営業目標を達成したいと思っても、「どこに改善ポイントがあるのか分からない」「成果が数字で見えない」と悩む方は多いでしょう。
そんな課題を解決するカギとなるのが、営業におけるKPIの設定です。KPIは営業活動の進捗や成果を数値化し、目標達成までの道筋を明確にする重要な指標です。
本記事では、KPIの基礎知識から具体的な指標例、設定のメリットや立て方、設計時のポイントまで体系的に解説します。
営業チーム全体で目標を共有し、効率よく成果を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
営業におけるKPI(重要業績評価指標)は、営業活動の成果を数値で測定し、目標達成までの進捗を管理するための基準です。売上など最終的な結果だけでなく、商談数や新規顧客獲得数といった過程も評価対象にすることで、成果が出るまでのプロセスを改善できます。
営業活動は結果が出るまでに時間がかかることが多いため、KPIを適切に設定することで、途中段階で課題を発見し、早期に改善できる点が大きな利点です。
また、営業担当者自身が具体的な行動目標を持てるため、日々の業務が明確になり、効率的な営業活動につながります。
営業活動においては、KPIだけでなくKGIやKFSも重要な考え方です。KPIは「重要業績評価指標」であり、数値を基に進捗や成果を測定するものです。一方、KGIは「重要目標達成指標」を指し、最終的に到達すべき目標そのものを示します。
そしてKFSは「重要成功要因」と呼ばれ、目標達成に不可欠な条件や行動を指します。つまり、KGSが最終ゴール、KFSがそのゴールを達成するための要因、KPIが進捗を数値で管理する指標という役割です。
これらを混同せず整理して活用することで、営業目標をより戦略的に達成できます。
営業活動では手法ごとに重視すべきKPIが異なります。適切な指標を設定することで、目標達成に向けた進捗を正しく把握し、改善策を講じることが可能です。ここでは営業手法別に、代表的なKPIの事例を紹介します。
営業の種類に合わせてKPIを設定することが、効率的な成果管理の第一歩です。
インサイドセールスでは、リードを商談につなげるまでの過程に焦点を当てたKPIが重視されます。代表的な指標として「架電数」「接続率」「有効会話数」「商談化率」などが挙げられます。
たとえば、1日あたりの架電数を50件、接続率を20%、商談化率を10%と設定すると、目標商談数を逆算して活動量を明確化できます。
また、メール配信やウェビナー誘導といったデジタル施策の反応率をKPIに組み込むことで、見込み顧客の関心度を定量的に把握できます。これにより、営業担当者は確度の高いリードに注力でき、効率的な商談創出が実現します。
ルート営業では、既存顧客との関係性を深め、継続取引や追加受注につなげる指標が重要です。代表的なKPIには「訪問件数」「提案数」「受注金額」「リピート率」などがあります。例えば、1カ月あたりの訪問件数を30件、既存顧客への提案件数を20件と設定すれば、行動量を数値で可視化できます。
また、受注金額やリピート率を追跡することで、単なる訪問回数だけでなく成果との相関も分析可能です。さらに、顧客満足度調査をKPIに組み込むことで、サービス品質の改善や解約防止にもつながります。
このように、ルート営業では顧客との長期的な信頼構築を数値化することが成果向上の鍵となります。
営業活動の中では、シーンごとに注目すべきKPIが異なります。顧客獲得から関係維持までの各段階で適切な指標を設定することで、成果を正しく評価し改善に役立てることが可能です。ここでは営業の主要なシーンごとに代表的なKPI事例を紹介します。
シーンに応じてKPIを細分化することで、営業プロセス全体の最適化が実現します。
見込み顧客の獲得段階では、新規リードの数や接点創出の量を把握するKPIが重要です。代表的な指標には「新規リード数」「問い合わせ件数」「資料請求数」「セミナー参加者数」などがあります。
例えば、1カ月で新規リードを200件獲得する目標を設定すれば、Web広告や展示会、紹介などの施策ごとに効果測定が可能です。また、リード獲得単価(CPL)をKPIに設定することで、費用対効果を数値で管理できます。
これにより、単にリード数を追うだけでなく、効率的に質の高い顧客を獲得する体制づくりにつなげられます。
見込み顧客の育成段階では、リードの関心度を高め、商談化につなげる指標が重視されます。代表的なKPIには「メール開封率」「クリック率」「ウェビナー参加率」「ホワイトペーパーのダウンロード数」などがあります。
例えば、メール開封率を30%、クリック率を5%と設定することで、情報提供の質を定量的に評価できます。また、スコアリングモデルを導入して、資料請求やイベント参加といった行動にポイントを付与する手法も有効です。
これにより、営業担当者は温度感の高いリードを優先的にフォローでき、効率的な商談化の流れを作り出せます。
受注段階では、商談から契約成立に至るまでの成果を測定する指標が重視されます。代表的なKPIには「商談数」「受注件数」「受注率」「平均受注単価」などがあります。例えば、商談数を月30件、受注率を20%と設定すれば、6件の成約を目標として逆算した営業活動が可能です。
また、受注単価をKPIに含めることで、単なる件数管理だけでなく売上への貢献度を明確化できます。さらに、提案から契約までのリードタイムを追跡することで、営業プロセスの効率性を改善する取り組みにもつながります。
このように受注に関するKPIは、最終的な売上成果を直接左右する重要な指標となります。
顧客との関係維持においては、継続的な取引やロイヤルティ向上を測定する指標が重要です。代表的なKPIには「継続率」「解約率」「アップセル・クロスセル件数」「顧客満足度(CSAT)」などがあります。例えば、継続率を90%以上に設定すれば、サービスの品質やサポート体制の改善点を把握できます。
また、定期的なアンケートでNPS(ネット・プロモーター・スコア)を測定することも有効です。これにより、顧客がどの程度自社を推奨してくれるかを把握し、改善活動につなげられます。
関係維持のKPIを設定することで、短期的な売上だけでなく、中長期的な顧客価値の最大化を実現できます。
営業で活用されるKPI指標には、以下のようなものがあります。これらは最終的な売上だけでなく、営業プロセス全体を細かく把握するために設定されます。
適切に組み合わせることで、どの段階に課題があるかを特定し、改善につなげることができます。ここでは代表的な指標を具体的に解説します。
新規顧客獲得数は、営業活動がどれだけ新しい取引先を開拓できているかを示す基本的な指標です。特に市場拡大や売上基盤の強化を目指す場合に重要視されます。
たとえば、月に10社の新規獲得を目標とし、達成度を定期的に確認することで営業手法の有効性を判断できます。また、この数値が低迷している場合は、ターゲット選定や商談アプローチの見直しが必要です。
商談数は、実際に顧客と提案や交渉を行った件数を指します。商談は成約への重要なステップであり、多ければ多いほど受注機会が増える傾向にあります。
たとえば、1人の営業担当者が週5件の商談を行う目標を設定し、達成率を確認する方法が一般的です。商談数が伸びない場合は、アポイント取得の方法や顧客へのアプローチ手段を改善する必要があります。
成約率は、商談から実際に契約や受注に至った割合を示す重要指標です。
たとえば、10件の商談中3件が成約した場合、成約率は30%となります。高い成約率を維持するには、提案内容の精度向上や顧客の課題に合わせた提案が必要です。成約率が低い場合、提案内容が顧客ニーズに合っていない可能性があり、トークスクリプトや資料の改善が求められます。
顧客単価は、1件あたりの取引金額を示す指標で、売上の質を把握する上で重要です。
たとえば、1件あたりの平均取引額が10万円から15万円に増加すれば、同じ商談数でも売上は大きく向上します。顧客単価を高めるには、アップセルやクロスセルの提案を強化することが有効です。
SQL(Sales Qualified Lead)は、成約の可能性が高い見込み顧客を指します。引き合いが多いほど、効率的に商談を進められる可能性が高まります。
たとえば、資料請求や問い合わせが一定数を超えた顧客をSQLとして分類し、優先的にアプローチすることで受注確度を上げられます。
受注数は、実際に契約が成立した件数を示す最終的な成果指標です。営業活動の最終ゴールに直結するため、KPIとして最も重視されることが多いです。
月間10件の受注を目標とした場合、進捗を毎週確認することで営業計画の見直しや人員配置の調整が可能になります。
訪問数は、顧客との対面接触回数を示す指標です。特にBtoB営業では、訪問回数が信頼関係構築に直結します。
たとえば、1人の営業担当が月30回訪問する目標を設定し、進捗管理を行うことで活動量の不足を早期に発見できます。
コール回数は、電話営業の実施件数を測る指標です。新規開拓型の営業では、コール数が多いほど商談機会の創出につながります。
1日50件のコールを目標とし、達成率を追跡する方法が一般的です。結果が伸びない場合は、リストの質やトーク内容を見直す必要があります。
顧客との関係維持は、既存顧客との信頼関係を長期的に保つための活動を評価する指標です。定期的なフォローやアフターフォローの件数などを数値化し、継続率やリピート率の向上を目指します。
たとえば、月に1回の定期訪問や半年に1回の利用状況確認を実施することで、解約防止や追加受注につながります。
営業活動においてKPIを設定することは、進捗管理だけでなく、チーム全体の効率や成果を高める重要な手段です。以下の4つのメリットを意識することで、より効果的に営業活動を進めることができます。
KPIを設定する最大のメリットは、営業活動の進捗や成果を数値で明確に把握できることです。たとえば「週10件の商談」という具体的な指標があれば、どの段階で計画とズレが生じているかが一目で分かります。
進捗が遅れていれば、原因を分析して改善策を講じやすくなり、目標達成に向けた行動修正が迅速に行えます。
KPIは、限られた時間とリソースを効率的に活用する指標としても有効です。たとえば、商談数や訪問数を基準に活動量を管理すれば、成果につながりにくい業務を減らし、優先度の高い顧客への時間配分を最適化できます。
結果として、少ない労力でより高い成果を得られる効率的な営業活動が実現します。
数値化されたKPIは、営業担当者にとって具体的な目標となり、達成への意欲を高めます。たとえば「今月は新規顧客5件獲得」という明確な目標があれば、達成時に自己評価が高まり、次の目標への挑戦意欲が湧きます。
達成度が数値で見えることで成功体験を積みやすく、継続的な成長にもつながります。
チーム全体で同じKPIを共有することで、方向性や優先順位が統一されます。たとえば「今月は商談数を20%増やす」という共通目標を設定すれば、全員が同じ基準で行動しやすくなり、情報共有や協力体制も強化されます。
これにより、チーム全体が一体となって目標達成に取り組む体制が整います。
営業で効果的に成果を上げるには、適切な手順でKPIを設計することが重要です。
以下の4ステップを順に実施することで、目標達成につながる実践的なKPIを設定できます。
まずは、営業活動の最終目標となるKGI(重要目標達成指標)を明確にします。たとえば「年間売上1億円」や「新規顧客50社獲得」といった具体的な数値を設定します。
KGIが明確であれば、そこに至るまでのプロセスを逆算して考えられるため、必要な行動量や改善ポイントを把握しやすくなります。
次に、営業プロセスを細かく分解して課題を可視化します。新規アプローチ、商談、提案、成約といった流れをステップごとに分け、どの段階で成果が止まっているかを把握します。
たとえば商談数が多くても成約率が低い場合、提案内容の改善が必要であると判断できます。
細分化したプロセスごとに、進捗を測る具体的なKPIを設定します。たとえば「1週間に20件のアポイント取得」や「成約率30%維持」など、行動や成果が数値化できるものを選びます。
営業担当者が実際にコントロールできる指標を選ぶことが、改善しやすいKPI設計のポイントです。
KPIは設定して終わりではなく、定期的な見直しが必要です。たとえば月ごとに進捗を確認し、達成が難しい場合は原因を分析して目標や方法を修正します。
市場環境や顧客ニーズの変化にも対応できるよう、柔軟に改善を繰り返すことが重要です。
営業活動のKPIを整理する際には、全体の目標を分解して可視化する「KPIツリー」の活用が効果的です。KPIツリーを用いることで、最終目標であるKGI(売上や契約数など)に直結する要素を体系的に把握でき、組織全体で同じ指標を共有できます。ここではKPIツリーの作り方を4つのステップに分けて解説します。
ステップごとに整理することで、実効性の高いKPI設計が可能になります。
KPIツリーを作成する際の第一歩は、売上や契約数といった最終成果を構成する要素を分解し、数値化可能な項目を洗い出すことです。例えば「売上=商談数×受注率×平均単価」のように、四則演算で表現できる形に整理すると、成果を生み出す要因を明確にできます。
単なる活動内容や抽象的な表現ではなく、「架電件数」「商談化率」「受注件数」といった具体的な項目を抽出することが重要です。これにより、組織全体で共通認識を持ちながら改善すべき領域を特定でき、効果的な営業戦略につなげられます。
KPIツリーを正しく運用するためには、各項目の単位を明確に設定することが不可欠です。単位が曖昧なままでは進捗管理が難しく、チーム間での解釈に差が生じてしまいます。例えば「商談数」は「件数」、「受注金額」は「円」、「受注率」は「%」といったように統一した基準を設けます。
これにより、営業担当者ごとの実績を正しく比較でき、目標とのギャップを把握しやすくなります。また、単位を定義することで、レポートやダッシュボードでの可視化が容易になり、数値に基づいた改善サイクルを継続的に回すことが可能になります。
KPIツリーの精度を高めるには、最終目標であるKGI(売上や契約数など)に近い指標から順に整理することが大切です。例えば「売上」をKGIとした場合、その直下に「受注件数」や「平均単価」を配置し、さらにその下に「商談数」「受注率」「提案件数」などを並べます。
こうすることで、成果に直結する重要な項目が上位に位置づけられ、改善の優先度が明確になります。逆にKGIから遠い行動量ばかりを追うと、実際の成果との関連性が薄れやすいため注意が必要です。階層構造を意識して並べることで、全体の整合性と実効性が高まります。
KPIツリーを完成させる際には、数値化できない活動や同じ意味を持つ項目が混在していないかを必ず確認することが重要です。例えば「顧客との良好な関係」という表現は抽象的すぎて測定できないため、具体的に「定期訪問回数」や「顧客満足度スコア」に置き換える必要があります。
また、「商談数」と「提案件数」のように内容が重複する指標が含まれていると、実績の評価が二重になり混乱を招きます。指標を整理し、KPIとして有効かどうかを精査することで、誰が見ても一貫性のあるツリーが完成します。これにより、KPIツリーが実際の改善行動に直結する実用的なツールとなります。
効果的なKPIを設定するには、単に数値目標を決めるだけでなく、自社の状況や営業体制に適した設計が必要です。以下の6つのポイントを意識することで、現実的かつ実行可能なKPIが作れます。
営業する商材によって、重視すべき指標は異なります。たとえば高単価のBtoB商材なら成約率や受注額が重要ですが、低単価で大量販売する商品なら訪問数や新規顧客獲得数が重視されます。
自社の商品特性や販売方法に合わせたKPIを設定することで、実態に即した進捗管理が可能になります。
KPIは担当者が自分の行動で改善できる指標であることが重要です。たとえば「売上額」のような最終結果だけでは、外部要因が大きく影響し改善が難しくなります。
代わりに「訪問件数」や「商談数」といった行動ベースの指標を設定すれば、担当者が直接行動を変えて結果を高められます。
KPIは具体性や達成可能性を確保するために「SMARTの法則」を活用します。これはSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の5要素です。
たとえば「1か月で新規顧客を5社獲得」というように、明確で期限のある指標が適切です。
高すぎる目標は達成意欲を下げ、低すぎる目標は成長を阻害します。過去の実績や市場規模を参考に、挑戦的でありながら現実的な数値を設定することが重要です。
たとえば過去3か月の平均受注数が月5件なら、いきなり月20件を目標にするのではなく、まずは7件など段階的に引き上げます。
設定したKPIは、実際に達成可能か事前に検証する必要があります。テスト的に短期間運用してみて、活動量や時間配分が適切かを確認します。
現場で無理がある場合は、数値や手法を早めに修正し、継続可能な指標に調整します。
KPIを効果的に活用するには、数値を正確に記録・共有できる仕組みが必要です。営業支援ツールや管理表を活用し、誰が見ても進捗状況が分かる状態を作ります。
たとえばCRMツールを活用すれば、訪問数や商談数をリアルタイムで共有でき、チーム全体での改善が容易になります。
営業目標を確実に達成するためには、現状に合った適切なKPIを設定することが不可欠です。KPIは、最終的な売上や契約数だけでなく、その過程を支える行動やプロセスを数値化することで、課題を早期に発見し、迅速に改善できる仕組みを作ります。
特に、担当者がコントロール可能な指標を選ぶことで、日々の行動が目標達成に直結しやすくなります。
また、定期的に見直しを行い、実情に合わせて柔軟に調整することも重要です。営業成果を最大化するには、現実的で戦略的なKPI運用が鍵となります。
営業人材の不足を、根性や精神論だけで乗り切る時代は終わりました。成果につながる仕組みと外部の力をうまく活用することが、今後の営業戦略には不可欠です。もし今、人手不足や営業リソースの限界を感じているなら、「カリトルくん」にご相談ください。
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