「M&Aでイグジットを考えているけれど、具体的な進め方がわからない」
「どのタイミングで会社を売却するのが1番よいのか悩んでいる」
M&Aでイグジットに関して、このようにお悩みではありませんか。
M&Aによるイグジットは、創業者や投資家が事業から利益を確定させ、次のステージへ進むための有力な選択肢です。
しかし、その手法や成功のポイントを正しく理解していなければ、望んだ結果は得られません。
この記事では、M&Aによるイグジット戦略の基礎知識から、メリット・デメリット、そして戦略を成功させるための5つのポイントまで、わかりやすく解説します。
自社に合ったイグジット戦略を具体的に検討したい方は、豊富な実績を持つStockSun株式会社にぜひご相談ください。
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目次
M&Aによるイグジット戦略は、創業者や株主が保有する株式を第三者に売却することで投資資金を回収する手段です。
株式譲渡や事業譲渡、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)など複数の手法が存在し、状況に応じて選ばれます。
M&Aは上場審査などの厳しい基準が不要で、買い手と合意すれば比較的スムーズに進行できる点が特徴です。
また、起業後間もないタイミングでも買い手が見つかれば実行可能で、再起業による連続イグジットも現実的な選択肢となっています。
売却により経営権は譲受企業へ移転するため、売却後の事業方針や組織文化が変わる可能性もありますが、退職やリタイアの選択肢として活用される場合も多くあります。
M&Aの基本的な流れや目的に関してさらに深く知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
M&Aとは? 主な目的や事業継承のデメリット・基本的な流れを徹底解説
企業のイグジットに対する考え方や市場環境は、日本と海外で異なります。
日本では伝統的に、イグジットといえばIPO、つまり新規株式公開を目指す文化が根強くありました。
しかし近年、後継者不足に悩む中小企業の事業承継問題などを背景に、M&Aをイグジットの手段として選ぶ企業が増加傾向にあります。
一方、アメリカをはじめとする海外では、ベンチャーキャピタルからの資金調達が活発です。
そのため、投資回収の手段としてM&Aがごく一般的に行われており、IPOと並ぶ主要なイグジット手法として確立しています。
アメリカのM&A市場は競争が激しく、その分、企業の評価額も高く算定されやすい傾向にあります。
その結果、創業者や投資家はM&Aによって高額なリターンを得やすい環境になっているのです。
日本ではまだ、M&A後のPMI、つまり経営統合プロセスが課題となるケースもあります。
しかし、M&A支援サービスの充実により、今後はM&Aによるイグジットの比率がさらに高まると予測されます。
M&Aによるイグジットは、IPOと比較して多くの利点があり、経営者にとって魅力的な選択肢の一つです。
ここでは、M&Aでイグジットを行う具体的なメリットを5つ解説します。
上記のメリットを一つずつ見ていき、M&Aがなぜ有力な出口戦略となりうるのかを理解していきましょう。
IPOと比べてM&Aは上場審査などの厳格な基準がないため、実現のハードルが低い傾向にあります。
買い手との交渉が成立すればイグジットが成立するため、挑戦の機会が多いのが魅力です。
仮に一度失敗しても再チャレンジが可能で、継続的な試行ができるのもメリットに挙げられます。
日本国内ではM&Aの件数が多くあることから、現実的な選択肢とされています。
また、株式市場全体の動向などの外部環境の影響を受けにくく、市況が悪くても安定して買い手を探しやすい点も、実現可能性を高める要因の一つです。
イグジットまでに要する期間が短い点も、M&Aの大きなメリットです。
IPOの準備には、監査法人の監査や内部統制の構築などが必要で、通常3年以上の長い歳月がかかります。
一方、M&Aは買い手探しから契約締結まで、数ヵ月から1年程度で完了するケースがほとんどです。
例えば、そのスピード感を活かし、売却後すぐにその資金を元手にして、次の新しい事業へ挑戦することも可能です。
IPO準備に必要な社内体制の整備や監査対応に膨大な時間と労力を割かずに済むため、経営資源を事業成長に集中させられます。
保有する株式を一度にすべて現金化できる点も、M&Aならではのメリットです。
M&Aでは、買い手企業が対象会社の株式のすべて、あるいは大部分を買い取るのが一般的です。
そのため、オーナー経営者は保有株式をまとめて譲渡でき、対価として現金を一括で受け取れます。
IPOの場合、創業者株主が一度に大量の株式を市場で売却すると、株価が急落する恐れがあります。
そのため、売却できる株式数には制限が設けられることが多く、持ち株を一度にすべて現金化するのは困難です。
M&Aであれば、市場への影響を心配することなく、まとまった資金を手にいれられます。
M&Aは、経営の第一線から円満に引退するための選択肢にもなります。
株式をすべて譲渡すれば、会社の所有権と経営権が完全に買い手に移転するため、オーナーは経営責任から解放されます。
廃業と違って従業員の雇用を維持できるため、経済的・社会的な影響を抑えられるのが特徴です。
また、買い手と交渉して一定期間の役職継続後に退任するなど柔軟な引き継ぎも可能です。
そのため、再起業や投資活動など新たな人生設計を立てやすくなります。
会社の業績が赤字であっても、M&Aによる売却の可能性はゼロではありません。
IPOであれば黒字化が前提条件ですが、M&Aでは買い手の判断基準が異なるからです。
買い手企業は、現在の財務状況だけでなく、将来性や自社事業とのシナジー効果を重視します。
シナジー効果とは、2つの会社が統合することで生まれる相乗効果です。
例えば、対象企業が持つ独自の技術や顧客基盤などが、買い手の事業を大きく成長させると判断されれば、一時的な赤字でも高く評価されて買収にいたるケースがあります。
財務諸表の数字だけでは見えない価値が評価されるため、M&Aは大きなチャンスとなりうるのです。
M&Aによるイグジットは多くのメリットがある一方で、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。
ここでは、代表的な注意点を3つ紹介します。
上記のデメリットを把握し、対策を考えることが、後悔のないM&Aを実現する鍵となります。
M&Aで株式の過半数を譲渡した場合、会社の経営権は買い手に移ります。
たとえ創業者であっても、経営の最終的な意思決定権を失う点は、大きなデメリットの一つです。
M&A後も経営に関与し続けたいと考える創業者も少なくありません。
しかし、最終的な権限は新しい株主である買い手企業が握るため、これまでのように自分の裁量で自由に経営判断を下すことは難しくなります。
経営方針や投資の決定など、重要な事項はすべて買い手の意向が反映されるため、経営の自由度は大幅に制限されることを覚悟しなければなりません。
M&Aが成立すると、会社のオーナーが代わるため、経営方針が大きく変更される可能性があります。
買い手企業は、自社の経営戦略に沿って買収した会社の事業を運営していきます。
その結果、創業者が大切にしてきた経営理念や企業文化が失われてしまうケースも少なくありません。
また、働き方や評価制度の変更は、従業員の戸惑いやモチベーションの低下につながるリスクもあります。
創業の想いを引き継いでもらいたいと考えるなら、買い手の企業文化やビジョンを慎重に見極める必要があります。
M&Aによる売却価格は買い手と売り手の1対1の交渉で決まるため、IPOで得られる可能性のある時価総額よりも低くなる場合があります。
IPOでは、株式市場全体の投資家が企業の将来性を評価し、株価が形成されていくものです。
市場の期待が高ければ、高い企業価値がつく可能性が大いにあります。
一方、M&Aでは買い手の評価や交渉力が価格に大きく影響します。
買い手の予算の都合で、企業価値がディスカウントされるケースも少なくありません。
デメリットを理解した上でM&Aによるイグジットを成功に導くには、戦略的な準備が不可欠です。
ここでは、成功確率を高めるための重要なポイントを5つ解説します。
上記のポイントを押さえることで、自社にとってよりよい条件でのイグジット実現に近づきます。
M&Aを成功させる最初のステップは、明確なゴールを設定することです。
ゴールが曖昧なままでは、交渉の軸がぶれてしまい、望んだ結果を得られません。
具体的には「希望売却金額」「売却後の経営への関与」「完了までのスケジュール」を事前に決めておきましょう。
上記のゴールを定めることで、交渉の場で譲れる点と譲れない点が明確になります。
また、ゴールから逆算して事業計画を立てることで、企業価値の向上にもつながり、よりよい条件での売却が期待できます。
会社をより高く売るためには、タイミングの見極めが極めて重要です。
売却のタイミングは、自社の内部要因と、市場全体の外部要因の両面から判断する必要があります。
まず、自社の業績が右肩上がりで成長している時期は、買い手にとってとても魅力的に映ります。
経営者自身が「まだ売り時ではない」と感じるピークの時期こそ、実は最高の売り時である可能性が高いのです。
同時に、M&A市場が活況で、買い手企業の買収意欲が高い時期を狙うのもポイントです。
市場全体が好況であれば、複数の買い手候補が現れ、競争原理が働くことで売却価格が吊り上がりやすくなります。
イグジットの成功確率を高めるには、M&Aだけが唯一の選択肢だと考えない柔軟な姿勢が大切です。
IPOやMBOなど、複数の出口戦略を常に視野に入れておきましょう。
例えば、IPOを目指して準備を進めながら、並行してM&Aの打診も受け入れるなどの戦略が考えられます。
複数の選択肢を持っておくことで、常に市場からの客観的な評価を意識しながら、その時々でより有利な選択肢を判断できます。
一つの手法に固執せず、自社の状況や市場環境に応じて最適な戦略を考えましょう。
有利な条件でM&Aを進めるには、買い手から魅力的に見えるように自社を磨き上げる事前準備が欠かせません。
その中心となるのが、セルサイド・デューデリジェンスです。
これは、売り手が専門家を雇い、自社の財務や法務の問題点を事前に洗い出し、整理しておくプロセスを指します。
この準備を行うことで、買い手からの調査にスムーズに対応できるだけでなく、交渉を有利に進められます。
財務や事業に関する資料を整理し、自社の将来性やシナジー効果を客観的なデータで示せるようにしておきましょう。
また、自社の業種や規模に合った専門性を持つM&A仲介会社を選ぶことも、成功を左右する重要な準備の一つです。
自社に合った専門家を見つけるには、こちらの記事も参考にしてください。
【2025年最新版】おすすめM&Aコンサルティング会社・サービス10選! 選び方も解説
売却価格を最大化し、M&A後の事業の成功確度を高めるためには、シナジー効果を意識した買い手選びが重要です。
シナジー効果とは、買い手の事業と自社の事業が組み合わさることで生まれる相乗効果を指します。
例えば、買い手が持つ販売網と自社の製品を組み合わせることで売上が飛躍的に伸びるなど、事業上のシナジーが期待できる場合、買い手は高い買収価格を提示しやすくなります。
また、企業文化や価値観が近い買い手を選ぶことも大切です。
社風が合えば、M&A後の統合プロセスが円滑に進み、従業員の離職リスクを抑えられます。
M&Aによるイグジットは、会社の未来を左右する重要な経営判断です。
正しい知識と戦略を持って臨むことが、成功の鍵です。
もし、自社に最適なイグジット戦略を具体的に検討したい、あるいは信頼できるM&Aのパートナーを探している方は、豊富な実績を持つStockSun株式会社にぜひ一度ご相談ください。
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