「YMYLって何?」
「対象ジャンルは?どんなことに気をつけてSEOに取り組めばいい?」
と疑問に思っている人もいるでしょう。
YMYLはGoogle独自のウェブサイトの評価基準で、「検索品質評価者向けガイドライン(Google General Guidelines)」に定められています。英語で150ページにもわたり記載されているため、この記事ではポイントを要約してお伝えします。
YMYLを理解していないと、いくら記事を増やしても上位表示が難しく、逆にYMYLを理解していると上位表示されをしやすくなります。
ここでは、YMYLの概要や対象ジャンル、SEOにおける対策のポイントを紹介します。
サイトを上位表示させたい人は、ぜひ参考にしてください。
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SEO対策の相談をする目次
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略称です。
日本語に訳すと「あなたのお金、あなたの生活」となります。人生において大きな影響を与える領域のウェブサイトのことを指します。
Googleの検索品質評価ガイドラインに、YMYLは1つの項目として設定されています。
例えば、お金に関する間違った情報を発信しているサイトは、読者の財産を失わせる恐れがあると考えられます。
他にも、医療に関する間違った情報を発信しているサイトは、読者の健康を害する恐れがあり、最悪の場合は、生死に関わる問題に発展する恐れもあります。
間違った情報を発信しているサイトを上位表示すると、大きな被害につながりかねなません。
そのため、Googleは特定のジャンルについて、より厳格に評価しているのです。
Googleの検索品質評価ガイドラインとは、検索エンジンが適切に動作をしているかを確認するために、人間がコンテンツの品質を目視チェックする際に使用する、Googleが作ったガイドブックです。
検索エンジンがどんなページを上位表示させるのかがわかる情報が詰まっているため、SEOを実施するときには必ず内容を把握しておくべきです。
もともとは、社外秘の資料でしたが、なんらかの理由で過去に数回流出しました。
現在では、Google公式が「General Guidelines」という題名のPDFファイルで一般公開しています。
ただし英語版のみとなるため、翻訳サイトなどを活用しつつ内容を理解していきましょう。
YMYLが重要になった背景には、Googleが読者の生活を守るためです。Googleの基本的な考え方は、「ユーザーに質が高い情報を提供すること」「ユーザーに誤った情報を提供しないこと」です。
かつては、アルゴリズムの穴を突いて、低品質な記事でも上位表示がされていました。
2016年に「WELQ(ウェルク)問題」という事件が起きました。この事件では、医療情報サイト「WELQ」で、「肩こりは守護霊のせい」というような低品質な記事が上位表示されていました。
WELQでは、このほかにも医療系の知識がないライターの書いた記事が多数掲載されていました。「死にたい」と検索すると、転職のアフィリエイトサイトに誘導されるなど、低品質な記事が問題になりました。
WELQが上位表示できていた理由は、当時は8,000文字や10,000文字の記事など文字数が多い記事をGoogleが評価していたからとされています。
この事件を受けて、GoogleはYMYLをより重視して、YMYLの対象ジャンルの品質向上を目指したといいます。
「健康アップデート」とも呼ばれ、健康に関する分野は特に厳格に評価されるようになりました。
この影響で、健康に関するサイトの順位が落ちたり、閉鎖に追い込まれたりしました。
参考:SEO対策とは?上位表示に必要な基本施策を事例付きで解説【2024年最新版】
Google検索品質評価ガイドライン「General Guidelines」では、YMYL領域について、以下のように言及しています。
WEBページには、多種多様なコンテンツが掲載されています。
一部のコンテンツにはユーザーに危害を及ぼすリスクが高い内容が含まれています。
人々の健康、経済の安定、安全、あるいは社会の福利厚生に重大な影響を与える可能性があります。
私たちはこれらのトピックを「Your Money or Your Life」または YMYL と呼んでいます。
YMYL トピックは、次の 1 つ以上に重大な影響を与えたり、損害を与えたりする可能性があります。
そのため、YMYL領域はページの品質評価時に厳重に精査をする必要があると考え、非常に高い品質評価基準を設けています。
引用元:General Guidelines
翻訳:本コンテンツの著者
上記のとおり、Google検索品質評価ガイドラインにて、ユーザーに危害を加えないためにもSEOで高い評価基準が設けられていることが名言されています。
YMYLの対象ジャンルは、次のとおりです。
上記のジャンルでサイトを運営する場合は、他のジャンルに比べて厳密な専門性や信頼性が求められると覚えておきましょう。
それぞれ解説していきます。
病院の情報、医療系や健康に関するサイトが該当します。
健康は重要なジャンルであるため、病気の症状や治療法の情報などは、厳しく評価されます。
国際問題や時事問題などを扱うサイトが該当します。
例えば、「日本の消費税が20%になる」という誤情報が載っていたら、それを見た人の中には日本から離れる人も出るかもしれません。
スポーツやエンターテインメントに関するニュースは、該当しないとされています。国際問題や時事問題に比べて、生活に対する意思決定の影響が少ないからです。
市民の権利関係、政府関係、法律関係のサイトもYMYLに含まれます。
行政サービスは市民の権利なので、誤った情報では権利を使えない恐れがあるでしょう。
離婚や相続なども、人生に大きな影響を与えるため、正確な情報が求められます。
投資や投機などの金融情報のサイトが該当します。
クレジットカード、保険やFXや仮想通貨などお金に関係するサイトが該当します。
お金に関する誤った情報は、読者が財産を失ってしまう恐れがあるので、厳格な情報が求められるのです。
ECサイトが該当します。オンラインで商品やサービスを購入できるサイトも厳格に評価されます。
これは、大切なお金に関わるサイトだからです。
中でも、高額な商品・サービスを扱うサイトは特に厳しく評価されます。
人種、宗教団体やLGBTQAなどのサイトが該当します。
人種や宗教やLGBTQAなどテーマは差別につながるため、厳格な評価がされます。
例えば、「○○な人は、犯罪率が高い」というような誤った情報を発信すると、該当する人たちに被害が出てしまうからです。
そのほか、進学や就職など人生に大きな影響を与えるサイトも該当します。
人生に大きな影響を与えるジャンルはYMYLになると覚えておきましょう。
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SEO対策の相談をするYMYLは、誤った情報によるコンテンツが、ユーザーに危害を与える可能性のある領域とされています。
上記を取り締まるために実施された、YMYLと関係の深いアップデート事例は、次の2つです。
2017年4月 | フェイクニュース対策のアップデート |
2017年12月 | 医療や健康に関する評価のアップデート |
アメリカ大統領選挙選の際に、ニュースメディアによく似たWEBサイトがたくさん作られました。
そこでは、誤った内容や偏った見解のコンテンツが投下されていたため、問題となりました。
これを機に、誤った内容のコンテンツが拡散されることを防ぐためにアップデートが実施されました。
また、「YMYLが重要視されている背景」でも解説している通り、2017年に健康アップデートと呼ばれる日本限定のアップデートが実施されています。
「WELQ(ウェルク)問題」という事件が引き金となり、健康ジャンルのサイトのうち60%以上が影響を受ける結果となりました。
フェイクニュース対策のアップデートでは、検索結果に以下の影響がありました。
①Google検索品質評ガイドラインの改訂
Googleのガイドラインに、フェイクニュースなど誤解を招く・悪意がある・不快なページについての解説と判断基準についての項目が追加されています。
②強調スニペットの表示
検索クエリに対する正しい解を即座に認識できるような強調スニペット(本文を抜粋したもの)が表示されるようになりました。
③フィードバック送信機能の追加
検索クエリに対して間違った情報の関連キーワードが表示されるとき、フィードバックを送付できるようになりました。
他にも検索結果に対してもフィードバックを送れるようになっています。
健康アップデートでの検索結果への影響は、YMYLが特に重視されるキーワードで健作したとき、政府が運営する公的機関や、医療機関のホームページが上位表示されるようになったことです。
専門的な知見を有していない一般人の運営するコラムサイトは、上位を獲得することが不可能となりました。
YMYLと合わせて覚えておきたい考え方にE-E-A-Tがあります。
なぜならYMYL領域のコンテンツは、E-E-A-Tの基準が特に重視されて評価されるためです。
本章では、E-E-A-Tについて詳しく解説します。
E-E-A-Tとは、Google独自のウェブサイトの評価基準のことです。
E-E-A-Tは、Googleが低品質な記事を上位表示させないために作ったと言われています。
YMYLのジャンルで上位表示するには、高いレベルでE-E-A-Tを満たす必要があります。E-E-A-Tを満たしていない状態では、どれだけ記事数を増やしても上位表示は難しいです。
YMYLはこのE-E-A-Tがより重視される分野と覚えておきましょう。
コンテンツの著者が、コンテンツ内容に関する経験と実体験を持っているのかを評価します。
Googleのガイドラインでも、商品を使ったり、場所に行ったりした経験に基づいた体験談の入ったコンテンツが上位表示されやすいと名言しています。
例えば、iPadに関するコンテンツを作成したときには、実際にiPadを使っていた経験談が含まれていた方が良いです。
コンテンツで紹介する商品・サービスや場所を体験しているかが重要とされています。
コンテンツの著者が、コンテンツの内容に専門的な知見や技術を持っているのかも評価されます。
専門的な知識を持った著者が作成したコンテンツは、知識のない人間が書いたコンテンツよりも評価されるようになっています。
たとえば、iPadのコンテンツの場合には、Apple製品のファンが書いたコンテンツよりも、Appleに勤務していてiPadの開発に関わっている人が書いたコンテンツの方が上位表示されやすいです。
その他、テーマに関するコンテンツが1つだけ用意されているのではなく、複数のコンテンツが用意されたWEBページの方が専門性が高いと認知されます。
具体的には以下のとおりです。
専門性が高い | 各世代のiPadに関するレビュー記事や、その他Apple製品に関する記事がWEBページ内に投下されている |
専門性が低い | iPadの関する記事は1記事その他の記事は、食べ物のレビューや時事ネタなど雑記ブログのようなWEBサイト |
上記も踏まえて一つのテーマに関する記事が複数投下されているWEBサイトの方が専門性が高いと評価されます。
コンテンツの内容で、著者やWEBページの運営者がどれだけ権威を持っているかも考慮されています。
権威を評価する指標では、テーマに関連したWEBサイトや、SNSから引用してもらったり言及してもらったりしていることが考慮されます。
具体的には以下の通りです。
被リンク | ・テーマに関する分野の他サイトやSNSにウェブページのリンクが貼られている |
サイテーション | ・作成者(運営者)について他サイトやSNSから言及されている |
具体的には、iPadに関するWEBサイトを運営している場合には、Apple製品に関する専門家としてさまざまなサイトやSNS、もしくはAppleの公式サイトなどから紹介されていることが求められます。
信頼性は以下3つの内容が担保されていることで、評価されます。
その他、次の項目も信頼性の基準として設定されています。
E-E-A-Tについては以下の記事で、より詳しく解説しています。
参考:E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOで重視されるGoogleの評価基準と上位表示にむけた14選の施策を紹介
YMYLの対象ジャンルのサイトは、他のジャンルよりも上位表示が難しいため、対策が必要です。
YMYLのSEOにおける効果的な対策のポイントは、主に次のとおりです。
一度にすべておこなう必要はないので、できるものから実践してください。YMYLはスコア化が難しいですが、これらのことを実践することで、上位表示がしやすくなります。
また、ユーザーにとっても利便性が高いサイトになりやすいです。
SSL化(https化)すると、安全なサイトであるとGoogleや読者にアピールできます。SSL化(https化)することによって、通信が暗号化されるため、個人情報を安全に取り扱えます。
プログラミングの知識がなくても、サーバーによっては簡単にSSL化(https化)の設定ができます。「契約しているサーバー名+SSL化」で検索すれば、設定方法が分かります。
SSL化していないと、ブラウザによっては「保護されていない通信」という警告が出てきて、アクセスされなくなる恐れがあるので、注意が必要です。
サイトを運営する際に、YMYL以外のジャンルを混ぜないように注意しましょう。
例えば、「医療とエンターテイメントのサイト」にしてしまうと、医療だけのサイトに比べて権威性が落ちてしまい、Googleから評価がされにくくなります。
医療のサイトの場合は、医療だけの情報を載せてほかのジャンルと混ぜないことが重要です。
YMYL以外の情報も発信したい場合は、サイトを分けるのが有効です。ジャンルを絞って、キーワードの網羅性を上げましょう。
いくら高品質な記事があっても、1記事や2記事では、Googleから評価されにくいです。
Googleからの評価を得るためには、サイトの情報を充実させる必要があります。
例えば、キャンセルポリシーや利用規約、よくある質問、問い合わせフォームなどの記載です。
なお、不正アクセスにより生成されたページがないか確認しておくことも大切です。
情報が古いとGoogleや読者からの評価が低くなります。
月に1回、3ヶ月に1回というように定期的に情報を見直し、情報を更新しましょう。
また、情報の更新日をサイトに記載することで、信頼性を担保できます。
例えば、以下の2つのサイトがあった場合、更新日が10年以上も新しいサイトBの方が評価されやすいでしょう。
特に、YMYLのジャンルでは、情報の新しさが重要なので、定期的に情報は更新しましょう。
更新日を新しくすることで、読者と検索エンジンの両方に最新情報であると伝えやすくなります。
YMYLでは、製作者のプロフィールを明記しましょう。
ただ、プロフィールを明記するだけでなく、ジャンルに関する経験や専門性を持っていることが分かるようにしましょう。
例えば、金融系のサイトなら「大手銀行に10年以上勤めており、1000人以上の資産運用の相談にのってきた」などと記載するといいでしょう。
専門性をアピールできることがあれば、記載しましょう。
そのほか、作成者のSNSへのリンクを貼っておくのも有効とされています。
ただし、金融系のサイトにもかかわらず、「趣味はドライブで愛車は国産車」など、ジャンルと関係のないことを記載しても意味がないので、注意が必要です。
また、サイトの責任者が分かるようにしておくのも有効とされています。
運営会社(会社のURL、資本金や社員数や設立年など)を明記しておきましょう。
サイトの記事の信頼性を担保できるような出典を明記しましょう。YMYLでは、根拠がない情報は評価されません。
各省庁や大学や論文など、信頼性が高いサイトからの出典を明記することをおすすめします。
根拠がある正確な情報を記載できるようにしましょう。
個人や法人のサイトは情報を自由に編集できるため、出典元としては不向きです。
信頼性を高めるために、専門家に監修を依頼しましょう。
例えば、医療系のサイトであれば医師の監修、法律系のサイトなら弁護士の監修をつけましょう。
なお、専門家への監修は基本的に有償になるため、費用対効果を考えて依頼しましょう。
監修者のプロフィールをサイトに明記して、「この人が監修しているのか」と読者が分かるようにしましょう。
専門家の監修を受けることで、コンテンツに間違いがあっても訂正できます。ただし、専門家の監修によっては、素人に分かりにくい表現になっている恐れもあるので、素人が読んでも分かる内容になっているか、記事の公開前に確認しておくと安心です。
被リンクを集めて、ドメインパワーを高めましょう。
そのために、被リンクをもらえるような役立つ内容にしましょう。
役立つ内容であれば、SNSで拡散されたり、他のサイトで紹介されたりして被リンクをもらえる可能性があります。
可能であれば、関連性が高いサイトからの被リンクが望ましいです。医療系なら病院や製薬会社からの被リンク、金融系なら銀行からの被リンクという形です。
「被リンクをもらうためには、どんな情報を記載したらいいか?」「この内容で被リンクがもらえるか?」と確認するようにしましょう。
また、良い評判(サイテーション)もサイトの評価に影響します。そのため、読者の生活のプラスになる情報を提供しましょう。
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上記のジャンルでサイトを運営する場合は、他のジャンルに比べて厳密な専門性や信頼性が求められます。
例をあげると、以下のようなジャンルはYMYL以外だと判断できます。
YMYL以外のジャンルは、以下以外のジャンルのため、幅広い種類が存在していると考えて良いでしょう。
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