「楽天でRPP広告を出しているけど、なかなか売上が伸びない…」
「広告費ばかりがかさんで、費用対効果(ROAS)が合わない…」
「そもそも、どんなキーワードを設定すればいいのか分からない…」
楽天市場で店舗を運営されている方の中には、RPP広告のキーワード選定に関して、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。RPP広告は、楽天市場内での露出を増やし、売上を拡大するための強力なツールですが、その効果を最大化する鍵は「キーワード戦略」にあります。
適切なキーワードを選定できれば、購買意欲の高いユーザーにピンポイントで商品をアピールでき、無駄な広告費を抑えながら売上を伸ばすことが可能です。逆に、キーワード選定を誤ると、商品に関心のないユーザーにばかり広告が表示され、クリックはされても全く売上につながらず、広告費だけが無駄になってしまいます。
この記事では、EC/D2C領域のコンテンツマーケティングを専門とする株式会社StockSunが、楽天RPP広告で成果を出すためのキーワード選定方法を、具体的な7つのステップに分けて徹底的に解説します。さらに、実際にキーワード戦略でROASを劇的に改善した成功事例もご紹介します。
この記事を最後まで読めば、あなたは以下のことができるようになります。
感覚的な運用から脱却し、データに基づいた戦略的なキーワード選定で、あなたの店舗の売上を最大化させましょう。
目次
具体的な手順に入る前に、まずは「なぜRPP広告においてキーワード選定がそれほど重要なのか」を、RPP広告の基本的な仕組みと合わせて理解しておきましょう。この基礎を理解することが、後々の応用的なテクニックを活かす土台となります。
楽天RPP広告(Rakuten Promotion Platform)は、楽天市場内の検索結果ページやカテゴリページなどに表示される「検索連動型広告」です。ユーザーが検索したキーワードや閲覧した商品に応じて、関連性の高い商品広告が自動的に表示される仕組みになっています。
RPP広告には大きく分けて2つの広告タイプが存在します。
広告が表示されるロジックは、「広告の品質」と「クリック単価(CPC)」の掛け合わせで決まります。つまり、ただCPCを高く設定すれば上位に表示されるわけではなく、広告(商品)とユーザーの検索キーワードとの関連性も重視されるのです。
ここで重要になるのがキーワード選定です。ユーザーが実際に商品を求めて検索するであろうキーワードを的確に設定することで、広告の関連性が高まり、結果として購買意欲の高いユーザーに効率的に広告を届けられるようになります。これが、RPP広告の成果を最大化するための第一歩なのです。
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費に対してどれだけの売上が得られたかを示す指標で、「売上 ÷ 広告費 × 100 (%)」で計算されます。このROASを改善することが、利益を最大化する上で不可欠です。キーワード選定は、このROASに直接的な影響を与えます。
適切なキーワードは、すでに「欲しいもの」が明確になっているユーザー、つまりコンバージョン(購入)に至る可能性が非常に高いユーザーを店舗に呼び込んでくれます。例えば、「ワンピース」というビッグキーワードで検索するユーザーよりも、「ワンピース 黒 ロング 半袖」といった具体的なキーワードで検索するユーザーの方が、購入意欲は格段に高いでしょう。このような具体的なキーワードを的確に設定することで、CVRが向上し、結果的にROASも高まります。
キーワード選定が曖昧だと、自社商品とは関連性の低いユーザーにも広告が表示されてしまいます。例えば、高級な革財布を販売しているのに「財布」というキーワードだけを設定すると、「財布 メンズ 二つ折り 安い」と検索しているユーザーにも広告が表示され、クリックされてしまうかもしれません。これは全く購入につながらない無駄なクリックであり、広告費の浪費です。関連性の高いキーワードに絞り込み、さらには後述する「除外キーワード」を適切に設定することで、こうした無駄なコストを徹底的に排除し、ROASを改善できます。
自社では思いもよらなかったキーワードで、実は多くのお客様が商品を検索しているケースは少なくありません。これは「お宝キーワード」とも呼ばれ、競合が少なく、かつCVRが高い傾向にあります。例えば、特定のアニメキャラクターとのコラボ商品を販売している場合、そのキャラクター名や関連ワードが強力な「お宝キーワード」になる可能性があります。こうしたキーワードを継続的にリサーチし、広告設定に追加していくことで、これまで取りこぼしていた潜在的な売上を獲得し、ビジネス全体の成長につなげることができます。
ここからは、実際に売上を伸ばすためのキーワード選定・設定方法を、具体的な7つのステップに沿って詳しく解説していきます。この手順通りに進めれば、誰でも戦略的なキーワード選定が実践できます。
キーワード選定を始める前に、まず行うべき最も重要な作業が「誰に、何を、どのように伝えるか」を明確にすることです。つまり、ターゲット顧客(ペルソナ)と自社商品の強み(USP: Unique Selling Proposition)の再定義です。
なぜペルソナ設定が重要なのか?
ペルソナを具体的に設定することで、その人物が「どんな悩みを持ち」「どんな言葉で商品を検索するか」をリアルに想像できるようになります。これが、ユーザーの心に響くキーワードを発見するための羅針盤となります。
以下の項目を参考に、具体的なペルソナを作成してみましょう。
このペルソナ設定と同時に、自社商品の「強み」も言語化します。「高品質」「低価格」といった抽象的な言葉ではなく、「国産オーガニックコットン100%使用」「工場直販だから実現できた、他社より20%安い価格」のように、具体的で競合優位性のある言葉に落とし込みましょう。この「強み」自体が、強力なキーワードになることも多々あります。
ペルソナと強みが明確になったら、次はその情報を基にキーワードの「軸」となるメインキーワードを洗い出します。これはキーワード選定の出発点であり、ここから様々なキーワードへと派生させていきます。
主に以下の4つのカテゴリから洗い出しましょう。
これらのキーワードは、ユーザーの検索意図が比較的明確で、CVRも高い傾向にあります。まずは思いつく限り、Excelやスプレッドシートに書き出していきましょう。
メインキーワードを洗い出したら、次はその軸キーワードを元に関連性の高いキーワードへと拡張していきます。ここで非常に役立つのが、楽天市場の「サジェスト機能」です。
サジェストキーワードとは?
楽天の検索窓にキーワードを入力した際に、自動的に表示される検索キーワード候補のことです。これは、実際に多くのユーザーが検索している人気の組み合わせであるため、キーワードの宝庫と言えます。
例えば、「プロテイン」と入力すると、「プロテイン 女性」「プロテイン ダイエット」「プロテイン 溶けやすい」「プロテイン 安い」といったサジェストが表示されます。これらは全て、ユーザーの具体的なニーズを表しており、有力なキーワード候補となります。
また、検索結果ページの下部には「関連キーワード」も表示されます。こちらもサジェストと同様に、ユーザーの検索意図を理解する上で重要なヒントとなります。Step2で洗い出したメインキーワードを一つずつ検索窓に入力し、表示されるサジェストキーワードと関連キーワードを全てリストアップしていきましょう。
さらに、これらのキーワードを掛け合わせる(2語、3語にする)ことで、より具体的でCVRの高い「スモールキーワード」を作成できます。
このような掛け合わせキーワードは、検索ボリュームは小さいものの、競合が少なく、購入意欲が非常に高いため、積極的に狙っていくべきです。
自社だけでキーワードを考えていると、どうしても視野が狭くなりがちです。そこで、競合店舗がどのようなキーワードでユーザーを集めているかを分析し、自社の戦略に取り入れましょう。
具体的な方法は以下の通りです。
競合を分析することで、自社にはない視点や、ユーザーのリアルなニーズに基づいた「お宝キーワード」を発見できる可能性が高まります。
キーワードリストが完成したら、いよいよRMS(店舗運営システム)でキーワードを登録します。手順は以下の通りです。
注意点:
登録できるキーワードの上限は、1キャンペーンあたり1,000キーワードです。やみくもに登録するのではなく、これまでのステップで厳選した、関連性の高いキーワードから優先的に登録しましょう。
キーワードを「登録」することと同じくらい重要なのが、不要なキーワードを「除外」することです。除外キーワードとは、そのキーワードで検索したユーザーには広告を表示させないようにする設定のことです。
これを設定することで、自社の商品やターゲットとは全く関係のないユーザーからの無駄なクリックを防ぎ、広告費の浪費を抑え、ROASを大幅に改善することができます。
除外すべきキーワードの例:
除外キーワードの設定も、RMSの「商品・キーワード設定」画面から行えます。「除外キーワード登録」のセクションで、該当するキーワードを登録してください。定期的にパフォーマンスレポートを確認し、コンバージョンに繋がっていないにもかかわらずクリックが多いキーワードを見つけ出し、随時除外リストに追加していくことが重要です。
キーワードは一度設定したら終わりではありません。市場のトレンド、競合の動向、季節性の要因などによって、効果的なキーワードは常に変化します。そのため、定期的にパフォーマンスレポートを確認し、改善のサイクルを回し続けることが成功の鍵となります。
RMSのRPP広告管理画面で確認できるパフォーマンスレポートでは、キーワードごとの以下の指標をチェックしましょう。
分析と改善のアクションプラン:
この分析と改善のサイクル(PDCA)を最低でも週に1回、できれば毎日行うことで、キーワードの精度は飛躍的に高まり、RPP広告の効果を最大化することができます。
上記の7ステップを実践するだけでも大きな効果が期待できますが、さらに一歩進んだ成果を出すための3つのコツをご紹介します。
ユーザーは、検索キーワードと関連性の高い情報がそこにあると期待して広告をクリックします。しかし、クリックした先の商品ページ(LP)に、期待していた情報がなかったり、キーワードとの関連性が低かったりすると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。これはCVRの低下に直結します。
例えば、「オーガニック 化粧水 敏感肌」というキーワードで広告を出稿しているなら、リンク先の商品ページには
といった情報が分かりやすく掲載されている必要があります。キーワードとLPの内容を一貫させることで、ユーザーの期待に応え、CVRを向上させることができます。広告で設定したキーワードは、必ず商品ページ内にも盛り込むようにしましょう。
楽天市場では、「お買い物マラソン」や「楽天スーパーセール」といった大型セールが定期的に開催されます。この期間中は、ユーザーの検索行動も通常とは大きく変化します。
具体的には、以下のようなキーワードの検索数が急増します。
これらのイベント関連キーワードを事前に広告に設定しておくことで、購買意欲が最高潮に達しているユーザーを効率的に集客できます。また、母の日、クリスマス、バレンタインなどの季節イベントに関連するキーワードも同様です。「母の日 ギフト」「クリスマス プレゼント 子供」といったキーワードは、イベントの数週間前から検索数が伸び始めます。年間スケジュールを把握し、こうした需要の波に乗り遅れないよう、計画的にキーワードの追加・調整を行いましょう。
楽天RPP広告では公式に「品質スコア」という指標は公開されていません。しかし、Google広告など他の多くの検索連動型広告と同様に、広告の表示順位は「クリック単価(CPC)× 広告の品質」で決定されると考えられています。
この「広告の品質」を高める上で重要だと考えられる要素が以下の3つです。
つまり、ただキーワードを設定するだけでなく、そのキーワードと関連性の高い商品に紐づけ、ユーザーがクリックしたくなるような魅力的な商品画像やキャッチコピーを設定し、商品ページ自体も充実させる、という一連の取り組みが重要になります。アカウント全体でこの「品質」を意識することで、低いCPCでも広告が上位表示されやすくなり、結果的にROASの向上につながります。
最後に、多くの店舗が陥りがちなキーワード選定の失敗例と、その対策について解説します。同じ轍を踏まないよう、ぜひ参考にしてください。
【失敗例】
「ワンピース」「スニーカー」「化粧水」といった、検索ボリュームが非常に大きい「ビッグキーワード」ばかりを設定してしまうケースです。これらのキーワードは多くのユーザーにアプローチできる反面、競合がひしめき合っているためCPCが非常に高騰しがちです。結果として、多くのクリックを集めてもコンバージョンに繋がらず、広告費だけが膨れ上がってしまいます。
【対策】
ビッグキーワードと合わせて、必ず「ミドル・スモールキーワード」を設定しましょう。「ワンピース ロング丈 きれいめ」「スニーカー メンズ 防水」「化粧水 保湿 30代」のように、2語、3語を組み合わせたスモールキーワードは、検索意図が具体的で購買意欲が高く、競合も少ないため、低いCPCで高いCVRが期待できます。
【失敗例】
最初にキーワードを登録した後は、全く見直しを行わず、広告を「放置」してしまうケースです。ユーザーの検索トレンドや季節性は常に変化しており、競合も新しいキーワードで広告を出してきます。放置された広告は、徐々にパフォーマンスが低下し、機会損失や無駄な広告費の原因となります。
【対策】
本記事のStep7で解説した通り、定期的な効果測定と改善を仕組み化することが不可欠です。最低でも週に1度はパフォーマンスレポートを確認し、「効果の良いキーワードの強化」「効果の悪いキーワードの停止・除外」「新しいキーワードの追加」というメンテナンスを継続的に行いましょう。
【失敗例】
「おそらく、こんなキーワードで検索するだろう」という担当者の「感覚」や「思い込み」だけでキーワードを選定・運用してしまうケースです。この方法では、実際のユーザーの検索行動との間にズレが生じやすく、非効率な広告運用になってしまいます。
【対策】
必ずRMSのパフォーマンスレポートという「データ」に基づいて判断を下す癖をつけましょう。どのキーワードがどれくらいの売上とROASを生んでいるのか。客観的な数値を基に、仮説を立て、施策を実行し、結果を検証する(PDCAサイクル)ことで、運用の精度は着実に向上していきます。
ここまでRPP広告のキーワード戦略について詳しく解説してきましたが、「内容が専門的で難しい」「日々の店舗運営が忙しく、広告運用にまで手が回らない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。自社での運用に限界を感じた場合、専門のコンサルティング会社に依頼するのも有効な選択肢です。
コンサルティング会社を選ぶ際には、料金だけでなく、以下の点を確認することが重要です。
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本記事では、楽天RPP広告の売上を最大化するためのキーワード戦略について、7つの具体的なステップと成功事例を交えながら詳しく解説しました。
RPP広告の成果は、いかにユーザーの検索意図を深く理解し、的確なキーワードを設定できるかにかかっています。そして、一度設定して終わりではなく、データに基づいて継続的に改善サイクルを回し続けることが、競合に差をつけ、安定した売上を確保するための唯一の方法です。
ご紹介した7つのステップを一つずつ実践すれば、あなたの店舗の広告パフォーマンスは必ず向上するはずです。
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