支援に入るときは、必ず現場の受注データまで共有してもらうようにしています。
害虫駆除の訴求は、放っておくと「早い・安い」に寄っていきます。ユーザーが求めているのは確かにその2つなのですが、そこだけで戦うと必ず価格競争になります。
思い出してほしいのが、冒頭で触れた高額請求トラブルの話です。相談件数が5年で約2.4倍に増えている状況では、ユーザーは「安すぎる表示」をむしろ警戒します。「駆除2,980円〜」という表示は、集客力を持つと同時に、疑われる理由にもなっているということ。
だからこそ、安心して任せられるという軸で差別化しましょう。具体的には次のような要素が効きます。
広告運用の話になると、多くの場合CPAをいくら下げられたかが評価軸になります。ただ、エリアビジネスでこの指標だけを追うと、判断を誤ります。
たとえばCPA5,000円でゴキブリ駆除1件(売上1万円)を獲るのと、CPA2万円でシロアリ工事1件(売上30万円)を獲るのでは、後者のほうが圧倒的に利益が残ります。見るべきはCPAの絶対額ではなく、受注率と顧客単価を掛け合わせた結果です。
この判断をするには、広告の管理画面だけを見ていても足りません。現場が持っている「その問い合わせがいくらの受注になったか」というデータを、広告側と突き合わせる必要があります。
問い合わせごとに、内容・受注の可否・受注金額を記録する運用を作りましょう。手間はかかりますが、これがないとどのキャンペーンを伸ばすべきかを判断できません。
\数字の見方から一緒に整理します/
【無料】受注率と単価から広告を見直す最後に、支援の現場でよく見かける4つの失敗を紹介します。いずれも一般的なWeb集客では推奨されることが多い施策ですが、害虫駆除では必ずしも最適とは限りません。一般論をそのまま当てはめると、広告費や工数をかけたのに成果につながらないという遠回りになりかねないため、注意が必要です。
単価の異なるサービスをまとめると、何が利益を生んでいるのか分からなくなります。
すでに触れたとおり、単価が大きく異なるサービスを同じキャンペーンに入れると、サービスごとの費用対効果を判断できません。エリアビジネスの広告アカウントを引き継ぐ際にも、頻繁に見かける状態です。
【改善策】
害虫の種類ごとにキャンペーンを分けます。サービスごとの予算や成果を把握できるようになるため、配信を最適化しやすくなります。まず優先したい改善ポイントです。
「記事を増やせばSEOで集客できる」という一般論が、商圏の限られた業種では当てはまりません。
SEOに取り組むとき、一般的には「お役立ちブログを継続的に更新しましょう」と解説されることが多い一方で、エリアビジネスではこの方針が成果につながりにくくなります。
「ゴキブリ 駆除 方法」「シロアリ 見分け方」といったキーワードは、確かに検索されています。ただ、検索しているのは全国のユーザーです。商圏が車で30分の範囲に限られる以上、そのうち自社が対応できるのはごく一部にすぎません。
しかも、自力で駆除しようとして検索している人は、そもそも業者に依頼する意思が薄い層です。
【改善策】
記事の本数を増やす前に、エリアページを1枚増やします。コンテンツを作るなら、地域と結びついたテーマに絞りましょう。自治体の害虫相談窓口との違い、その地域で発生しやすい害虫、集合住宅と戸建てで異なる対応方法など、商圏内のユーザーだけが検索するテーマが有効です。
窓口を増やせば問い合わせが増える、とは限りません。
電話・フォーム・LINE・チャットと選択肢を増やすほうが親切に見えます。ただ、緊急性の高い業態ではむしろ対応の手間だけが増えることがあります。
とくにLINEを入れると、「これいくらですか」とだけ聞いて、そのあと連絡が取れなくなる軽い問い合わせが増えがちです。害虫駆除はリピートが少なく、時間をかけて関係を育てる必要のない業態のため、そこに労力を割く意味は多くありません。
【改善策】
導線は電話とフォームに絞ります。そのうえで、それぞれがどれだけ受注につながったかを計測できる状態にしましょう。追うべきは問い合わせ件数ではなく受注件数です。
CPAが下がっている=広告の成果が良くなっている、とは限りません。CPAを下げようとすると、単価の低いキーワードや、緊急度の低いユーザーに配信が寄っていきます。
その結果、問い合わせ件数は増えたのに売上は横ばい、という状態に陥ります。広告レポート上はCPAが改善して見えるため、その数字だけを追っていると気づけません。
【改善策】
「いくらで問い合わせを獲得したか」ではなく「いくらで受注につながったか」まで確認します。現場の受注データと広告の数字を突き合わせる運用が前提になります。
4つに共通しているのは、一般的に正しいとされる施策を、そのまま害虫駆除に当てはめてしまっている点です。害虫駆除は商圏が限られ、緊急性が高く、リピートも多くありません。この3つの条件が重なる業態では、施策の選び方そのものが変わります。
「問い合わせを増やす」ではなく「商圏内で受注につながる問い合わせを増やす」という視点で設計しましょう。
自社だけで集客の設計や運用を進めるのが難しい場合は、支援会社に依頼するのも選択肢のひとつです。ただし、支援会社によって得意な業種や施策、運用の考え方は異なります。ここまで解説してきた害虫駆除ならではの集客設計を踏まえ、依頼先を選ぶ際に確認したい3つの判断軸を紹介します。
StockSun認定パートナー 堀 碩信
支援会社選びで失敗するのは、広告運用の腕だけで選んでしまうケース。害虫駆除は種類ごとに単価も需要期も客層も違います。その前提が共有できていないと、問い合わせは増えても利益が残りません。依頼する前に、業界の話が通じるかどうかを確かめてみてください。
広告運用に強い代理店でも、害虫駆除という業態への理解が浅ければ、成果につながりません。
判断する方法は簡単です。ゴキブリ駆除とシロアリ駆除でキャンペーンを分けますか」と聞いてみましょう。ここで質問の意図が伝わらない相手では、この記事で解説してきたような細かな設計は期待しにくいでしょう。
害虫駆除は、需要期が種類ごとに分かれます。年間予算を12で割って毎月同じ額を使う運用しかできない相手では、この業種の強みを活かせません。
需要期に予算を寄せ、閑散期はSEOなどの仕込みに回す。この年間設計まで一緒に考えられる相手を選びましょう。
広告の管理画面で把握できるのは、基本的に問い合わせ件数までです。その問い合わせがゴキブリ駆除だったのか、シロアリ工事だったのかは、現場でなければ分かりません。
この情報を共有できなければ、本当に利益を生んでいるキャンペーンを判断できません。問い合わせ内容や受注状況の共有を求めてくる会社なら、広告費の消化だけでなく、事業の成果まで見ようとしていると考えてよいでしょう。
前章で解説した「害虫の種類ごとの設計」「季節変動に合わせた予算配分」「受注データまで見た運用」という3つの基準をもとに、害虫駆除の集客支援に対応している会社を3社紹介します。
なお、害虫駆除を対応業種として公式サイトに明記している支援会社は多くありません。だからこそ、単に「広告運用が得意」というだけで選ばず、害虫駆除という業態を理解したうえで集客設計を任せられるかを確認することが重要です。
| 会社名 | 費用感 | 特徴 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|---|
| StockSun株式会社 | 要問い合わせ | 広告・SEO・MEOそれぞれに専門のコンサルタントがつく | 何から着手すべきか整理できていない企業 |
| KAKETSUKE (株式会社コアテック) |
広告費の15% / LP制作20万円〜 | 害虫・害獣駆除を対応業種として公式に明示 | 立ち上げ期で広告費を抑えたい企業 |
| Zokujin合同会社 | 初期3か月は5% / 4か月目以降は20% | 電話コンバージョンの計測に強い | 問い合わせの質まで把握したい企業 |
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害虫駆除の集客を、「そもそも何から着手すべきか」という段階から相談できるのがStockSun株式会社です。各領域の専門人材が集まる組織で、広告運用・SEO・MEOなど、施策ごとに専門のコンサルタントが支援します。
強みは、エリアビジネスの支援経験を持つコンサルタントが在籍していること。この記事で解説してきた商圏設計や、シロアリ・ゴキブリ・ハチなど害虫の種類に応じたキャンペーン設計まで踏み込んで提案できます。
単発の広告改善にとどまらず、需要期には広告予算を増やし、閑散期にはSEOなどの仕込みに回すといった、年間を通じた集客設計も可能です。
何から手をつけるべきか整理できていない企業や、季節によって売上が大きく変動する状態を改善したい企業におすすめ。広告だけでなく、SEOやサイト構造まで含めて集客全体を見直したい場合にも向いています。
| 費用感 | 要問い合わせ |
| 対応範囲 | Web集客コンサルティング・Web広告運用・SEO対策・MEO対策・CRO/LPO |
| 実績 | 550社以上の支援実績。エリアビジネス専門のコンサルタントが在籍 |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿3丁目8番3号 新都心丸善ビル7階 |
| 公式HP | https://stock-sun.com/ |
害虫駆除の集客を支援する会社のなかで、対応業種として「害虫・害獣駆除」を公式に明示しているのがKAKETSUKEです。
特徴は、駆けつけ型サービスに共通する集客の型を持っていること。水道トラブル・不用品回収・遺品整理・鍵の交換修理といった業種を横断して支援しているため、緊急対応特有のキーワード設計や電話中心の導線に慣れています。広告運用だけでなく、Webサイト制作・SEO対策・MEO対策まで一社で対応できます。
運用手数料が広告費の15%と業界水準より抑えられているうえ、最低契約期間も広告予算の下限も設けていません。広告費を大きくかけられない立ち上げ期の企業や、まず小さく試してから継続を判断したい企業が相談しやすい体制です。
| 費用感 | 運用手数料は広告費の15%(予算規模に応じて割引)/LP制作20万円〜/最低契約期間・広告予算の下限なし |
| 対応範囲 | リスティング広告・SNS広告・DSP広告の運用代行・Webサイト制作・SEO対策・MEO対策 |
| 実績 | 水道トラブル・不用品回収・害虫害獣駆除・遺品整理などを対応業種として明示 |
| 所在地 | 東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー14F |
| 公式HP | https://kaketsuke-service.jp/ |
Zokujin合同会社は、生活トラブルや駆けつけ型サービスの広告運用を得意とする会社です。2020年に設立され、害虫駆除・害獣駆除をはじめ、水道修理や鍵開け、遺品整理など、緊急性の高いサービスを幅広く支援しています。
特徴として挙げられるのが、電話コンバージョンを重視した広告運用。電話計測ツールや有効コンバージョンの分析ツールを無料で提供しており、問い合わせ件数だけでなく、有効な問い合わせまで把握できる仕組みを整えています。
対応業種には害虫駆除・害獣駆除のほか、ゴミ屋敷片付け、遺品整理、水道修理、鍵開けなどがあります。公式サイトでは初期3か月の手数料を5%としているため、比較的少ない負担から広告運用を試したい企業におすすめです。
| 費用感 | 初期3か月は広告費の5%、4か月目以降は20%/電話計測ツール・有効コンバージョン分析ツールは無料 |
| 対応範囲 | リスティング広告運用・LP制作(プランにより1枚無料)・電話コンバージョンの計測 |
| 実績 | ゴミ屋敷片付け業で有効コンバージョン単価を40%削減(7万円→4万円)、水道修理で入電単価8,000円(公式サイト掲載の事例) |
| 所在地 | 東京都福生市福生2499-4 まのーねビル301 |
| 公式HP | https://zokujin.com/ |
Googleビジネスプロフィールの整備と口コミの獲得から始めましょう。無料で着手できるうえ、緊急性の高い依頼を拾える土台になります。そのうえで、自社の主力になる害虫を1つ決めて、リスティング広告を試すのが進めやすい順序です。
エリアキーワードの場合、半年程度を目安に考えておくとよいでしょう。ページを公開してすぐに順位がつくわけではないため、繁忙期に間に合わせたいなら逆算して閑散期に着手します。すぐに問い合わせが必要な状況なら、SEOではなくリスティング広告が向いています。
建築物衛生法に基づく「ねずみ・昆虫等防除業」の登録制度があります。登録は行政庁に対して行い、有効期間は6年です。特定建築物の防除業務を受託する際の信頼の裏づけになるため、法人向けの営業を強化したい場合は取得を検討しましょう。詳しい要件は厚生労働省の案内と、事業所を置く自治体の窓口で確認してください。
入れてはいけません。Googleのガイドラインは、ビジネス名を実際に使っている正式名称にすることを求めており、地域情報やキーワードを加えることを禁じています。違反するとビジネスプロフィールが停止される可能性があります。「エリア名を入れると上位に出やすい」という情報を見かけることがありますが、リスクに見合いません。
法人契約と予防施工の2つで埋めるのが基本です。飲食店の定期防除やマンション管理会社との契約は季節に左右されにくく、閑散期の売上の柱になります。あわせて、既存のお客様へ次の繁忙期前の予防施工を案内しておくと、需要を前倒しできます。
単価の高いサービスをどれだけ扱えるかで、経営の安定度が大きく変わります。ゴキブリ駆除のような低単価の依頼だけでは、移動時間の原価に利益を圧迫されます。
シロアリ工事や法人との定期契約といった高単価・継続型の売上をどれだけ組み込めるかが、年収を含めた収益性を左右します。まずは自社が扱うサービスごとに、1件あたりいくら残っているのかを試算するところから始めてください。
開業直後は、Googleビジネスプロフィールの登録とマッチングサイトへの登録を並行して進めるのが現実的です。マッチングサイトは価格競争になりやすい一方、実績と口コミがない立ち上げ期には貴重な受注経路になります。
そこで現場を回しながら口コミを蓄積し、同時に自社サイトのエリアページを作り始めます。独立から半年ほどで自社経由の問い合わせが立ち上がると、マッチングサイトへの依存度を下げていけます。
サービスの単価によって変えます。低単価のサービスは移動時間が利益を圧迫するため、車で15分程度の範囲に絞るのが基本です。逆にシロアリ工事のような高単価のサービスは、30分以上に広げても採算が合います。距離ではなく移動時間で線を引き、サービスごとに配信エリアを分けて設定してください。
いま困っているユーザーを取りたいなら、優先すべきはWeb広告です。害虫駆除は緊急性が高く、検索から依頼までの時間が短いためです。チラシは、シロアリ予防のように「まだ困っていない層」に先回りしたい場合に効果を発揮します。目的が違う施策なので、どちらが優れているかではなく、狙う層で使い分けます。
害虫駆除の集客で重要なのは、広告費を増やすことではなく、害虫ごとの需要期・単価・商圏を踏まえて、集客の仕組みを設計することです。Googleビジネスプロフィールや口コミで土台を作り、主力の害虫に合わせて広告を配信する。そのうえで、ローカルSEOや法人営業などを組み合わせ、繁忙期と閑散期の差を小さくしていくことが、安定した売上につながります。
一方で、「どの害虫から広告を出すべきか」「商圏をどこまで広げるべきか」「SEOと広告のどちらを優先すべきか」といった判断には、自社の受注データや利益率を踏まえた設計が必要です。
StockSunでは、広告・SEO・MEOなど個別の施策だけでなく、害虫駆除の商圏や季節変動を踏まえた集客全体の設計からご相談いただけます。何から着手すべきか整理できていない段階でも構いません。集客の優先順位を明確にし、売上を安定させるための施策を一緒に考えていきましょう。
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StockSun認定パートナー 堀 碩信
「集客がうまくいかない」とご相談をいただくとき、原因が広告の設定ではなく、その手前の前提整理にあることは珍しくありません。季節・単価・客層の3つがバラバラな依頼を、ひとつの広告でまとめて取りにいこうとしていないか。ここを分けるだけで、同じ予算でも結果が変わります。まずは自社がどの害虫でいくら稼いでいるのかを並べてみましょう。