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D2Cプラットフォームおすすめ比較12選!プロが教える失敗しない選び方と成功事例

更新日

自社ブランドの世界観を直接顧客に届け、長期的な関係を築く「D2C(Direct to Consumer)」。その成功の礎となるのが、ビジネスの根幹を支える「D2Cプラットフォーム」の選定です。しかし、ShopifyやBASE、ecforceなど数多くの選択肢が存在し、「自社に最適なプラットフォームはどれか」「何を基準に選べば失敗しないのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、EC/D2C領域のコンテンツマーケティングを専門とする株式会社StockSunが、D2Cプラットフォームの基礎知識から、事業フェーズ・目的別のおすすめサービス比較、そして失敗しないための選定ポイントまでを徹底解説します。さらに、プラットフォームを駆使して成功を収めているブランドの具体的な事例も深掘りします。この記事を読めば、D2C成功への最短ルートを歩むための、最適なプラットフォーム選定に関する知識がすべて手に入ります。

戸田峻太郎

この記事の著者

戸田峻太郎

戸田峻太郎

EC事業を年商10億以上に育てるプロ

ECグロースの専門家。
DeNA・スリーミニッツ・ココナラで 15年/年商数百億規模のECを指揮 し、年間10億円超のマーケティング投資を統括。
スリーミニッツ時代のeimy istoireでは 月商1,500万→2億円 へ急成長を2年間で牽引。その他複数D2Cブランドを数億規模に成長させる。

2023年11月に独立後は 「EC構築~集客〜サイト改善~CRM」を一気通貫コンサル を提供し、売上とROIを同時に最大化。
EC企業のマーケティング支援・企業の生成AI活用顧問を務める。
2024年には世界的なMAツール「Braze」で日本の年間No.1 を個人で受賞(Marketing Leader of the Year)
2025年より StockSun認定パートナーとして活動領域を拡大中。

目次

D2Cプラットフォームとは?ECサイト構築との違いも解説

D2Cビジネスを始めるにあたり、まず「D2Cプラットフォーム」が何を指すのか、従来のECサイトとどう違うのかを正確に理解しておくことが重要です。

そもそもD2Cとは?

D2C(Direct to Consumer)とは、メーカーやブランドが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や小売店を介さず、自社のECサイトなどを通じて顧客に直接販売するビジネスモデルを指します。中間マージンを削減できるだけでなく、顧客データを直接収集・分析し、商品開発やマーケティングに活かせるのが大きな特徴です。顧客と直接つながることで、ブランドの世界観や想いを伝えやすく、熱量の高いファンコミュニティを形成しやすいというメリットもあります。

近年、消費者の価値観が「モノ消費」から「コト消費」「イミ消費」へと変化する中で、ブランドのストーリーや理念に共感して購入する傾向が強まっています。D2Cは、こうした時代の潮流にマッチしたビジネスモデルとして、市場規模を急速に拡大させています。

D2Cプラットフォームの役割とビジネス成功における重要性

D2Cプラットフォームとは、D2Cビジネスを展開するために必要なECサイトの構築から、受注管理、在庫管理、顧客管理、マーケティング施策まで、一連の機能を備えたシステムやサービスのことです。単なる「商品を売る場所」ではなく、顧客とのあらゆる接点を管理し、ブランド体験を向上させるための「司令塔」としての役割を担います。

D2Cプラットフォームの主な機能

  • ECサイト構築機能:デザインテンプレート、商品登録、決済システム連携など
  • バックオフィス機能:受注管理、在庫管理、配送連携、顧客情報管理(CRM)など
  • マーケティング機能:クーポン発行、メルマガ配信、レビュー機能、カゴ落ち対策、分析ツールなど
  • 外部連携機能:SNS、広告媒体、MAツール、基幹システムとのAPI連携など

適切なプラットフォームを選ぶことは、業務効率化はもちろん、LTV(顧客生涯価値)の最大化、ひいては事業全体の成否を左右する極めて重要な経営判断と言えるでしょう。

従来のECサイト構築とは何が違うのか?

従来のECサイトは、楽天市場やAmazonといった「ECモール」に出店する形態や、単に商品をオンラインで販売することを目的とした自社サイトが主流でした。これに対し、D2Cプラットフォームを活用したECサイト構築は、以下の点で大きく異なります。

項目従来のECサイトD2Cプラットフォーム
目的商品の販売、売上拡大ブランド体験の提供、顧客との関係構築、LTV最大化
主役商品ブランド、顧客
重視する指標CVR、短期的な売上LTV、NPS®︎(顧客推奨度)、顧客エンゲージメント
デザインの自由度モールでは制限が多い。自社サイトでもテンプレート依存になりがち。非常に高い。ブランドの世界観を自由に表現可能。
顧客データモールでは取得に制限あり。自社で全て保有・活用可能。

つまり、D2Cプラットフォームは単に商品を売るためのツールではなく、顧客との深い関係性を築き、ブランドを育てていくための経営基盤そのものなのです。

D2Cプラットフォームの主な種類と特徴

D2Cプラットフォームは、提供形態によって大きく3つの種類に分けられます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社のリソースや目指す方向に合ったものを選びましょう。

SaaS型(ASPカート):手軽さと機能性のバランスが魅力

SaaS(Software as a Service)型は、クラウド上で提供されるECプラットフォームサービスです。自社でサーバーを用意する必要がなく、月額料金を支払うことで利用できます。ShopifyやBASE、ecforceなどがこのタイプに分類されます。

  • メリット:
    • 初期費用を抑えやすく、スピーディーに導入できる。
    • サーバーの保守・運用やシステムのアップデートはベンダーが行うため、専門知識がなくても運用可能。
    • 機能が豊富で、最新のマーケティング手法にも随時対応していることが多い。
  • デメリット:
    • デザインや機能のカスタマイズに一定の制約がある。
    • 月額費用や販売手数料が継続的に発生する。
    • サービス提供会社の仕様に依存するため、完全な独自機能の実装は難しい。
  • こんな企業におすすめ:
    • 初めてD2Cに挑戦するスタートアップや中小企業。
    • 開発リソースをかけずに、素早くビジネスを立ち上げたい企業。
    • マーケティングや商品開発に集中したい企業。

オープンソース型:自由なカスタマイズを重視するなら

オープンソース型は、無償で公開されているソースコードを基に、自社でECサイトを構築するタイプです。代表的なものにEC-CUBEやMagento(現Adobe Commerce)があります。

  • メリット:
    • ソースコードを自由に改変できるため、デザインや機能を思い通りにカスタマイズできる。
    • ライセンス費用が無料のため、初期コストを抑えられる可能性がある。
    • 自社でシステムを完全にコントロールできる。
  • デメリット:
    • サイトの構築、サーバーの保守・運用、セキュリティ対策などを全て自社で行う必要があり、高度な専門知識と技術力を持つ人材が不可欠。
    • 構築やカスタマイズに多大な時間とコストがかかる。
    • システムの不具合や脆弱性への対応責任も自社で負う必要がある。
  • こんな企業におすすめ:
    • 社内に優秀なエンジニアがいる、または開発会社と密に連携できる企業。
    • 既存のSaaSでは実現できない、極めて独自性の高い機能やデザインを実装したい企業。
    • 将来的に大規模なシステム連携を視野に入れている企業。

パッケージ型:大規模EC・独自機能を求める企業向け

パッケージ型は、ECサイト構築に必要な機能をパッケージとして提供するソフトウェアを購入し、自社のサーバーにインストールして利用するタイプです。ebisumartなどが該当します。

  • メリット:
    • SaaS型よりもカスタマイズの自由度が高く、オープンソース型よりは構築のベースがあるため開発期間を短縮できる。
    • 豊富な機能を標準搭載しており、大規模なECサイトにも対応可能。
    • ベンダーによる手厚いサポートを受けられる場合が多い。
  • デメリット:
    • 初期費用(ライセンス購入費)が数百万円以上と高額になる傾向がある。
    • サーバーの維持費や、保守・運用コストが別途かかる。
    • システムのアップデートは自社、またはベンダーに依頼して行う必要がある。
  • こんな企業におすすめ:
    • 年商数億円以上の大規模なEC事業を展開している、または目指している企業。
    • 基幹システムとの連携など、複雑な要件を持つ企業。
    • セキュリティ要件が厳しい企業。

事業フェーズ・目的別!D2Cプラットフォームおすすめ9選を徹底比較

ここからは、数あるD2Cプラットフォームの中から、特におすすめの12サービスを「スタートアップ向け」「中〜大規模向け」「エンタープライズ向け」「BtoB-D2C向け」の4つのカテゴリに分けて、それぞれの特徴や料金、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。

《スタートアップ・小規模向け》まずは低コストで始めたい方向けの4選

このカテゴリでは、初期費用を抑えつつ、D2Cの第一歩を踏み出せる手軽さと拡張性を兼ね備えたプラットフォームを厳選しました。

1. Shopify(ショッピファイ)

世界No.1シェア。デザイン性と拡張性でD2Cの王道へ

世界175カ国以上、数百万のストアで利用されている世界最大のSaaS型ECプラットフォーム。洗練されたデザインテンプレートと、「Shopify App Store」で提供される8,000種類以上の豊富なアプリ(拡張機能)により、自社の成長に合わせて機能を追加していけるのが最大の魅力です。越境ECにも標準で対応しており、将来的な海外展開も視野に入れられます。

  • 主な機能:豊富なデザインテンプレート、多言語・多通貨対応、Shopifyアプリによる機能拡張、SNS連携、POSレジ機能
  • 料金プラン(月額):ベーシック($33)、スタンダード($92)、プレミアム($399) ※別途決済手数料・取引手数料あり
  • メリット:デザイン性が高い、アプリで機能を無限に拡張できる、越境ECに強い、情報が多くコミュニティが活発。
  • デメリット:日本語のサポートが限定的な場合がある、アプリの多くが英語表記で月額費用もかかる。
  • こんな企業におすすめ:ブランドの世界観を重視するアパレルや雑貨、将来的に海外展開や事業拡大を目指す全ての事業者。

2. BASE(ベイス)

初期・月額0円。誰でも簡単にネットショップが始められる

「お母さんも使える」をコンセプトに、専門知識がなくても誰でも簡単にネットショップを開設できる手軽さが魅力のプラットフォームです。初期費用・月額費用が無料で、商品が売れた時にはじめて手数料が発生する料金体系のため、リスクを抑えてD2Cを始めたい個人事業主やスモールビジネスに最適です。必要な機能を「BASE Apps」で追加していくことで、ストアをカスタマイズできます。

  • 主な機能:無料デザインテーマ、BASE Appsによる機能追加、Instagram販売連携、かんたん決済機能
  • 料金プラン:スタンダードプラン(月額0円、決済手数料3.6%+40円+サービス利用料3%)、グロースプラン(月額16,580円、決済手数料2.9%)
  • メリット:コストをかけずに始められる、操作が直感的で分かりやすい、集客支援機能がある。
  • デメリット:デザインのカスタマイズ性が低い、大規模なショップには機能面で物足りない場合がある、手数料がやや割高。
  • こんな企業におすすめ:初めてネットショップを開設する個人・小規模事業者、ハンドメイド作家、テストマーケティングをしたい企業。

3. STORES(ストアーズ)

デザイン性と操作性を両立。実店舗との連携もスムーズ

BASEと並んで人気の高い、無料から始められるプラットフォーム。洗練されたデザインテンプレートが多く、初心者でも簡単におしゃれなストアが作れます。POSレジ機能「STORES レジ」と連携すれば、ネットショップと実店舗の在庫や売上を一元管理できるため、オムニチャネル展開を目指す事業者にもおすすめです。

  • 主な機能:48種類のデザインテンプレート、予約販売機能、電子チケット販売、STORESレジ連携
  • 料金プラン:フリープラン(月額0円、決済手数料5%)、スタンダードプラン(月額2,980円、決済手数料3.6%)
  • メリット:デザイン性が高い、実店舗との連携が容易、フリープランでも機能が充実している。
  • デメリット:上位プランでないと利用できない機能がある、大規模なカスタマイズには向かない。
  • こんな企業におすすめ:デザインにこだわりたい小規模事業者、実店舗とECを連携させたいオーナー。

4. MakeShop(メイクショップ)

サポート体制が充実した高機能カート

GMOメイクショップ株式会社が提供するSaaS型プラットフォームで、651機能という業界トップクラスの機能数を標準搭載しており、売上を伸ばすための細やかな設定が可能です。電話サポートも充実しており、EC運営で困った際に相談しやすい体制が整っているのも大きな魅力です。

  • 主な機能:651の豊富な機能、BtoBオプション、集客サービス連携、手厚い電話サポート
  • 料金プラン:プレミアムプラン(月額11,000円)、MakeShopエンタープライズ(月額55,000円〜) ※初期費用別途
  • メリット:機能が非常に豊富、サポート体制が手厚い、サーバーが安定している、販売手数料が0円。
  • デメリット:月額費用が他のサービスに比べて高め、デザインのカスタマイズにはHTML/CSSの知識が必要。
  • こんな企業におすすめ:ある程度の売上規模があり、機能性を重視する中小企業、手厚いサポートを求める事業者。

《中〜大規模・リピート通販向け》CRM・マーケティング機能が強みの4選

このカテゴリでは、新規顧客獲得だけでなく、LTVを最大化するためのCRM機能やマーケティング機能に強みを持つプラットフォームをご紹介します。

5. ecforce(イーシーフォース)

広告運用とCRMに特化。売上向上を追求するD2Cの最終兵器

D2C・ECの売上向上に特化したSaaS型プラットフォーム。特に広告運用との連携やLTV最大化のためのCRM機能に強みを持ち、急成長中のD2Cブランドが多く採用しています。コンバージョン率を高めるためのフォーム一体型LPや、顧客属性に応じたセット販売など、売上を伸ばすための機能が豊富に実装されています。

  • 主な機能:広告効果測定機能、フォーム一体型LP、セット販売機能、LTV分析、マーケティングオートメーション
  • 料金プラン:要問い合わせ(月額5万円程度〜)
  • メリット:売上アップに直結する機能が豊富、分析機能が高性能、定期通販(サブスクリプション)に強い。
  • デメリット:月額費用が高め、使いこなすにはマーケティングの知識が必要。
  • こんな企業におすすめ:広告運用を本格的に行い、LTVを最大化させたいD2C事業者、単品リピート通販やサブスクリプションモデルの企業。

6. futureshop(フューチャーショップ)

アパレル業界に強い。顧客体験(CX)を重視したサイト構築

稼働実績2,900店舗以上、特にアパレルやファッション業界での導入実績が豊富なプラットフォームです。顧客一人ひとりに合わせた体験を提供するための機能が充実しており、実店舗との連携(オムニチャネル)にも強いのが特徴。「ファンを創る」ことを重視したサイト設計が可能です。

  • 主な機能:柔軟なデザインカスタマイズ、会員ランク機能、実店舗連携(ポイント・在庫)、ささげ業務(撮影・採寸・原稿)サポート
  • 料金プラン:Standardプラン(月額22,000円〜)、Goldプラン(月額81,000円〜)
  • メリット:アパレル業界のノウハウが豊富、オムニチャネル対応に強い、サポートが丁寧。
  • デメリット:初期費用・月額費用が比較的高額。
  • こんな企業におすすめ:アパレル・ファッションブランド、顧客との長期的な関係構築を重視する企業、オムニチャネルを推進したい企業。

7. ebisumart(えびすマート)

カスタマイズ性とセキュリティに定評のあるクラウドEC

SaaSのメリット(常に最新、インフラ管理不要)とパッケージのメリット(カスタマイズ性)を両立した「クラウドECプラットフォーム」。年商1億円以上の大規模ECサイトでの導入実績が豊富で、週に1回のペースでシステムの無料アップデートが行われるため、常に最新かつ安全な環境でECを運営できます。

  • 主な機能:週次アップデート、柔軟な外部システム連携、堅牢なセキュリティ、BtoB対応
  • 料金プラン:要問い合わせ(カスタマイズ要件による)
  • メリット:カスタマイズの自由度が高い、セキュリティレベルが高い、常にシステムが最新の状態に保たれる。
  • デメリット:導入費用・月額費用が高額、小規模なECにはオーバースペック。
  • こんな企業におすすめ:年商数億円以上の中〜大規模事業者、独自の要件や複雑なシステム連携が必要な企業。

《大規模・エンタープライズ向け》高いカスタマイズ性と拡張性が魅力の2選

年商数十億円以上の大規模なビジネスや、グローバル展開、複雑な要件に対応するためのプラットフォームです。

8. EC-CUBE(イーシーキューブ)

日本発のオープンソース。35,000店舗以上が利用する圧倒的実績

株式会社イーシーキューブが開発・提供する、日本で最も利用されているオープンソースのEC構築パッケージ。無料でダウンロードでき、自由にカスタマイズできるのが最大の魅力です。豊富なプラグインで機能拡張も可能で、開発パートナー企業も多いため、カスタマイズの相談がしやすい環境です。

  • 主な機能:ソースコードの自由なカスタマイズ、プラグインによる機能拡張、豊富なデザインテンプレート
  • 料金プラン:ライセンス無料(サーバー費用、開発費用、保守費用などが別途必要)
  • メリット:カスタマイズの自由度が非常に高い、ライセンス費用がかからない、日本語の情報や開発者が多い。
  • デメリット:構築・運用に専門知識が必要、セキュリティ対策を自社で行う必要がある。
  • こんな企業におすすめ:社内に開発体制がある企業、独自性の高いECサイトを構築したい企業。

9. Adobe Commerce(旧Magento)

グローバル基準のエンタープライズ向けEC基盤

Adobe社が提供する、世界的に高いシェアを誇るECプラットフォーム。元々はオープンソースの「Magento」として知られていました。BtoC、BtoB、複数ブランド、複数国展開など、複雑で大規模なビジネス要件にも対応できる柔軟性と拡張性が特徴です。Adobeの他のマーケティングツールとの連携も強力です。

  • 主な機能:マルチブランド・マルチサイト管理、BtoB機能、強力な分析機能、Adobe Experience Cloudとの連携
  • 料金プラン:要問い合わせ(ライセンス費用は年間数百万円〜)
  • メリット:大規模・複雑な要件に対応可能、グローバル展開に強い、Adobe製品との連携がスムーズ。
  • デメリット:導入・運用コストが非常に高額、扱える開発会社が限られる。
  • こんな企業におすすめ:グローバル展開を行う大企業、複数のブランドを一つの基盤で管理したい企業。

失敗しないD2Cプラットフォームの選び方【5つの比較ポイント】

数多くの選択肢の中から、自社にとって最適な一つを見つけるためには、明確な比較基準を持つことが不可欠です。ここでは、プラットフォーム選定で絶対に外せない5つのポイントを解説します。

ポイント1:事業規模と将来の拡張性

まず考えるべきは、「現在の事業規模」と「将来目指す規模」の両方です。スモールスタートだからといって、機能が限定的すぎるプラットフォームを選ぶと、事業が成長した際にシステムを乗り換える必要が出てきます。乗り換えには多大なコストと時間がかかるため、将来的な事業拡大(取扱商品数の増加、会員数の増加、流通額の増加)に耐えうる拡張性があるかを見極めましょう。

【チェックリスト】

  • 商品登録数や会員登録数に上限はないか?
  • アクセス集中時にも安定稼働できるサーバー環境か?
  • 事業の成長に合わせてプランをアップグレードできるか?
  • 将来的に海外展開を考えた場合、多言語・多通貨に対応できるか?

ポイント2:デザインのカスタマイズ性とブランド表現力

D2Cの核心は、ブランドの世界観を顧客に伝えることです。プラットフォームによって、デザインのカスタマイズ範囲は大きく異なります。テンプレートが豊富でも、レイアウトの変更に制限があったり、HTML/CSSの知識がなければ修正できなかったりする場合があります。自社のブランドイメージをどこまで忠実に再現できるか、デモサイトや導入事例を参考にしながら確認しましょう。

【チェックリスト】

  • デザインテンプレートの種類は豊富か? 自社のブランドイメージに合うものがあるか?
  • HTML/CSS/JavaScriptを編集し、細部までカスタマイズできるか?
  • 専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でページを作成・編集できるか?

ポイント3:マーケティング・分析機能の充実度

D2Cは「作って終わり」ではありません。集客し、購入してもらい、リピーターになってもらうまでの一連のマーケティング活動が不可欠です。そのため、プラットフォームにどのようなマーケティング機能や分析機能が標準搭載されているか、または追加できるかは非常に重要です。

【チェックリスト】

  • クーポン発行、セール設定、ポイント機能はあるか?
  • ステップメールやメルマガ配信機能はあるか?
  • カゴ落ちした顧客へのフォローアップ機能はあるか?
  • 顧客の購入データやサイト内行動を分析する機能はあるか?
  • SEO対策のための基本的な設定(title, meta descriptionの編集など)は可能か?

ポイント4:外部システムとの連携性(APIの有無)

事業が拡大するにつれて、MA(マーケティングオートメーション)ツール、CRMツール、会計ソフト、倉庫管理システム(WMS)など、様々な外部システムとの連携が必要になります。APIが公開されていれば、システム間のデータ連携をスムーズに行うことができ、業務効率が飛躍的に向上します。将来的な連携の可能性も踏まえ、APIの提供状況や連携実績を確認しておきましょう。

【チェックリスト】

  • APIは公開されているか? ドキュメントは整備されているか?
  • 利用したいと考えている外部ツール(決済、広告、MAなど)との連携実績はあるか?
  • アプリやプラグインを追加することで、簡単に連携できる仕組みがあるか?

ポイント5:運用コストとサポート体制

プラットフォームのコストは、初期費用や月額費用だけではありません。販売手数料や決済手数料、アプリの利用料など、売上に伴って変動するコストも考慮し、トータルでシミュレーションすることが重要です。また、問題が発生した際に迅速に対応してくれるサポート体制の有無も、安定した店舗運営のためには欠かせません。特にEC運営の初心者は、電話やチャットで気軽に相談できるサポートがあると安心です。

【チェックリスト】

  • 初期費用、月額費用、各種手数料を合わせたトータルコストは予算内に収まるか?
  • 日本語でのサポート(電話、メール、チャット)は受けられるか? 対応時間は?
  • マニュアルやFAQ、ユーザーコミュニティなどの情報は充実しているか?

プラットフォームで明暗が分かれる!D2Cの成功事例3選

理論だけでなく、実際にD2Cプラットフォームを効果的に活用し、ビジネスを成功させている企業の事例を見ていきましょう。彼らがなぜそのプラットフォームを選び、どのように活用しているのかを深掘りします。

Shopify活用事例:COHINA(コヒナ)- コミュニティ形成で熱狂的ファンを生む

【ブランド概要】
COHINAは、「小柄な女性に、本当に似合う服を。」をコンセプトに、身長150cm前後の女性向けアパレルを展開するD2Cブランドです。創業者が自身の実体験から感じた「サイズが合わない」という切実な悩みを解決するために立ち上げられました。[出典: COHINA公式サイト](https://cohina.net/)

【プラットフォーム選定と活用法】
COHINAが選んだのは、世界No.1シェアを誇るShopifyでした。選定理由は、非エンジニアでもサイトの更新や改修が容易であること、そして豊富なアプリによる高い拡張性です。これにより、事業の成長に合わせてスピーディーに施策を実行できる環境を整えました。

COHINAの成功を語る上で欠かせないのが、Instagramのライブ配信を徹底的に活用した顧客とのコミュニケーションです。ほぼ毎日行われるインスタライブでは、新作商品の紹介はもちろん、ユーザーからのコメントにリアルタイムで答え、サイズ感やコーディネートの悩みに寄り添います。この双方向のコミュニケーションを通じて得られた顧客の声を、商品企画に即座にフィードバック。顧客自身がブランドを育てる「共創」のサイクルを生み出しています。

ShopifyとInstagramのシームレスな連携により、ライブ配信で盛り上がった熱量をそのまま購買へと繋げる導線が確立されています。この顧客との深いエンゲージメントこそが、COHINAが熱狂的なファンコミュニティを築き、急成長を遂げた最大の要因です。

ecforce活用事例:VALX(バルクス)- LTV最大化を実現するCRM戦略

【ブランド概要】
VALXは、ボディビル・パワーリフティング界のレジェンドである山本義徳氏が監修する、プロテインやサプリメントを開発・販売するフィットネスブランド。「本物を追求し続ける」という理念のもと、品質に徹底的にこだわった商品を提供しています。[出典: VALX公式サイト](https://valx.jp/)

【プラットフォーム選定と活用法】
VALXが事業の急成長を支える基盤として選んだのが、D2Cの売上向上に特化したecforceです。ecforceは、広告効果の精密な分析機能や、LTVを最大化するためのCRM機能に強みを持っています。

VALXの戦略は、山本義徳氏のYouTubeチャンネルという強力なコンテンツを軸に集客し、ecforceの機能をフル活用して顧客のLTVを高めていくというものです。例えば、初回購入者に対してステップメールを配信し、商品の効果的な使い方やトレーニング情報を届けることで継続利用を促進。また、顧客の購入履歴データを分析し、一人ひとりに最適なタイミングでアップセルやクロスセルの提案を行うなど、データに基づいたきめ細やかなアプローチを実践しています。

ecforceの強みである分析機能によって、どの広告経由の顧客が優良顧客になりやすいかを可視化し、広告投資の最適化も図っています。強力なコンテンツマーケティングと、データドリブンなCRM戦略。この2つをecforceというプラットフォーム上で噛み合わせることで、VALXは短期間での圧倒的な成長を実現しました。

futureshop活用事例から学ぶブランド体験:土屋鞄製造所

【ブランド概要】
1965年創業の土屋鞄製造所は、ランドセル作りから始まった老舗の皮革製品ブランドです。職人の手仕事による丁寧なものづくりと、時代を超えて愛される普遍的なデザインで、多くのファンを魅了し続けています。

【プラットフォーム活用の歴史と成功要因】
土屋鞄製造所は、EC黎明期からオンラインでの販売に力を入れてきました。長年、アパレルやライフスタイルブランドに強いfutureshopを活用し、ECサイト上でもブランドの世界観や製品の背景にあるストーリーを丁寧に伝えることで、オンラインにおける顧客体験価値を高めてきました。futureshopの柔軟なデザインカスタマイズ機能や、顧客との関係性を深めるCRM機能を活用し、実店舗と変わらない「おもてなし」をWeb上で実現していたのです。

近年、さらなるグローバル展開やシステム連携の柔軟性を求め、Shopify Plusへとプラットフォームを移行しましたが、futureshop時代に培った「ECサイトを単なる売り場ではなく、ブランドと顧客のコミュニケーションの場として育てる」という思想は、今も変わらず受け継がれています。

この事例から学べるのは、プラットフォームの機能性だけでなく、それをどう活用してブランド価値を高めるかという「戦略」の重要性です。土屋鞄製造所は、プラットフォームの特性を最大限に活かし、オンラインでも顧客との絆を深めることに成功した好例と言えるでしょう。

D2Cプラットフォーム選定で悩んだら、専門家への相談が成功への近道

ここまで様々なプラットフォームを紹介し、選び方のポイントを解説してきましたが、「情報が多すぎて、結局どれが自社に最適なのか判断できない」「選定はできても、その後の売上の伸ばし方が分からない」と感じている方も少なくないはずです。D2Cプラットフォーム選びは、それほどまでに複雑で、事業の未来を左右する重要な決断なのです。

よくある失敗例①:「とりあえず安く」で選び、機能不足で機会損失

初期費用や月額費用の安さだけでプラットフォームを選んでしまうケースです。最初は良くても、事業が成長するにつれて「やりたい施策が機能的に実現できない」「外部ツールと連携できず手作業が増える」といった壁にぶつかります。結果として、売上を伸ばすチャンスを逃したり、不要な人件費がかさんだりしてしまいます。

よくある失敗例②:「多機能」を求め、使いこなせずコストが増大

①とは逆に、「大は小を兼ねる」と考え、オーバースペックな高機能プラットフォームを導入してしまうケースです。多くの機能を全く使いこなせないまま、高い月額費用だけを払い続けることになり、収益を圧迫します。自社の事業フェーズやリソースに見合わない選択は、大きな失敗につながります。

StockSunなら1,910社の実績から最適なプラットフォームを中立的に選定

このような失敗を避け、D2Cビジネスを成功に導くためには、客観的な視点を持つ専門家の知見を活用することが最も確実な方法です。私たち株式会社StockSunは、特定のプラットフォームに縛られない完全に中立な立場で、貴社のビジネスモデル、商材、事業フェーズ、将来の展望を深くヒアリングした上で、最適なプラットフォームを選定します。

創業7年で累計1,910社の支援実績から蓄積された豊富なノウハウに基づき、「なぜこのプラットフォームが最適なのか」を論理的にご提案。成功パターンも失敗パターンも知り尽くしているからこそ、貴社が陥りがちな落とし穴を回避し、最短ルートで成功へと導きます。

「構築して終わり」ではない、事業成長まで伴走するワンストップ支援体制

StockSunの強みは、プラットフォームの選定・構築だけで終わらないことです。D2C事業の成功には、サイト構築後の集客(SEO、広告運用、SNS)、顧客育成(CRM)、データ分析といった、あらゆるWebマーケティング施策が不可欠です。

StockSunには、通過率1%以下の厳しい基準をクリアした、各分野のプロフェッショナルが64名以上在籍しています。貴社の課題に応じて最適なチームを編成し、戦略立案から実行までをワンストップで支援。領域を横断した一貫性のある施策で、事業全体のグロースにコミットします。

また、従来の会社で問題になりがちな「担当者ガチャ」のリスクもありません。実績や得意分野が全て公開された認定パートナーの中から、貴社が直接担当者を指名することも可能です。

D2Cプラットフォーム選びで迷われている方、D2C事業の立ち上げや売上拡大に課題を感じている方は、ぜひ一度、StockSunの無料相談をご利用ください。貴社のビジネスを成功に導くための、具体的なプランをご提案させていただきます。

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