動画制作を行う際、どういった制作工程があるのか、どういった流れで進んでいくのかがわからないと、制作に遅れが出てしまったり、抜け漏れが発生しイメージしていた動画に仕上がらない場合もあります。
そのため、動画制作にあたり一連の流れを頭に入れておくことは重要です。
この記事では、初めて動画を作る方でも理解できるよう、詳しく動画制作の一連の流れについて解説していきます。
目次
動画制作は、大きく実写とアニメーションの2つに分かれており、それぞれで制作工程も違ってきます。
まずは実写で動画制作を行う際の一連の流れについて解説します。
実写動画を制作する際、最も大切なのが事前の準備です。動画制作をするとなると、撮影して編集というイメージがあるかもしれませんが、いきなり撮影に臨むのではなく、どんなシーンを撮影したいのか、どんな構図で撮影するのかなど事前に準備をしておく必要があります。
まずは、動画を通して誰に何を伝えたいのかを明確にしましょう。ここがないと、動画を制作する目的がわからず、的外れな動画になってしまう可能性があります。
また動画の掲載先もあらかじめ決めておきましょう。TikTokなどの場合縦型の動画を撮影する必要がありますが、YouTubeに掲載する場合は横長の動画を制作することになります。
動画を制作する目的などが決まれば、続いて撮影のための準備を行いましょう。撮影の準備として、まずは絵コンテを作成しましょう。絵コンテができあがれば、どんなシーンが必要なのかが明確になり、撮影すべき素材や画角も見えてきます。
その後撮影する場所の下見を行い、決められた時間内で全ての素材を撮影できるよう、撮影日当日のスケジュールも決めておきましょう。
ここまで準備したら、いよいよ撮影に移ります。動画の撮影は事前の準備で8割が決まるため、準備は怠らないようにしましょう。
当日は決められたスケジュール通り撮影を行いましょう。ライティングやキャストの体調などにも気をつけながら、必要な素材をイメージ通りに撮影できているかチェックしておきましょう。
撮影の際、1カットを短く撮影する意識で行えると、後々編集が楽になりますしスケジュールも収まりやすくなります。
撮影した素材を編集したら、実写動画の完成です。
編集では素材をつなぎ合わせるのはもちろん、色味を調整したり字幕を入れたり、アニメーションをつけたりと様々なバリエーションがあります。
編集の仕方によって撮影した素材が生かされるか殺されるかが決まると言っても過言ではありません。
しっかり編集を行えるとクウォリティの高い動画だと感じてもらえるため、最後の工程ですが手を抜かないよう行いましょう。
ここまで実写動画の制作の流れについて紹介してきました。
続いてアニメーションで動画を作成する場合の流れについて解説します。
アニメーションで作成する場合は実写と違い撮影がありませんが、少し高度な編集技術が求められます。
アニメーション動画を制作する際も、やはり事前準備をしっかり行う必要があります。こちらもやはり誰に何を届けるのか、動画を制作する目的を明確にしておきましょう。
ここが決まっていないと、動画のイメージも固まりませんし、仮に製作したとしても視聴者からの反応を取れない動画になってしまいます。
また事前準備として絵コンテも作成しておきましょう。絵コンテがあることで、どんなシーンを作成すべきかが明確になり、制作がかなりスムーズに行えます。
実写と異なりアニメーション動画を制作する際にはイラストを作成する必要があります。すでにあるイラストを使用する場合はこの工程は省かれますが、オリジナルでイラストを作成し動かしたい場合はこの工程である程度時間を割くことになります。
イラスト作成の段階で絵が動く状態になっていれば、後はBGMや効果音、字幕などを挿入することで動画が完成します。
イラスト作成で静止画の画像のみを用意している場合は、編集でイラストを動かしていくことになります。その場合は動画編集ソフトにあるアニメーションを活用してイラストを動かすことになります。
実写の場合と比べて少し編集が難しくなりますが、この編集部分が動画制作のポイントとなるためじっくり時間をかけて取り組みましょう。
ここまで実写動画とアニメーション動画の制作の流れについて紹介してきました。
動画を制作する際は大きく分けてこの2つがありますが、どのようにして使い分けるのが良いのでしょうか。
実写とアニメーションの大きな違いは、リアルな人物が登場するかどうかです。実際に存在する人物を写した方がより伝わりやすい場合は実写動画の方が良いですし、静止画に動きをつけるだけでも十分伝わるのであればアニメーション動画でも大丈夫です。
また図などを多用する場合はアニメーション動画の方が伝わりやすくなります。
実写動画の場合、キャストの出演料が必要になったり、撮影現場に携わる人の人件費も必要になります。そのため、アニメーション動画に比べて実写動画の方が制作コストがかかります。
一方アニメーション動画はイラストを制作し編集すれば完成するため、制作コストを抑えながら動画を作成できます。
ただしアニメーション動画でもかなりの長尺になったり高度な編集技術が求められる場合金額もかかるため、両者の見積もりを取った上で判断するのが良いでしょう。
伝えたい内容によっても、動画とアニメーションどちらが向いているかは変わってきます。
リアリティを伝えたい、実際に製品を使っているシーンを伝えたいという場合は実写で動画を制作した方が伝わりやすいです。
一方現実には存在しない架空の世界観を表現したかったり、抽象的な概念について説明したい場合、実物するものでは表現できないためアニメーション動画の方が作り込みやすく相手にも伝わりやすいです。
動画を制作する際は実写かアニメーションどちらで制作するかを決め、その後ここまで解説してきた流れに沿って動画を制作することになります。
しかしただ動画を制作するだけでなく、動画を通して視聴者の心を掴む動画を作るにはいくつか押さえておくべきポイントがあります。
それでは動画制作を成功させるには、どういったポイントを意識すれば良いのでしょうか。
まずは、動画を制作する目的とターゲットを明確にしましょう。ここが決まらないと、動画を制作しても全く視聴者の心を動かせません。
よくあるのが、できるだけ多くの人に見てもらいたいからターゲットを広くしてしまうという間違いです。
広く浅く見てもらうことよりも、見た人の心に刻まれ行動変容を起こせる動画を作ることが大切です。
そのためには、視聴者を狭く絞り、その視聴者が何に悩んでいるのか、どうなりたいのかなどを具体的にした上で動画を制作できると、目的を果たしやすくなります。
動画制作の際に意識したいのが、ストーリー性です。ただ情報が淡々と流れてくるだけの動画だと、途中で見飽きてしまい離脱されてしまいます。
動画を最後まで見るのは、やはり続きがきになるから、ストーリー性があり最後までみたいと思ってもらえているからです。
ただ情報を伝えるだけでなく、1つのコンテンツとして楽しんでもらいながらも伝えたい情報を伝えられるよう工夫しましょう。
視聴者はその動画を見るかどうかを、サムネイルや冒頭の数秒で判断します。ここでこの動画は面白くないだろう、役に立たないだろうと思われてしまったら、どれだけ中身を作り込んでいたとしても最後までみられません。そのため、冒頭の数秒で視聴者の興味をどれだけ引けるかが重要です。
興味を引くためには、ペルソナをしっかり定め、そのペルソナはどんなワードだと反応するかを考えます。また冒頭にアニメーションや効果音などを入れて注意を引くといった工夫も重要です。
動画制作は冒頭が8割です。いかに中身を最後まで見てもらえるようにするかを考え、工夫を凝らしましょう。
ここまで動画制作の一連の流れや動画制作を成功させるためのポイントについて解説してきました。
動画制作はどうしても途中でスケジュールが押してしまいます。スケジュール調整がうまくいかないと、予定していた日に動画ができあがらず、全てが無駄になってしまうケースもあります。
そうならないよう、続いて動画制作の流れをスムーズにするためにチェックしておきたい項目を紹介していきます。
動画制作は事前準備がとても大切です。事前の準備ができていないと、撮影当日にバタバタして必要な素材を取りきれなかったり、動画を編集する段階で必要な素材がなく制作が進まないといったことが起こり得ます。
事前準備の段階でチェックしておくべき項目は以下の通りです。
・動画制作の目的
・ペルソナ設定
・制作した動画の掲載先
・制作する動画の長さ
・絵コンテ
・撮影当日のスケジュール(実写動画の場合)
事前準備の段階でこれら全てをしっかり揃えておきましょう。
続いて撮影中のポイントです。まずは撮影中にチェックしたい項目をリストでピックアップします。
・撮影前の最終確認(人員配置・スケジュール)
・スケジュールの調整(時間通りに進んでいるか)
・撮影した素材のチェック(撮り直しの必要はないか)
・撮影した素材の最終確認(撮り忘れた素材はないか)
撮影中は決められたスケジュール通りに進んでいるか、必要な素材を全て撮影できているかをしっかり確認しましょう。
必要であればキャストなどにディレクションを行い、思い通りの映像を撮影できるようにしましょう。
動画の撮影・編集が完了したら、動画を掲載する前に最終チェックを行いましょう。
最終確認では以下の点をしっかりチェックしましょう。
・素材は正しく配置されているか
・素材の明るさ・彩度は適切か
・字幕の誤字・脱字がないか
・字幕は適切なタイミングで表示されているか
・余計なBGM・効果音が流れていないか
・効果音は適切なタイミングで流れているか
・BGM・効果音の音量は大きすぎない・小さすぎないか
これら全てをチェックし、クリアになったら動画の完成です。後は動画をアップロードして視聴者に見てもらいましょう。
ここまでは自社で動画を制作する際の流れやポイントについて解説してきました。動画を制作するとなると人員も必要ですし、実写の場合キャストも必要です。
自社でそこまでできないという場合、動画制作会社に依頼することとなります。その場合はどういった流れで制作が進んでいくのでしょうか。
続いて動画制作会社に依頼する際の一連の流れについて解説します。
まずは動画制作を依頼する前に、どんな動画を作るのか明確にしておきましょう。制作会社に依頼する前に、以下を決めておきましょう。
・動画制作の目的
・視聴者のペルソナ
・予算
・納期
視聴者のペルソナやどんな動画に仕上げるかはあらかじめ決めておくと制作会社との打ち合わせがスムーズに進みますが、全て決めなくても大丈夫です。制作会社との打ち合わせの中で決めることもできます。
初めてで全く何もわからない場合は制作したい動画に近い動画をYouTubeなどで見つけておけると、制作会社に作りたい動画のイメージをシェアできるため、完成時によりイメージに近いものに仕上がります。
動画制作会社は数多くあるので、自社で制作したい動画のイメージを再現してくれそうな制作会社を選びましょう。
実績が公開されているので、実績をみて制作会社を選び、見積もりをとりましょう。複数社から見積もりをとり、コストとクウォリティを比較して制作会社を決めましょう。
制作会社が決まったら、初回の打ち合わせを行います。ここでどんな動画を制作するのか、素材はどのように集めるのかなど細かくやることを決めていきます。
素材の撮影などには費用が発生するため、コストを押さえたい場合、自社で素材の撮影を行いましょう。
もちろん企画から素材の撮影、編集まで全て制作会社に依頼することも可能です。
打ち合わせが完了したら、役割分担が決まります。ここから先のフローは打ち合わせ内容によって異なりますが、全て制作会社に依頼する場合は動画の完成を待つだけで大丈夫です。
もしこちらで用意すべき素材がある場合は、スケジュールに合わせて素材の撮影などを行いましょう。
仕上がった動画を見て完成イメージとずれていないかをチェックし、修正箇所があれば制作会社に依頼して修正してもらいましょう。
制作会社に動画の作成を依頼する場合はこのような流れで進んでいきます。
どの制作会社に依頼するかによって、仕上がる動画は変わってきます。そのため、クウォリティの高い動画を作りたい場合、制作会社を見極めて選ぶ必要があります。
それではどういったポイントを見て制作会社を決めれば良いのでしょうか。
まずは制作会社がこれまでに作成してきた動画を視聴しましょう。実績の動画を見ることで、自社の動画もどのようなものに仕上がるのかイメージがつきますし、動画のクウォリティもチェックできます。
クウォリティにこだわる場合、これまでどういった作品を制作してきたのかを必ず確認し、納得できる動画を作ってもらえる制作会社に依頼しましょう。
動画を集客目的で制作する場合、その制作会社にマーケティングの視点があるかもチェックしましょう。
動画は制作して終わりではありません。動画を視聴してもらい、行動変容を起こしてもらうことがゴールです。
特に集客では視聴者の心を動かし、次の行動に移してもらうことが非常に重要です。
マーケティング視点がある制作会社であれば、動画内に集客に繋げるための様々な工夫を凝らしてくれます。逆にこうした工夫がないと、動画を制作してもただ作っただけで終わってしまいます。
制作会社が作った動画からどの程度の売上やリストを獲得できたか具体的な数字を出していれば大きな判断材料になります。
制作会社によってはマーケティング部分まで考慮して動画を制作しているとアピールしているところもあります。
そうした制作会社を選ぶことで、得たい成果を得られる動画を作れます。
動画制作にあたり、担当者と複数回やりとりを行う必要があります。例えば担当者の返信が遅いと、それだけ納期も後ろ倒しになる可能性があります。
担当者とのやり取りのスピード感や相手の対応などを見て、信頼できる制作会社かを見極めて安心できるところで発注しましょう。
動画制作を依頼する際、どの制作会社を選ぶかがとても重要です。ここまでそのポイントについて解説してきました。
制作会社を選ぶ上で必ず比較するのが、料金ではないでしょうか。予算が決まっているため、予算内で効果を最大限出せる制作会社を選びたいですよね。
それでは制作会社に動画制作を依頼する場合の費用相場は一体どのくらいなのでしょうか。
実写の場合とアニメーション動画の場合とで相場が異なるので、この2つに分けて相場を紹介します。
実写動画の場合、企画から撮影、編集まで全て依頼すると相場は10万円程度で制作できるものから100万円以上必要になるものまで多岐に分かれます。
特に撮影にこだわったり動画の尺が長くなるとそれだけ費用は高くなります。
例えばこちらの動画の場合だと、費用は50万円程度となります。こちらは撮影機材を必要最小限にとどめ、自社のメンバーが出演しキャストの出演費用を抑えています。
少人数しか出演しない動画や、キャストが不要なインタビュー系の動画などの場合これくらいの相場になります。
一方こちらの動画のように、素材のクウォリティにこだわったり出演するキャストが多くなると撮影に費用がかかります。こちらの動画を制作しようと思うと、費用は100万円ほ程度となります。
予算とクオリティを比べながら、自社ではどのような動画を制作しようか検討しましょう。
アニメーション動画の場合、実写の動画よりも制作コストは抑えられることが多いです。
例えばこちらの動画のように、簡単なアイコンとアニメーションのみで動画を制作しているサービス紹介動画であれば、50万円以下で制作可能です。
一方こちらの動画のように、尺が少し長く動きも多くつけると、50〜100万円という料金が相場になってきます。
こちらも動画の目的やクオリティと照らし合わせ、どのくらいの予算が最適かを検討し作成する動画の内容を決定しましょう。
ここまで制作会社に動画を依頼する場合、どういった流れで制作が進んでいくのか、どの程度料金がかかるのかなどを解説してきました。
最後に動画制作に関してよくある質問に回答していきます。
動画の制作期間に関しては、制作する動画によって異なります。簡単な編集のみでよければ1〜2週間で完成する場合もありますが、撮影が数日に渡ったりクウォリティの高い素材を集める必要があり、動画の尺も長くなる場合、初回の打ち合わせから動画の完成まで2, 3ヶ月ほどかかる場合もあります。
制作会社によってスピード感はまちまちなので、早い段階から依頼して制作を進められると希望する納期に間に合わせられます。
動画制作会社に制作を依頼した場合、原則制作会社が著作権を有する形になります。これは映像の著作・創作行為についての発意と責任が映像会社にあるためです。
ただし、制作会社とすり合わせて双方の合意のもと、著作権を自社のものにすることも可能です。
どの制作会社でも著作権を譲渡してくれるとは限りませんが、もし自社で著作権を持ちたいのであれば制作会社に交渉してみましょう。
この記事では、動画制作を行う際の一連の流れや、制作会社に依頼する際に見ておきたいポイントなどを解説してきました。
動画制作は大きく実写とアニメーションの2つに分かれます。制作の流れとしては、大きく変わるのは撮影が入るかどうかで、それ以外の流れは大きく変わりません。
動画制作を依頼する際、その会社の実績を見たりマーケティング視点があるかを確認し、担当者とのやりとりなどもチェックした上で依頼できると失敗する確率を減らせます。
動画制作の相場などについても解説してきたので、この記事を参考にこれから制作する動画を意義あるものにしていきましょう。