「自社の魅力的な商品を、もっと多くの人に届けたい」
「コロナ禍を経て、オンラインでの販路開拓が急務だと感じている」
「ECサイトを立ち上げたいけれど、初期費用がネックで一歩を踏み出せない…」
このようなお悩みをお持ちの中小企業・小規模事業者の皆様は多いのではないでしょうか。ECサイト(ネットショップ)は、今や事業成長に欠かせない重要なツールですが、本格的なサイトを構築するには決して安くないコストがかかります。その大きな負担を軽減し、事業者の挑戦を後押しするために存在するのが、国や自治体の「補助金制度」です。
しかし、いざ補助金を活用しようと調べ始めると、「どの補助金が使えるの?」「IT導入補助金ってECサイトに使えるんじゃないの?」「申請って複雑で難しそう…」といった新たな壁にぶつかることも少なくありません。
特に、かつてECサイト構築の代表格だった「IT導入補助金」が2024年度以降、制度変更により原則としてECサイトの”新規制作”には利用できなくなったことは、多くの方が知らない、あるいは誤解しているポイントです。
そこでこの記事では、EC/D2C領域のコンテンツマーケティングを専門とする株式会社StockSunが、2025年の最新情報に基づき、以下の点を徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、「it補助金 ECサイト」に関するあらゆる疑問が解消され、自社に最適な補助金を見つけ、自信を持って申請準備を進めることができるようになります。販路開拓の大きな一歩を、確かな情報と共に踏み出しましょう。
目次
まず、最も重要な注意点からお伝えします。2025年現在、「IT導入補助金」をECサイトの新規制作(ウェブサイトをゼロから構築する費用)に活用することは、原則としてできません。
「以前は使えたはずなのに…」と疑問に思われる方も多いでしょう。その通り、2023年度までのIT導入補助金には「デジタル化基盤導入枠」という類型があり、会計ソフトや決済ソフトなどと連携するECサイトの制作費用が補助対象に含まれていました。しかし、2024年度の制度変更に伴い、この枠組みが大きく見直されたのです。
ECサイトの新規制作がIT導入補助金の対象から外れた背景には、主に2つの理由があると考えられています。
では、EC事業者はIT導入補助金を全く活用できないのでしょうか?答えは「No」です。ECサイトの”新規制作”は対象外ですが、EC運営の業務効率化や生産性向上に直結するITツールの導入であれば、引き続き補助対象となる可能性があります。
具体的には、「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」などを活用するケースが考えられます。
【IT導入補助金の活用が期待できるITツールの例】
これらのツールは、ECサイトそのものを作る費用ではなく、その裏側にある業務を効率化するためのソフトウェア導入費用として補助金の対象になり得ます。特に、インボイス制度への対応は多くの事業者にとって喫緊の課題であり、インボイス枠を活用して対応ツールを導入することは非常に有効な手段と言えるでしょう。
ポイント:ECサイトをゼロから作る費用は対象外。しかし、EC運営の「業務効率化」に貢献するソフトウェア(会計、受発注、在庫管理など)の導入には、IT導入補助金を活用できる可能性がある。
それでは、IT導入補助金に代わって、現在ECサイトの構築や大規模なリニューアルに活用できる主要な補助金はどれなのでしょうか。ここでは、多くの事業者にとって現実的な選択肢となる3つの補助金「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」を、それぞれの特徴や対象者、注意点とともに詳しく解説します。
【こんな方におすすめ】
「小規模事業者持続化補助金」は、その名の通り、小規模事業者を対象とした制度です。地域の商工会または商工会議所のサポートを受けながら経営計画を作成し、それに基づいて行う販路開拓や生産性向上の取り組みにかかる経費の一部が補助されます。
ECサイトの構築は、新たな顧客層へアプローチするための「販路開拓」の取り組みとして、まさしくこの補助金の目的に合致しています。比較的申請しやすく、多くの小規模事業者にとって最も身近な補助金と言えるでしょう。
対象となる「小規模事業者」の定義は、業種ごとに常時使用する従業員の数で決まっています。
補助上限額と補助率は、申請する「枠」によって異なりますが、最も一般的な「通常枠」では以下のようになっています。
【通常枠】
このほか、賃上げに取り組む事業者やインボイス発行事業者に登録した事業者などを対象に、補助上限額が最大200万円まで引き上げられる特別枠も設けられています。
ECサイト構築に関連する費用は「ウェブサイト関連費」として計上します。具体的には、サイト構築費、リニューアル費、更新費、オンライン決済システムの導入費、SEO対策費、Web広告費(補助事業期間内に効果が明確になるもの)などが対象となります。
ただし、この「ウェブサイト関連費」には非常に重要なルールがあります。
【ウェブサイト関連費の重要ルール】
つまり、「ECサイト構築費用75万円のうち、補助率2/3の50万円を補助してほしい」という申請はできません。ECサイト構築(ウェブサイト関連費)と、例えば新商品のPR用チラシ作成(広報費)などを組み合わせ、「事業全体として販路開拓に取り組みます」という計画を立てる必要があります。
【こんな方におすすめ】
「事業再構築補助金」は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することを目的とした、非常に大規模な補助金です。
単にECサイトを作るだけでなく、例えば「飲食店が冷凍食品を開発し、それを販売するためのECサイトを構築する」「アパレル小売店が実店舗を縮小し、オンラインでのオーダーメイドサービスを開始する」といった、事業の柱を大きく変えるような取り組みが対象となります。補助額が非常に大きいため、EC事業への本格参入やビジネスモデルの変革を目指す企業にとって強力な支援策です。
対象は中小企業等で、売上高の減少要件や、事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当することなどが求められます。申請枠は事業の成長性や規模に応じて複数用意されており、代表的な「成長枠」では以下のようになっています。(※公募回により内容は変動します)
【成長枠】
事業再構築補助金では、ECサイト構築費用は「機械装置・システム構築費」や「クラウドサービス利用費」などに該当します。重要なのでは、「なぜECサイトが必要なのか」という点です。
採択されるためには、ECサイトの構築が、新市場への進出、事業転換、業態転換といった事業再構築のストーリーの中で、不可欠な要素であることを明確に示す必要があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。
【こんな方におすすめ】
「ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、中小企業・小規模事業者等が取り組む、革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援する制度です。
「ものづくり」という名称から製造業向けのイメージが強いですが、正式名称の通り「サービス」の開発も対象です。そのため、これまでにない新しい仕組みや顧客体験を提供するECサイトの開発であれば、補助対象となる可能性があります。
対象は中小企業・小規模事業者等です。申請枠は複数ありますが、代表的な「製品・サービス高付加価値化枠」では以下のようになっています。(※公募回により内容は変動します)
【製品・サービス高付加価値化枠】
ものづくり補助金でECサイト構築費を申請する場合、その費用は「システム構築費」などに該当します。この補助金で採択されるには、事業計画に「革新性」が求められます。単に商品を並べて売るだけの一般的なECサイトでは、革新的とは言えません。
どのようなECサイトであれば「革新性」があると判断される可能性があるのでしょうか。以下に例を挙げます。
このように、新しい技術の導入や、これまでにないサービスの提供を伴うECサイト開発が、ものづくり補助金の活用イメージとなります。
補助金は返済不要の貴重な資金調達手段ですが、その利用にはいくつかの注意点が存在します。これらのポイントを知らないまま進めてしまうと、「思ったようにお金が使えなかった」「資金繰りが苦しくなった」といった事態に陥りかねません。ここでは、特に重要な3つの注意点を解説します。
最も重要な注意点が、補助金は原則として「精算払い(後払い)」であるという点です。
これは、まず事業者がECサイトの構築などを自己資金で全額支払い、その事業が完了した後、事務局に実績報告書と支払いの証拠(請求書や振込明細など)を提出します。その後、内容が審査され、問題がなければ初めて補助金が振り込まれる、という流れを意味します。
【お金の流れのイメージ】
つまり、交付決定を受けてもすぐに資金が手に入るわけではありません。一時的にではありますが、補助事業にかかる経費の全額を立て替えるだけの自己資金、あるいは融資による資金調達が必要不可欠です。この点を理解せずに申請を進めると、いざ事業を開始する段階で資金がショートしてしまう危険性がありますので、十分な資金計画を立てておきましょう。
補助金は、申請すれば誰でも受け取れるものではありません。各補助金には予算があり、申請者の中から、事業計画の内容が優れたものが審査によって選ばれる(採択される)という仕組みです。
採択率は補助金の種類や公募回によって変動しますが、人気の補助金では50%を下回ることも珍しくありません。つまり、2社に1社以上は不採択(不合格)になるということです。
「補助金が採択されること」を前提に事業計画を立ててしまうと、不採択になった場合に計画そのものが頓挫してしまいます。補助金はあくまで事業を加速させるための一つの手段と考え、もし不採択だった場合でも事業を継続できるような代替プラン(自己資金のみでスモールスタートする、融資を活用するなど)も視野に入れておくことが重要です。
また、不採択の理由を分析し、事業計画をブラッシュアップして次回の公募に再チャレンジすることも有効な戦略です。
補助金の申請は、申込書を一枚書けば終わり、というような簡単なものではありません。申請には、事業の魅力を伝えるための詳細な事業計画書の作成が必須であり、これには多くの時間と労力を要します。
【主な申請プロセス】
これらのプロセスを本業と並行して行うのは、非常に大きな負担となります。特に事業計画書の作成は、採択を左右する最も重要な部分であり、片手間で質の高いものを作るのは困難です。申請を決意したら、十分な準備期間を確保し、計画的に進めることが成功の鍵となります。
厳しい審査を突破し、採択を勝ち取るためには、戦略的な準備が不可欠です。特に、申請の核となる「事業計画書」の出来栄えが採否を大きく左右します。ここでは、審査員に「この事業を支援したい」と思わせる、採択率を上げるための5つの重要なポイントを解説します。
すべての補助金には、その制度が創設された「目的」や「趣旨」があります。審査員は、あなたの事業計画がその補助金の目的に合致しているかを厳しくチェックします。
公募要領の冒頭部分には、必ずその補助金の目的が書かれています。そこを熟読し、事業計画書全体を通じて、「私たちの事業は、この補助金が目指す社会の実現に貢献します」という一貫したメッセージを伝えることが重要です。独りよがりな計画ではなく、国の政策目標に沿った事業であることをアピールしましょう。
事業計画書では、「なぜ今、ECサイトを構築する必要があるのか」を論理的に説明する必要があります。そのためには、「現状の課題 → 課題の原因 → 解決策としての補助事業(ECサイト構築) → 期待される効果」というストーリーを明確に描くことが有効です。
【ストーリー構築の例】
このように、ECサイト構築が単なる「やりたいこと」ではなく、経営課題を解決するための必然的な一手であることを説得力をもって示すことで、計画の妥当性が格段に高まります。
「売上をアップさせます」「頑張ります」といった曖昧な表現では、審査員に計画の実現性を信じてもらえません。目標は、誰が見ても達成度が測れる客観的な数値で示す必要があります。
【数値目標の具体例】
これらの数値目標は、希望的観測であってはいけません。市場規模、競合の状況、自社のリソースなどを分析した上で、「この計画を実行すれば、この目標は達成可能だ」という根拠(算出根拠)も併せて示すことが重要です。実現可能性の高い計画は、審査員に安心感と期待感を与えます。
多くの補助金では、通常の審査項目に加えて、特定の要件を満たすことで評価が上乗せされる「加点項目」が設けられています。採択のボーダーライン上にいる場合、この加点の有無が当落を分けることも少なくありません。公募要領をよく確認し、自社が取得可能な加点項目は積極的に狙っていきましょう。
【主な加点項目の例】
これらの認定取得には時間がかかるものもあるため、補助金申請を見据えて早めに準備を進めることが得策です。
ここまで読んで、「事業計画書を自分で作るのは難しそうだ…」と感じた方もいるかもしれません。実際、質の高い事業計画書を作成するには、専門的な知識やノウハウが必要です。
そのような場合は、補助金申請を専門にサポートするコンサルタントや行政書士、地域の商工会・商工会議所といった専門家の力を借りることも有効な選択肢です。専門家は、数多くの採択事例や不採択事例を知っており、審査員に評価されやすい計画書の書き方を熟知しています。
もちろん費用はかかりますが、自社だけで作成して不採択になるリスクや、本業を圧迫するほどの時間と労力を考えれば、専門家への投資は十分に価値があると言えるでしょう。相談することで、自社だけでは気づかなかった事業の強みや新たな視点を得られることもあります。
ここまで、ECサイトで使える補助金の種類や申請のポイント、成功事例を解説してきました。しかし、同時に「やはり自社だけで申請手続きを進めるのはハードルが高い」「仮に補助金が採択されても、その後のECサイト制作や集客で本当に成功できるだろうか」といった不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
補助金は、あくまで事業をスタートさせるための起爆剤にすぎません。本当に重要なのは、その資金を元手に、いかにして売上を伸ばし、事業を成長させていくかです。その「採択から成功まで」の全プロセスを、高いレベルで実現するのが、私たち株式会社StockSunのコンサルティングサービスです。
補助金申請の第一歩は、数ある制度の中から自社の状況に最も適したものを選ぶことです。私たちは、累計1,910社以上の支援実績から得た豊富なノウハウを基に、貴社の事業内容や投資規模に最適な補助金制度をご提案します。さらに、採択の鍵を握る事業計画書も、Web戦略のプロフェッショナルが、審査員を納得させる「販路開拓のストーリー」や「実現可能な数値目標」を盛り込み、採択率の高い「勝てる」事業計画の策定を徹底的にサポートします。
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