「パーソナルジムを開業したのに、お客さんが全然来ない」「SNS広告やリスティング広告を回しているけれど、思ったような成果が出ない」。そんな悩みを抱えていませんか。
実は、パーソナルジムの集客において見落とされがちなのが「看板」の活用です。Web施策に注力するあまり、足元のオフライン施策を疎かにしている経営者は少なくありません。特にマンションの一室やビルの2階以上に出店しているパーソナルジムでは、そもそも近隣住民に存在自体を知られていないケースが多いのです。
看板は、一度設置すれば月額コストをかけずに継続的な認知度向上が見込める、費用対効果の高い集客手段です。さらにMEOやSNSと組み合わせることで、看板を起点とした集客導線を構築できます。
この記事では、パーソナルジムに最適な看板の種類・費用相場・デザインのコツから、デジタル施策との連携方法まで、店舗集客の専門家の視点で詳しく解説します。
目次

パーソナルジムは大手フィットネスクラブと異なり、小規模な店舗で運営されることが大半です。そのため、看板によるオフライン集客が特に重要な意味を持ちます。ここでは、パーソナルジムに看板が欠かせない3つの理由を解説します。
パーソナルジムの多くは、マンションの一室やビルの2階以上に出店しているのが現状です。J-Net21「フィットネスジム/パーソナルトレーニング」でも報告されている通り、パーソナルトレーニングの市場は拡大傾向にあり、小規模店舗の新規参入が年々増加しています。
しかし、路面店でないパーソナルジムには致命的な弱点があります。「近所に住んでいるのに、ジムの存在を全く知らなかった」という状況が発生しやすいのです。
建物の1階エントランスやビルの外壁、窓ガラスに看板を設置するだけで、この認知度の問題を大きく改善できます。毎日そのビルの前を通る通勤者や買い物客に対して、パーソナルジムの存在を自然に刷り込むことができるのです。
特に2階以上に店舗を構えているケースでは、1階部分にスタンド看板やのぼり旗を設置することで、通行人に「ここにパーソナルジムがある」と気づいてもらえます。看板は24時間365日、無人で集客活動を続ける営業マンのような存在です。
パーソナルジムの集客方法としてリスティング広告やSNS広告が主流になっていますが、Web広告だけに依存する経営はリスクがあります。広告費を止めた瞬間に集客がゼロになる「広告依存体質」に陥りやすいためです。
看板を含むオフライン施策を組み合わせることで、Web広告が停止した場合にも一定の集客が見込める安定した集客基盤をつくれます。
看板の最大のメリットは、初期費用だけで月額コストがほぼかからない点です。Web広告のようにクリックごとに課金されることもなければ、広告予算を毎月確保する必要もありません。スタンド看板なら1万円台から導入でき、一度設置すれば数年間にわたって継続的に効果を発揮します。
さらに、看板は地域密着型のパーソナルジムと相性が良い施策でもあります。パーソナルジムの商圏は店舗から半径1〜3km程度であり、看板はまさにその範囲にいる潜在顧客にアプローチできるツールです。徒歩や自転車で通りかかる人、車で前を通過する人に直接リーチできるため、Web広告では届きにくい層にもアプローチが可能です。
看板の集客効果については、業界内でさまざまなデータが蓄積されています。例えば、矢印付き看板は通常の看板に比べて集客率が高い傾向にあり、角度や動きをつけた矢印を採用することで、さらに視認効果が高まるとされています。
また、パーソナルジムのオフライン集客において、ポスティングやティッシュ配りでの新規1来店あたりのCPA(顧客獲得単価)は一般的に高額になりがちです。看板は初期費用のみで継続的に認知度を高められるため、長期的に見るとCPAを大幅に下げることが可能です。
J-Net21「フィットネスクラブ(2025年版)」の調査によると、フィットネスクラブを「一度も利用したことがない」と回答した人は全体の61.0%にのぼります。つまり、潜在顧客は膨大に存在しており、看板を通じて「ここにパーソナルジムがある」と認知させるだけで、新たな顧客との接点が生まれる可能性があるのです。

パーソナルジムで活用できる看板にはさまざまな種類があります。立地や予算、ターゲット層に合わせて最適な看板を選ぶことが集客成功のカギです。ここでは、パーソナルジムにおすすめの看板を4つの種類に分けて解説します。
ウィンドウサインとは、窓ガラスにデザインシートを貼ることで看板として活用する方法です。パーソナルジムで最も人気のある看板と言っても過言ではありません。
ウィンドウサインがパーソナルジムに適している理由は大きく3つあります。
特にパーソナルジムでは、外からの視線を気にするお客様が多いため、窓ガラスにウィンドウサインを施すことで「目隠し」と「ブランディング」を同時に実現できるのが大きなメリットです。
トレーニングしている人の躍動感あるグラフィックを大きく配置すれば、通行人に「ここはフィットネス系の施設だ」と一目で伝わります。ウィンドウサインは、大型看板を新たに設置するよりもコストを抑えながら、高い広告効果が期待できる看板です。
スタンド看板(A型看板)は、折りたたみ式で置くだけで使える手軽な看板です。パーソナルジムの入口付近や、ビルの1階エントランスに設置するのに最適です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用目安 | 1万〜5万円(既製品〜オーダーメイド) |
| 設置場所 | 店舗入口、ビル1Fエントランス、通行者の多い場所 |
| メリット | 低コスト、即日導入、営業時間だけ出せる、内容を変更しやすい |
| デメリット | 風に弱い、夜間は見えにくい、大きな視認性は期待しにくい |
スタンド看板の特長は、日々の情報更新ができる点です。「体験レッスン受付中」「今月のキャンペーン」など、時期に合わせたメッセージをホワイトボードタイプや差し替え式で手軽に発信できます。
実際の事例として、パーソナルトレーニングジムで黒ベースに白文字のモノトーンデザインを採用したA型看板が、洗練されたブランドイメージの訴求に成功しています。スタンド看板は「まず手軽に始めたい」という経営者に最もおすすめの看板です。
ファサード看板(壁面看板)は、建物の外壁に直接設置する看板です。ステンレス切文字や箱文字、アルミ複合板など、素材によって印象が大きく変わります。
ファサード看板は一度設置すれば10年以上使えるものが多く、長期的な投資として考えるとコストパフォーマンスに優れています。特に高価格帯のパーソナルジムでは、看板の素材感やデザインがそのままブランドイメージに直結します。「安っぽい看板」は高額サービスとの整合性を損ない、逆効果になりかねないため、素材選びは慎重に行いましょう。
のぼり旗は、風になびく視覚効果で遠方からでも目に留まりやすい看板です。費用が数千円〜1万円程度と最も安価なため、複数本設置して注目度を高めることもできます。
のぼり旗がパーソナルジムに適している場面は以下の通りです。
一方で、のぼり旗には「ブランドイメージがカジュアルになりやすい」というデメリットもあります。高級路線のパーソナルジムでは、のぼり旗よりもファサード看板やウィンドウサインの方が適しています。立地とブランドイメージに合わせて使い分けることが重要です。

どんなに高価な看板を設置しても、デザインが悪ければ集客効果は発揮されません。ここでは、パーソナルジムの看板デザインで押さえるべき5つのポイントを解説します。
看板デザインの第一歩は、ターゲット層を明確にすることです。パーソナルジムは「誰でも来てください」ではなく、ターゲットを絞り込むほど集客効果が高まります。
| ターゲット | 推奨デザイン | 書体 | カラー例 |
|---|---|---|---|
| ダイエット目的の女性 | 柔らかいグラフィック、女性モデル写真 | 明朝体(繊細・優雅) | パステルカラー、ピンク系 |
| ボディメイク目的の男性 | 力強いグラフィック、筋トレイメージ | ゴシック体(力強さ) | 黒+金、ネイビー+白 |
| シニア層の健康維持 | 安心感のあるイラスト、笑顔の写真 | 丸ゴシック体(親しみやすさ) | 緑+白、ブルー系 |
| アスリート向け | スポーティなグラフィック、動的イメージ | サンセリフ体(モダン) | 赤+黒、オレンジ系 |
名古屋市のパーソナルジム「GRAND GYM」の事例では、「ダイエット&ボディメイク専門」という専門性を明朝体で表現し、ターゲットである女性のビジュアルを使用した看板を設置して、ターゲット層への訴求に成功しています。書体とビジュアルの組み合わせだけで、看板の印象は大きく変わるのです。
看板を見る人は、歩きながら・車で通過しながら一瞬だけ視線を向けます。その「3秒」で伝わる情報設計が不可欠です。
看板に載せる情報の優先順位は以下の通りです。
ありがちな失敗は、メニューや料金、トレーナー紹介など情報を詰め込みすぎることです。看板はあくまで「興味を持ってもらうきっかけ」であり、詳細情報はHPやSNSに誘導する設計にしましょう。QRコードを看板に入れておけば、スマートフォンですぐにHPへアクセスしてもらえます。
色の選び方は看板の印象を決定づけます。パーソナルジムのブランドイメージに合ったカラーを選ぶことで、看板全体の統一感が生まれ、信頼性も向上します。
看板のカラー選定で注意すべきポイントは、以下の3点です。
看板の素材感もブランドイメージに影響を与えるポイントです。マットな質感のアルミ複合板は落ち着いた印象を演出し、光沢のあるアクリル素材はモダンな印象を与えます。素材選びまで含めてトータルでデザインを考えることが、ブランド力のある看板づくりにつながるでしょう。
「看板を作りたいけれど、費用が気になる」というパーソナルジム経営者は多いでしょう。ここでは、看板の種類別費用相場と、費用を大幅に抑えられる補助金制度について解説します。
パーソナルジムで使用される主な看板の費用相場は以下の通りです。
| 看板の種類 | 費用目安 | 耐用年数 | おすすめ度 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ウィンドウサイン | 1万〜10万円 | 3〜5年 | ★★★★★ | ジムに最も人気 |
| スタンド看板(A型) | 1万〜5万円 | 2〜5年 | ★★★★☆ | 手軽に始められる |
| ファサード看板(壁面) | 4万〜35万円 | 5〜10年以上 | ★★★★☆ | 高級感を演出 |
| のぼり旗 | 数千円〜1万円 | 半年〜1年 | ★★★☆☆ | 短期キャンペーン向き |
| ステンレス切文字 | 5万〜20万円 | 10年以上 | ★★★★☆ | 上質なブランド表現 |
| 電飾看板 | 15万円〜 | 5〜10年 | ★★★☆☆ | 夜間営業に効果的 |
費用には看板本体の製作費のほか、デザイン費(1万〜5万円程度)と施工費(設置工事費)が別途かかる場合があります。ウィンドウサインのように自分で貼れるものから、ファサード看板のように専門業者による施工が必要なものまで、施工方法も種類によって異なります。
パーソナルジムの開業時であれば、まずウィンドウサインとスタンド看板を組み合わせるのがコストパフォーマンスに優れた選択です。両方合わせても2万〜15万円程度で導入でき、目隠し効果・ブランディング・情報発信を一度にカバーできます。
パーソナルジムの看板制作費用は、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」を活用することで大幅に抑えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 通常枠50万円(特例活用で最大250万円) |
| 補助率 | 経費の2/3 |
| 対象経費 | 看板制作費、チラシ・パンフレット、HP改修、Web広告など |
| 申請先 | 地域の商工会・商工会議所 |
この補助金を活用した場合の具体的な費用シミュレーションは以下の通りです。
看板だけでなく、チラシやHP制作費なども合わせて申請できるため、開業時やリニューアル時にまとめて活用するのが効果的です。申請には経営計画書の作成が必要ですが、商工会議所のサポートを受けながら進められます。中小企業庁「事例から学ぶ持続化補助金」も参考にしてください。
看板は単体でも効果がありますが、デジタル施策と組み合わせることで集客効果を大きく高められます。ここでは、看板を起点としたデジタル連携の具体的な方法を解説します。
パーソナルジムの集客において、看板からの顧客動線を意識することが重要です。現代の消費者は、看板でジムの存在を知った後、すぐにスマートフォンでジム名を検索します。
この「看板→検索→来店」の流れを最大限に活かすための導線設計を解説します。
ステップ1: 看板でジム名と特徴を認知させる
看板にはジム名を大きく記載し、「パーソナルジム」であることが一目で分かるデザインにします。さらに「体験無料」「完全個室」などの特徴を1つだけ入れて、興味を引くフックをつくります。
ステップ2: Googleマップ検索に対応する(MEO対策)
看板を見た人がスマートフォンで「パーソナルジム 近く」と検索したときに、Googleマップで上位表示されていなければ集客機会を逃してしまいます。Googleビジネスプロフィールの以下の項目を整備しておきましょう。
ステップ3: HPで詳細情報を提供し、体験予約につなげる
Googleマップやジム名検索からHPにアクセスした人に対して、トレーナー紹介・料金プラン・お客様の声・体験予約フォームなどの詳細情報を提供します。看板→Googleマップ→HPという動線がスムーズにつながることで、コンバージョン率が大きく向上します。
看板とデジタル施策の連動は、MEO対策だけにとどまりません。SNSを組み合わせることで、さらに大きな相乗効果が生まれます。
看板にQRコードを掲載する
スタンド看板やウィンドウサインにInstagramやLINE公式アカウントのQRコードを入れておくと、通りかかった人にその場でフォローしてもらえます。QRコード経由のフォロワーは「近所に住んでいる」可能性が高く、来店につながりやすい質の高いフォロワーです。
SNSでジムの雰囲気を発信する
看板で「知ってもらった」後、SNSで「どんなジムなのか」を具体的に伝えることで、体験予約への心理的ハードルを下げられます。トレーニング風景、施設の様子、トレーナーの人柄が伝わる投稿を定期的に発信しましょう。
口コミの連鎖を起こす
看板で認知→SNSで関心→体験で満足→口コミ投稿→新たな認知、というサイクルが回り始めれば、広告費をかけずに持続的な集客が実現します。看板はこのサイクルの「入口」として機能するのです。
看板を設置したのに集客効果が出ない場合、以下のような失敗パターンに陥っている可能性があります。よくある落とし穴と対策を確認しましょう。
最も多い失敗が、看板に情報を詰め込みすぎるケースです。メニュー・料金・営業時間・トレーナー紹介・キャンペーン情報など、伝えたいことが多すぎて結局何も伝わらない看板になってしまいます。
看板は「広告の入口」であり、全ての情報を伝える媒体ではありません。看板の役割は「興味を持ってもらうこと」に絞り、詳細情報はHP・SNS・チラシに任せるのが正解です。
改善策: 看板に載せる情報を3つ以内に絞る(ジム名・業種・フック1つ)。詳細はQRコードで誘導する。
ダイエット目的の30代女性がターゲットなのに、黒と金のゴリゴリした男性的なデザインの看板を設置してしまう。あるいは、高級パーソナルジムなのに安っぽいプリント看板を使ってしまう。こうしたターゲットとデザインのミスマッチは、看板の集客効果を大きく損ないます。
改善策: 看板を作る前に「誰に来てほしいのか」を明確にし、そのターゲットが好む色・書体・ビジュアルをリサーチする。ターゲット層の知人や友人に看板デザインの印象を聞いてみるのも有効です。
せっかく良い看板を作っても、設置場所が悪ければ見てもらえません。通行者の動線から外れた場所や、他のテナントの看板に埋もれてしまう場所に設置してしまうケースがあります。
改善策: 看板を設置する前に、実際にその場所を通る人の目線で確認する。以下の3点をチェックしましょう。
建物のオーナーや管理会社に確認し、最も人通りの多い場所に設置する交渉を行うことも大切です。路面に近い場所に設置できない場合は、突き出し看板(建物から飛び出すタイプの看板)を検討するのも一つの方法です。
パーソナルジムの看板は、単なる「お店の名前を出すもの」ではありません。戦略的に設計・設置することで、集客力を大きく高める武器になります。
この記事のポイントを振り返ります。
しかし、看板は集客の手段の一つにすぎません。本当に集客を成功させるためには、事業全体の設計(モデリング)に基づいて、看板・チラシ・MEO・SNS・Web広告など、最適な集客チャネルを組み合わせた戦略が必要です。