広告を配信したあと、「本当にブランドイメージが良くなったのか?」「ユーザーの印象はどう変わったのか?」を可視化できていますか?
クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)などの数値は確かに重要ですが、それだけでは「広告によってユーザーの意識がどう変化したか」まではわかりません。
そんな“意識の変化”を定量的に測る手法が、ブランドリフト調査(Brand Lift Survey) です。
本記事では、マーケティング担当者が押さえておくべきブランドリフト調査の仕組みややり方、そして広告運用に活かすポイントをわかりやすく解説します。
目次
ブランドリフト調査とは、広告接触者と非接触者の間で、ブランドに対する認知・印象・購入意向などの変化(=ブランドリフト) を測定する調査のことです。
たとえば次のような設問を出し、広告を見た人と見ていない人の回答を比較します。
これらの結果をもとに、「広告がブランドに対する意識変化をどの程度もたらしたか」を分析するのが目的です。
クリックやコンバージョンだけでは、広告の真の効果を捉えきれません。
とくにブランディング目的の広告(動画広告・認知キャンペーンなど)では、次のような課題が生じます。
ブランドリフト調査を行えば、「広告がどんな印象変化を起こしたか」を数値で示せるため、戦略的なクリエイティブ改善や配信設計が可能になります。
ブランドリフト調査の一般的な仕組みは次の通りです。
①広告を配信し、ユーザーを「広告接触者」と「非接触者」に分ける
②両者に同じ質問を出し、回答結果を比較
③差分(リフト値)を算出して、広告の心理的効果を評価
リフト値(Lift Value)は、「広告接触者の肯定回答率 − 非接触者の肯定回答率」で求められます。
ブランドリフト調査には大きく2つの方法があります。
①広告プラットフォームの機能を使う
GoogleやMeta(Facebook・Instagram)など主要広告媒体では、「ブランドリフト調査機能」が標準搭載されています。
②専門のリサーチ会社に依頼する
よりカスタマイズ性の高い調査を行いたい場合は、リサーチ会社に依頼して設問設計やサンプル抽出を行う方法があります。
ブランドリフト調査の価値は、「数字を取ること」ではなく、次の施策改善にどうつなげるかにあります。
活用のポイントは次の3つです。
ブランドリフト調査は、「広告が心に残ったかどうか」を測るための重要な手法です。
クリック率やCPAだけでは見えない、「認知」「好意」「購入意向」の変化をデータで把握できることで、ブランディング施策の精度を大きく高めることができます。
デジタル広告が当たり前になった今こそ、“意識の変化”という観点から広告を評価し、本当の意味でのブランド価値向上を目指しましょう。


