クリニックのMEO対策を完全解説。集患に繋げる基礎知識と8つの施策

「新規患者の獲得がなかなか難しい」

「オンラインでの存在感を高めたいけど、何から始めればいいかわからない」

このような悩みを抱えているクリニック経営者や管理者の方は多いのではないでしょうか。

近年はスマートフォンの普及に伴い、多くの人がGoogleマップを使って近くのクリニックを探すようになりました。

そのために重要度が高まっている施策がMEO（Map Engine Optimization）対策です。

そこで本記事では、MEO対策の基礎知識から具体的な施策まで、わかりやすく解説します。

クリニックのMEO対策とは

出典：Google

MEOとはMap Engine Optimizationの略で、Googleマップでの検索結果の上位表示を目指す施策のことです。

皆さんも一度はスマートフォンで近所の病院やお店を探したことがあるでしょう。

検索すると、Googleマップの施設やビジネスの情報が表示されます。

MEO対策の目的は、単純にこの検索結果の表示順位を上げる、あるいは上位をキープすることだけではありません。

重要なのは、クリニックの写真や口コミを見てもらったり、そこから電話をかけてもらったりするなど、患者の行動（アクション）を増やすことです。

こういったアクションを増やし、最終的には実際の来院、そして売上・利益の向上に繋げることがMEO対策の本当の目的です。

Googleビジネスプロフィールとは

MEO対策の中心となるのが、Googleビジネスプロフィールという無料のツールです。

以前はGoogleマイビジネスと呼ばれていました。

オーナー権限を得てGoogleビジネスプロフィールを使うと、クリニックの基本情報や写真、口コミの返信などを一元管理できます。

ただし、Googleビジネスプロフィールはオーナーが好き勝手に情報を掲載して良いツールではありません。

あくまでもオーナーとGoogle、そしてユーザーの3者で作り上げるものだと念頭に置いておきましょう。

クリニックのMEO対策が重要な5つの理由

現代の医療マーケティングにおいて、MEO対策はもはや避けて通れない重要な施策となっています。

しかし具体的に、なぜクリニックにとってMEO対策が重要なのでしょうか？

ここではその5つの理由を解説します。

検索から集患に繋がるため

MEO対策が重要な理由のひとつは、ユーザーの検索行動が直接的に集患に繋がりやすいことです。

近年スマートフォンの普及率は2023年で96.3%に達し、60代の保有率も約8割と高くなりました。

さらに地図アプリの利用順位を見てみると、Googleマップが81%のシェアを占めています。

つまり年齢を問わず、多くの人がスマートフォンを通じて情報を得ており、大多数がクリニックなどのスポットを探す際にGoogleマップを利用しているのです。

また、ユーザーはWebでクリニックを探す際に、検索ワードとともに地名を入れて検索をします。

これをローカル検索といい、この検索結果は通常の検索結果よりも上に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすいという点も大きな特徴です。

音声検索の重要性が高まりつつあるため

音声アシスタントを利用してインターネット上の情報を検索する「音声検索」の重要性にも目を向ける必要があります。

音声検索は入力スピードが速く、ローカルな情報を探すケースが非常に多いという特徴があります。

つまりMEO対策と親和性が高いのです。

その一方で、日本人の普及率は高いとはいえません。

ただしその分、今後の成長が期待される分野でもあります。

今のうちから音声検索を意識したMEO対策を始めることで、将来的な患者とのコミュニケーションチャネルを確保し、集患に繋げられるでしょう。

早く始めるほど有利なため

MEO対策は早く始めるほど大きなメリットがあります。

まずMEO対策がうまくいくと、より多くの患者にクリニックを見つけてもらえるようになるでしょう。

すると来院数が増加し、実際に診療を受けた方の口コミ数が増えていきます。

その結果、クリニックは検索結果でさらに上位表示されやすくなるのです。

このような好循環が循環が確立されると、Googleビジネスプロフィールが長期的な集患ツールとなります。

他の集患施策の効果アップに繋がるため

MEO対策は、他の集患施策とも相乗効果を発揮します。

例えば、道路脇に設置したクリニックの看板広告を見た人がいるとしましょう。

その人がクリニックに行きたいと思ったら、GoogleやGoogleマップで検索をするはずです。

そのとき適切にMEO対策ができていれば、ホームページを見る前にGoogleビジネスプロフィールが目立つ位置に表示されます。

クリニックの情報が目に留まりやすくなる分、ユーザーが実際に足を運んでくれる可能性は高まるでしょう。

MEO対策は、看板広告だけでなくホームページのSEO対策などさまざまな施策の効果を高めます。

Googleビジネスプロフィールは無料で利用できるため、コストをかけずに効果的なマーケティングが可能となるのです。

採用コストの削減など副次的なメリットも多数

MEO対策には、直接的な集患効果以外にも多くのメリットがあります。

例えば採用コストの削減です。

Googleビジネスプロフィールに掲載された良質な口コミは求職者の目にも留まります。

クリニックの評判が良ければ、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

クリニックに寄せられた良い口コミは、スタッフのモチベーションを上げたり、融資を受ける際のプラス要因になったりすることもあります。

クリニックのMEOにおける順位づけの基準は3つ

MEOの順位付けを決める基準には、コントロールできるものとできないものがあります。

効果的な対策を行うためには、コントロール可能な要素に注力するようにしましょう。

Googleが公式に発表している主な順位付けの基準は以下の3つです。

1. 知名度

2. 関連性

3. 距離

ここでそれぞれ詳しく紹介します。

知名度

知名度とは、そのクリニックがオンライン上でどれだけ有名であるか、また地域でどれだけ認知されているかを指します。

知名度に影響を与えるのは以下のような要素です。

• Googleでの検索回数
• オンラインでのレビュー数と評価
• ウェブサイトの被リンク数
• 地域のディレクトリサイトへの掲載状況
• 地域イベントへの参加や地域貢献活動　など

関連性

関連性とは、ユーザーの検索キーワードとクリニックの情報がどれだけマッチしているかを示すものです。

以下の要素が関連性に影響を与えます。

• ビジネスカテゴリーの適切な設定
• ビジネス名、説明文、投稿内容でのキーワードの適切な使用
• 提供サービスの詳細な記述
• ウェブサイトの内容とGoogleマイビジネスの情報の一致

距離

距離とは、ユーザーの現在地や指定した地点からクリニックまでの物理的な距離を指します。

この要因をクリニック側でコントロールすることは非常に困難です。

ただし以下の情報を整えることで、より正確に検索してもらえる可能性が高まります。

• クリニックの所在地情報の正確さ
• サービスの提供可能なエリアの適切な設定（訪問診療を行っている場合など）
• 複数の支店がある場合、それぞれの位置情報の適切な管理

クリニックの集患に繋がるMEO対策の基本戦略

MEO対策を効果的に行うには具体的な施策に入る前に、以下の2つの視点を念頭に置いておくことが重要です。

1. Google検索対策
2. 来院促進

2つの視点をバランスよく考慮することで、単なる表示順位の向上だけでなく、実際の集患に繋がる戦略的な対策が可能になります。

具体的なMEO対策を実施する際は、2つの視点のうちどちらに該当するのかを考えて行動しましょう。

Google検索対策

MEO対策をする際に必要な視点のひとつが「Google検索対策」です。

Google検索対策とは、マーケティングステップの中でも認知・興味・関心に対応することです。

多様なキーワード対策で関連性を高めたり、様々な場面で検索結果に表示されるようにしたりすることで、潜在的な患者に知ってもらえるようになります。

来院促進対策

来院促進対策とは、マーケティングステップの中でも評価や行動のステップに対応することです。

魅力的な情報を提供して具体的なアクションを促したり、クリニックの特徴や強みを分かりやすく発信したりする施策が該当します。

単に検索結果に表示されるだけでなく、患者に「このクリニックに行ってみたい」と思わせる情報を提供することが重要です。

クリニックのMEO対策で実施すべき8つの施策

効果的なMEO対策を行うには、具体的かつ戦略的な施策の実施が不可欠です。

実際にどのような施策があるのか気になっている方もいるでしょう。

ここからは、クリニックのMEO対策において特に重要な8つの施策をご紹介します。

Googleビジネスプロフィールを正確かつ最新の情報にする

Googleビジネスプロフィールに正確で最新の情報を載せることは、MEO対策の基本中の基本です。

特に重要なのが「NAP-H情報」と呼ばれる部分です。

• Name（名称）：クリニック名
• Address（住所）
• Phone（電話番号）
• Hours（診療時間）

NAP-H情報を整えると、患者に信頼され、検索結果でも上位に表示されやすくなります。

正確かつ分かりやすく掲載しましょう。

クリニック特有の悩みに「医療法人名をどう扱うか」という問題があります。

例えば「医療法人社団〇〇会 △△クリニック」と「△△クリニック」というどちらの名称を使うべきか迷うことがあるでしょう。

基本的には、Googleビジネスプロフィール、自院のホームページ、各種医療ポータルサイトなど、インターネット上の全ての場所で同じ表記を使うようにしてください。

すでに世間に広まっている表記がある場合は、それに合わせて表記しましょう。

ただし検索エンジン対策としての名称変更はGoogleの規約違反になりますので控えましょう。

どちらの表記を選ぶべきか迷った場合は、専門家に相談するのもおすすめです。

投稿機能を活用して定期的に情報を更新する

Googleビジネスプロフィールには、クリニックの最新情報を発信できる「投稿機能」があります。

投稿機能とは短い記事や画像などを掲載できる機能です。

この機能を活用すると、潜在的な患者に向けて魅力的な情報を定期的に発信できます。

投稿内容はSNSのような日常的な内容ではなく、患者にとって本当に役立つ情報にしましょう。

投稿にはボタンなどのインタラクティブ要素を追加できるので「詳しくはこちら」や「予約する」といったボタンを設置し、患者の行動を促すこともできます。

口コミを増やす

口コミは潜在的な患者の判断材料になるため非常に重要な要素です。

クリニックの信頼性が高まり、新規患者の獲得に繋がります。

以下のような方法で口コミを増やしましょう。

• 来院された患者に直接口コミの協力をお願いする
• 待合室や受付にQRコードを用意し、口コミ投稿を簡単にできるようにする
• 医師だけでなく、受付スタッフや看護師など、患者と接するスタッフ全員で取り組む

口コミを管理する

口コミに関する対策は前述の増やす施策と、ここで解説する管理する施策の2つがあります。

患者の信頼を得るには、口コミ評価は星4.0以上を目指しましょう。

また星1がついたからといって、すぐに検索順位が下落するわけではありません。

基本的に良い評価も悪い評価も、すべての口コミに対して丁寧に返信するようにしましょう。

定期的に低評価が付く場合は、クリニックの運営体制などに根本的な問題があるかもしれません。

このようなときはサービスの質や患者対応など、クリニックの運営全体の見直しも検討しましょう。

サービスや診療メニューを登録する

Googleビジネスプロフィールには、商品やサービスを登録できる便利な機能があります。

クリニックの場合、この機能を活用して診療メニューや特徴的なサービスを登録することで、潜在的な患者に詳細な情報を提供できます。

例えば以下のような情報を登録しましょう。

• 一般診療
• 予防接種
• 健康診断
• 専門外来（糖尿病外来、禁煙外来など）
• オンライン診療　など

集患に繋がる写真を登録する

視覚的な情報は、潜在的な患者の印象形成に大きな影響を与えます。

MEO対策を通してクリニックの魅力を効果的に伝えるには、Googleビジネスプロフィールに適切な写真を登録しましょう。

例えば以下のような写真がおすすめです。

• クリニックの外観
• 待合室や診察室などの内観
• 医療機器
• スタッフの笑顔
• 院長先生の診察風景　など

キーワードの適切な入れ込みを心がける

MEO対策を効果的に行うには適切なキーワード戦略も重要です。

まずはどのようなキーワードで上位表示を狙うのか、また、どのキーワードで集患効果が得られそうかを予測しましょう。

選定したキーワードは以下の箇所に自然な形で取り込みます。

• クリニックの説明文
• 投稿内容
• サービス・診療メニューの説明
• 口コミへの返信

Google はユーザー体験を重視しているため、過度なキーワード詰め込みはかえってペナルティの対象となる可能性があるため、不自然に詰め込むことは避けましょう。

定期的にMEO対策の効果を測定・分析する

MEO対策は一度行えば終わりではありません。

効果を最大化し継続的な改善を図るためには、定期的な測定と分析を行いましょう。

Googleビジネスプロフィールには「パフォーマンス」というインサイト機能があり、以下のようなデータを確認できます。

• 閲覧したユーザー数
• 検索ワードと検索数
• ユーザーがとった行動（電話、ウェブサイト訪問、予約など）の数　など

インサイト機能を活用すればMEO対策の効果を具体的に把握できます。

例えば閲覧者数の増減やよく使われる検索ワードの変化を見ると、対策の効果や患者のニーズの変化を理解できるでしょう。

予約数やメッセージ数の変化は、実際の集患に繋がっているかを確認する指標となります。

選定したキーワードの順位変動とともにインサイトを活用し、測定と分析を定期的に実施して情報の更新や新しい対策に活かしましょう。

クリニックでMEO対策を行う際の注意点

クリニックのMEO対策は効果的な集患方法ですが、実施する際には注意点があります。

GoogleのガイドラインやMEO対策特有の注意点、さらに医療機関特有の広告規制など、守るべきルールがあるためです。

ここでクリニックがMEO対策を行う際の主な注意点を確認しましょう。

Googleのガイドラインに沿った対策をする

GoogleのガイドラインとはGoogleが定める、ウェブサイトやビジネス情報の掲載に関する指針です。

詳しい内容はGoogle ビジネス プロフィール ヘルプセンターで確認できます。

検索結果で安定した表示を維持するだけでなく、ペナルティによる表示順位の急落を避けるためにもGoogleのガイドラインの遵守は欠かせません。

医療広告ガイドラインを遵守する

医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が定める医療機関の広告に関する規制指針です。

MEO対策も対象となるためこれらの規制を遵守しながら情報発信しましょう。

医療広告ガイドラインを守らないと、6ヶ月以下の懲役や30万円以下の罰金などの罰則の対象となる可能性があります。

▼ 医療広告ガイドラインの具体例

• 「絶対に安全な手術です」という表現は虚偽広告にあたり禁止
• 「満足度98%」など、根拠の明示がない数値の使用は誇大広告として禁止
• 治療前後の写真を詳しい説明なしに掲載することは禁止
• 「○○病院より優れた治療法」など、他院との比較表現は禁止

参照：厚生労働省「医療広告ガイドライン」

患者へ正確で誤解のない情報を提供し、適切な医療選択を支援する姿勢でMEO対策をすることが重要です。

低評価や星のみの口コミにも返信をする

低評価の口コミはもちろん、星のみの口コミにも丁寧に返信することは、MEO対策で非常に重要です。

丁寧な対応によりクリニックの誠実な姿勢をアピールできる上、潜在的な患者の不安を解消することに繋がるためです。

Googleに対してアクティブな運用をしていることをアピールする効果もあります。

まとめ

MEO対策は、クリニックの集患力を高める上で非常に重要な施策です。

本記事で紹介した基本の戦略と8つの施策を着実に実践すれば、Googleマップでの表示順位向上と実際の来院数増加に繋がるでしょう。

ただし、MEO対策は一朝一夕で結果が出るものではありません。

継続的な取り組みと、定期的な効果測定・改善が重要です。

Googleのガイドラインや医療広告ガイドラインも遵守しつつ、患者が足を運びたくなるクリニックを目指してMEO対策をしていきましょう。

StockSun株式会社では、クリニック向けのMEO対策支援サービスを提供しています。

無料相談も実施していますのでお気軽にお問い合わせください。

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