近年、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)の数は急増しており、それに伴いインバウンド対策の重要性が再認識されています。
自称「インバウンドニキ」こと上田和真が、観光業・小売・飲食・美容クリニックなど幅広い業種での成果や具体的なインバウンド成功事例を交えながら、効果的なインバウンド戦略について解説します。
以下参考動画を掲載しています。記事を読む時間がない方や筆者の略歴について知りたい方は、ぜひご視聴ください。
目次
インバウンド対策には多大なメリットと経済効果があります。
言わずもがな、外国人客が今までいなかった場合は客数の純増に寄与します。
日本人客よりも高単価にできる可能性があります。例えば飲食ですと、アメリカの相場と比べて1/3程度の金額です。そもそも日本にしかない商品やサービスの場合は、プレミア価格をつけることができます。特に美容やクリニックなどは富裕層による高収益マーケットの開拓が可能で、直近注力しています。
インフルエンサーやお客様の投稿(UGC)を積み上げていくと、集客資産になります。
日本人の行動パターンとインバウンド観光客のそれは異なります。例えば、日本では小売消費が落ち込みやすい2月であっても、中国の春節と重なっている中国人観光客の来日数は多く、活発な消費活動を見込めます。
「インバウンド対策支援」と聞くと、「外国人インフルエンサーを起用したSNS投稿」というイメージを持つ方が多いですが、それは一部に過ぎません。実際には、多言語対応・オペレーション構築・包括的な仕組みづくりなどによる多角的な支援を提供しています。
ここでは、インバウンド対策で得られる価値を4つに分けて解説します。
グローバル市場で成果を出すために重要な要素の一つが、文化や国によって異なるニーズを正確に見極める力です。
たとえば、
といったように、同じインバウンド文化ごとに響くポイントが全く異なるため、「誰に対して売るのか」を明確化することがとても重要です。
インバウンドニキは貿易業や豊富な海外経験を活かし、まず現地の「消費者目線」で感じた違和感を出発点に市場仮説を立てます。その上で海外ユーザーの動向をInstagramやTikTok上で観察し、どのような投稿が人気を集めているかを分析します。それに加え、「共感・感情・ノリ」のような非言語的な要素も拾い、総合的にマーケット判断をします。
感覚だけではなく、定量的な調査+実地経験によってターゲット市場を見極めるのが強みです。
インバウンド市場において成功するコンテンツには、ただ言語を訳すだけでなく、その土地の価値観や笑いのツボ、そして日常の感覚までを「翻訳」する力が求められます。
コンテンツ制作の過程では、インフルエンサーと意見を交わしながら、「どの表現が誰に刺さるのか?」という視点で話し合いを重ねます。ユーモアの加減、タブーの回避、表現の温度感などを、徹底的にすり合わせ、双方が納得できるコンテンツに落とし込んでいきます。
社内の担当者も全員マルチリンガルであり、言葉の壁を越えて「その国の人にしっかりと伝わる表現」を作り出します。細かなニュアンスや感情の機微までくみ取った発信が可能となり、文化的な誤解や炎上リスクも自然と下がります。
インバウンド施策の中でもGoogleマップとSNSは最重要チャネルです。しかし、それを戦略的に使いこなせている事業者はまだ少数です。複数のチャネルから、効果的に集客を図る戦略を設計することも強みです。
まず注目すべきは、GoogleマップのMEO(Map Engine Optimization)。実際に訪れた観光客に母国語でのレビューを投稿するよう促すなど、「地図検索→レビュー閲覧→訪問」という導線を丁寧に整備し、広告費をかけなくても新たな訪問者を呼び込む好循環を生み出します。複数言語のMEOであっても、月間の費用は3万円前後で済みます。あらゆる集客施策の中でも、金額が低めで社内の管理工数も大きくないので、強く推奨しています。
富裕層向け商材をお取り扱いされている場合は、上記のようなマーケティングでは市場開拓が難しいケースも多くあります。そんな時は海外の公的機関やVIP層との人脈ネットワークを駆使します。具体的には、大使館や海外系の在日商工会議所、政府機関などとの連携が可能です。単なる紹介や通訳でなく、アポ取りから交渉まで対応できます。別の事業を資産額100億円以上の非日本人と共同経営をしている強みを最大限に活用します。おそらく社内でこのような能力を育成するのは非常に困難だと考えています。まとめると、インバウンド施策のその先、海外進出まで見据えて支援できることが大きな強みです。
ここで、実際に支援した飲食チェーンの事例を紹介します。
こちらの飲食チェーンは、フランチャイズ展開を進める中で、外国人観光客向けの集客強化を決意。インバウンドニキが3つの施策を軸に並走した結果、1年で月商200万→1300万という驚異的な成長を遂げました。
REDを中心にインフルエンサーを起用しました。1-2月という閑散期において競合が広告費を減らす一方で、春節の時期に合わせて来日する中国人観光客をターゲットに広告予算を増額し、10名のインフルエンサーを起用しました。
SNSで興味を持っても、対象の言語のWebサイトや翻訳メニューがなければ来店に至りません。そのために、
を徹底し、来店時のストレスを最小限に抑えました。
来店した外国人観光客が母国語でGoogleレビューを書いてくれれば、その言語で検索するユーザーに表示されやすくなります。
外国語のレビューが蓄積されることで、Googleマップ上での検索順位が上昇します。実際、この施策を行った店舗では、半年間でレビューが20件(日本語のみ)→100件超(7割が外国語)に増加。中国の春節時期には来客の7割を中国人観光客が占める、という大きな成果を上げました。
日本語だと100社がMEOに取り組んでいたとしても、弊社の肌感ではそのうちの10-20%程度しか多言語でのMEOはできていません。実際、東京都内の超激戦区で鮨屋さんのMEOを行ったところ、2ヶ月で英語と中国語で1位を取得しました。まだまだインバウンド市場はブルーオーシャンです。
外国人観光客数は年々増加しており、あらゆる業種にインバウンド集客のチャンスが広がっています。特に「ラグジュアリー」「医療」といった市場では先行者優位が大きく、インバウンド対策を始めることを強く推奨します。
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